家を建てる前に地盤調査を行うと、土地が軟弱で地震に耐えられるか否かが判明します。地盤が軟弱だと地盤改良工事が必要となります。また、軟弱地盤だと地盤沈下や液状化現象を起こしやすいので、過去にこれらの現象があった土地は避けたほうがいいでしょう。軟弱地盤はトラブルの原因とも言われ、今は良くても将来の大きな不安につながります。
良い土地を見分ける方法は
土地の性質、環境、法規制など多角的に見る
戸建住宅を考え始めて最初に思うことは、どこに住むかということでしょう。子供が幼い場合、幼稚園や保育園、小学校に近い土地を選んだり、仕事優先なら駅近くの場所を選んだりと、利便性を優先することになります。しかし、長く住むことを考慮すると、土地としての価値を知り、安心して暮らしていける場所を選ぶことがより大切になってきます。ここでは良い住宅地の基本的な条件についてご紹介します。
地盤が軟弱でない土地
過去も含め災害に強い土地
過去に何らかの災害に見舞われていると、再び問題が起きる可能性があります。災害が起きやすい地域かどうかを見分けるには、国土交通省のハザードマップポータルサイトで調べるといいでしょう。同サイトでは、日本全国のハザードマップがすぐに確認できます。
建ぺい率、容積率が希望通り
土地にはそれぞれ建てられる建物の大きさや高さに制限があります。建築面積の上限は「建ぺい率」で、延床面積の上限は「容積率」で決められています。また、「高さ制限」「北側斜線」など様々な規制もありますので、希望の大きさの家が建てられるか、事前に確認しておきましょう。
用途地域が第1種低層住居地域
ある日突然、住宅街に工場が建つと良好な環境が失われてしまいます。そうならないために法律で規制して区分しているのです。区分けは用途地域と呼ばれ、13種類の用途地域によって、建てられる建物の種類が制限されています。用途地域によって住宅地としての環境が違ってきますので事前に調べておきましょう。住宅地として最適の用途地域は、「第1種低層住居地域」です。小規模な住宅、学校、診療所、寺院などが建築可能な地域です。高さは最大でも12m以下という制限があります。
境界線がはっきりしている
土地のトラブルで最も多いのが境界線の問題です。最近は境界線に境界標が打ち込まれています。境界標は境界の折れ点に設置されていて、境界標と境界標を結ぶ線が境界線です。
実際に線はありませんが、地面に境界線が引いてあるのと同じ扱いとなります。問題はこの境界標が図面通りに打ち込まれていない場合があり、トラブルになることがあります。もし、境界標がなければ、隣人に立ち会ってもらい明確に線引きしましょう。
日当たりがよく高い建物がない
通風、採光、日照を確保するために建築物の高さを制限するため、道路斜線制限、隣地斜線制限が建築基準法で定められています。日影規制は中高層の建築物の高さを規制して、周辺にできる日影の時間を制限しようというものです。実際に現地に行って日光や日影の状態を確認しておくといいでしょう。また、近くに大きな建築物の建築予定や建築可能な土地がないかも確認しておきましょう。
まとめ
いざ住み始めて、こんなはずではなかったと後悔することのないように住宅地の選択は慎重に行いましょう。便利な土地はそれなりに価格が高くなり、住宅ローンにも影響します。費用とのバランスを考えながら、建築を依頼しているハウスメーカーなどに相談して、建物と土地の費用バランスが崩れないように、土地探しも依頼しておくと安心です。