簡単に説明すれば、都市圏に点在する農地の一部が宅地として売りに出されることで、新築住宅の供給が増え、不動産価格が下落するのではないかと考えられている問題のことです。
2022年問題の背景
50年程前に「市街化区域(都市化を勧める区域)」が定められ、宅地が増え田畑や緑が減少してきました。一方、一定の緑地を保全すべきという社会的な要請もみられ、結果として「生産緑地法」が制定され、市街化区域内でも農地の維持が可能なように、減税などの措置が取られました。その後、バブル期に価格が高騰すると、市街化区域内の農地売却の動きがみられ、無計画な開発が行われる恐れがあったため、生産緑地法は改正され、市街地の農地は「宅地化する農地」と「保全する農地(生産緑地)」に分けられました。宅地化農地は、宅地同等の固定資産税がある一方、生産緑地は農地並みの固定資産税と相続税の納税猶予が受けられるようになったのです。この生産緑地指定を受けた場合、所有者死亡等の理由で農業を辞めるか、あるいは指定を受けて30年経過するまでは、売却不可とされていたのですが、来る2022年、30年が経過し生産緑地の指定が解除となります。生産緑地でなくなれば、税の優遇措置がなくなるため、これらの土地が宅地として一斉に売りに出されるのではないか、との懸念が早くからなされていました。これが生産緑地の2022年問題の背景です。