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2022/02/06
住まい

家の周りを囲むフェンスの役割

家の周りを囲むフェンスには、さまざまな役割があり、またその役割に相応しい素材やデザインがあります。ではどんな素材や機能を備えたフェンスを選べばいいのか、またフェンスの高さはどの程度必要なのでしょう。今回は、設置する前に知っておきたいフェンスの基礎知識についてご紹介します。

家の周りを囲むフェンスの役割

敷地を囲むフェンスの役割

敷地を囲むフェンスの役割は、大きく分けて4つ上げることができます。まずは、隣家や自宅前の道路などの土地との境目を明らかにする、境界としての役割。次に、侵入者を防ぐという防犯と、小さな子どもやペットなどの道路への飛び出しを防止する役割です。さらに外部からの視線を遮るためのものでもあり、そして最後が、外から見たときの家全体のイメージを演出するというものです。これはフェンスだけでなく植裁と組み合わせたりすることで、さらに広がりのあるイメージを作り出すことができます。

フェンスの素材と種類

かつて家の周りの囲みとして日本の和風住宅でよく見られたのが、生け垣や板塀でした。生け垣や板塀はその後時代とともに、洋風住宅のイメージに合わせるように、ブロック塀やアルミのフェンスへと変化していきました。特にアルミのフェンスは、格子状のものや可動式のルーバーを使ったタイプなど豊富なバリエーションが増えて、いまや家を囲む素材として主流となっています。また最近ではアルミ以外の素材も登場し、木の風合いと強度を持つ「木粉(もくふん)入り樹脂」も人気となっています。この素材は樹脂製のため、防虫・防腐効果が高くメンテナンスの手間もかかりません。この他に、細いスチールを使ったスチールフェンスの場合は、格子やメッシュ状になっているものが多く、隙間が広くてフェンス自体があまり目立たないため開放感があり、どのようなデザインの住宅にも似合うフェンスとして高い人気があります。

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フェンスの形状は直線か曲線

フェンスの形状は、素材の加工のし易さから直線が一般的です。幅は様々ですが、シンプルでデザインのすっきりとしたフェンスが作れます。縦のラインが目立つフェンスは、和風の住宅に合うといわれ、それに対して横のラインが強調された横デザインは、洋風の家やモダン和風の住宅に似合うフェンスと言われています。また、曲線のあるデザインを作る場合には、アルミや鉄による鋳物製を使うことになるため、直線素材と比べてコストが掛かることになります。

フェンスの最適な高さは?

最適なフェンスの高さについては、まずはフェンスを設置する目的を明確にする必要があります。その目的によって、フェンスの高さは異なってくるからです。例えば、隣地との境界をはっきりさせたいだけなら高さはあまり必要ありません。しかし、外部からの目隠しが目的となると、ある程度の高さが必要になります。その場合は、どの角度や方向からの視線を遮りたいのかを考える必要があります。ただ、必要以上に高いフェンスを設置してしまうと、周囲に圧迫感を与えるばかりか、風通しと日当たりにも影響してしまいます。そのため、プライバシーを守るためのフェンスであっても人目を遮ることだけを優先せず、自然環境への影響やデザインの美しさ、家全体とのバランスもよく考慮して高さを決めることが大切です。

オープン外構という選択

ここまではフェンスを設置することを前提のお話をしてきましたが、あえてフェンスや塀などで囲わないという選択もあります。これは欧米の住宅などではよく見かけますが、最近日本でも「オープン外構」と呼ばれ人気が出てきています。オープン外構の一番のメリットは、視線を遮るものがないため敷地全体が広々と見えることです。芝生を貼った庭や季節ごとの草花を植えれば、家の前を通る人々の目を楽しませることもできます。

 

オープン外構のメリットとデメリット

オープン外構はフェンスや塀を設置しないため、防犯の面においては不安を持つ人もいると思います。ところが、実は近隣から敷地内が見えることで、侵入者にとっては死角となる隠れる場所がなく、防犯の面からも利点があるのです。また外構がない分、駐車スペースを確保しやすく、家の前の道路から敷地に自由に車を出し入れすることも可能となります。一方、オープン外構のデメリットは、プライバシーが保たれ難いことです。そのためオープン外構を採用する場合は、家の窓の位置や大きさ、洗濯物を干す場所など、住宅の設計段階から考慮することが大切です。

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まとめ

フェンスの役割には隣家との境界線を明らかにすることや防犯と安全、さらには外からの視線を遮りプライベートを守る役割があります。そのためフェスを設置する場合には、その役割に応じて素材やデザイン、最適な高さなどを決めることが大切です。また最近では、あえてフェンスを設けないオープン外構という選択肢もあります。これから家づくりを検討される場合は、住宅の工法や敷地の広さ、生活スタイルなども合わせて、家全体をイメージして検討しましょう。