埼玉県の中部に位置する鳩山町は、昭和40年代に開発された鳩山ニュータウンを中心に、東京のベッドタウンとして発展してきました。町には鉄道の駅はありませんが、路線バスやコミュニティバスのほか、自宅から目的地まで行ける乗り合いの交通機関「デマンドタクシー」があります。町内全域と町外にある大きな病院(埼玉医科大学病院)を結ぶルートにもなっています。しかも料金はワンコイン(100円、500円)のため、免許やクルマがなくても便利な交通手段として利用されています。
電車もクルマもいらない幸福度No.1の街~埼玉県比企郡鳩山町
「街の幸福度&住み続けたい街ランキング2021」(いい部屋ネット調査)における「街の幸福度 自治体ランキング」で、埼玉県比企郡鳩山町が全国で第1位となりました。2014年から2016年まで埼玉県65歳健康寿命でも1位に輝くなど、健康長寿の街でもある鳩山町。いったいどんな町なのでしょうか。
駅やクルマがなくても住みやすい街
過去の経験を活かして交通事故死ゼロ
鳩山町では、平成21年2月に発生した交通死亡事故を教訓に、令和3年5月30日に「交通死亡事故ゼロ4500日」を達成しました。クルマ社会と言われ、便利さを追求したことで事故の絶えない都市に比べ、少しくらい不便でも事故のない安心して住める街を目指したのが、鳩山町なのです。交通事故の悲劇は二度と繰り返さないという強い意思は、スクールバスの運行にも見られます。通学距離が数キロにも達する亀井地区の子供たちは、人家も少ない道を通学するため、平成21年からスクールバスが運行されています。
子供を守り元気に育てる街
鳩山町では平成16年以降、待機児童ゼロが継続しています。また、放課後児童を預かる学童保育所は、小学校の敷地内に「おしゃもじ山クラブ」と「銀河鉄道’90」を開設して対応。病気やけがをした子供を預かるサービス(小学6年生まで)も実施し、働くママやパパを応援しています。地域の子育て支援拠点として、「ひばり子育て支援センター」や「つどいの広場」は、子育て中の親子の交流や相談に利用され、独りで悩まず助け合える環境が整っています。
埼玉県で最も早い、地域子育て応援タウン
さらに、中学生までの医療費無料化や、医療機関での子ども医療費の窓口払いの廃止、中学校の35人学級をいち早く実施するなど、子育て支援はとても充実しています。子供が病気になったりけがをしたりしても、経済的な負担が小さく、無理なく通院することができます。こうした取組みが県に認められ、平成19年度には埼玉県内で一番早く、地域子育て応援タウンに認定されました。
認知症高齢者は地域で守る
認知症は個々の家庭の問題と考えず、地域全体で認知症高齢者の生活を支えていくことが重要であり、国の大きな方向性でもあります。鳩山町では年に数回、「認知症高齢者見守り講演会」や「認知症サポーター養成講座」、さらには個別相談や集団相談会を実施しています。また、地域の高齢者やその家族が気軽に立ち寄れる認知症カフェ「はーとんカフェ今宿」をオープン。認知症の相談や支援などを行っています。
懐かしい農村風景のある街
かつては日本の至る所で見られた田んぼの風景が、今もしっかり残る街。鳩山町らしい風景の一つです。21世紀にこの風景が日常的に見られるのは、農業を守り支えてきた証でもあります。都心に近い利を生かして、さまざまな農業のかたちに挑戦し、その結果、贅沢ともいえるほど希少な農村風景は、今や町のシンボルと言ってもいいでしょう。農村には近寄り難いという人は、農村公園がお勧めです。水と緑に囲まれた農村公園では、体験農園で採れた野菜を利用した料理教室なども行われています。まずは園内の農村活性化施設「まつぼっくり」に行ってみましょう。都市と農村の交流の場として利用されています。
まとめ
街の幸福度ランキングは、住みここち、静かさ・治安、物価・家賃の項目からみて判断されています。とかく便利さや豊かさを求める人が多い現代において、自然や人の温もり、子供がのびのびと育つ環境などを重視した街が、いま注目されているように思われます。鳩山町は、東京から1時間という立地でありながら、自然豊かな環境の中に閑静な住宅街が立ち並ぶ、住み心地のよい町です。機会があれば是非鳩山町を訪れてみてください。鳩山町で家づくりをお考えの際には、最寄りの住宅展示場は、鶴ヶ島住宅公園となります。