要介護者のいる家庭で、友人や兄弟を家に招いて誕生パーティーをやっている方がいます。介護に明け暮れる生活では、気持ちも沈んでしまいがちなので、楽しいパーティーを催すのは良い方法でしょう。パーティーは介護者と要介護者のどちらも楽しむことができます。デイサービスなどではよく誕生日にパーティーをやっており、家庭でももっと楽しんでやってみましょう。介護者の誕生日や何かの記念日をきっかけに、兄弟や隣人を呼んで会食することから始めてみましょう。パーティーではゲームやクイズをやったりプレゼントを渡したりと、楽しむことが基本なので、介護者の負担が増えないような方法で行うようにします。みんなで料理を持ち寄ったり片付けを手伝ったり、協力しあって開催するのがベストです。もちろんコロナ対策には十分注意をしながらです。
介護者の気持ちが楽になる4つの方法〜一人で頑張らないで息抜きを
自宅で家族を介護している方が、少しでも負担を減らして介助できるようにと、多くの介護サービスが生まれています。しかし、個人の負担はそう簡単に減るものではなく、やはり周囲の助けがカギとなっているように思われます。介護でお疲れの方に、少しでも心身が楽になる方法についてご紹介します。
ホームパーティーを開催
みんなで介護する有償当番制
「正々堂々がんばらない介護」の著者である野原すみれさんの提唱する有償当番制について紹介しましょう。野原さんのお母さまが要介護者となり、その介護は兄嫁だけに頼っていました。ところが、あまりの負担に耐えかね、兄嫁が家を出ていってしまうことに。野原さんには、兄のほかに三人の姉妹がいて、兄弟全員にある提案をしました。それは、兄弟が当番で母を看ることにし、しかも自給五百円のアルバイト料を払うというもの。その費用は母の蓄えから支払うという提案でした。当然、姉妹たちは大反対しましたが、兄が賛成してくれて、何とか有償当番制をスタートしたのです。実際にやってみると、思わぬ効果がありました。一つは、兄嫁の負担が軽くなり家に戻ってきたこと。二つめは、仕事意識が芽生え、不平等感がなくなったこと。三つめは、ちょっとしたお小遣いができたこと。四つめは、兄弟がひんぱんに顔を会わせて話をするようになったことでした。
野原さんのように当番制でなくても、介護をしてくれた人に対してお金を払うことは決して悪いことではないと思います。無償でやってもらうと何となく気が引け、やるほうも責任感や同情のためでといった自分を抑えてやっている気がします。お金は、その行為を必要で正当な仕事として認め、大いに助かっていると認めている証となるのです。代金を受け取ることで仕事意識が芽生え、やりがいへと変わる可能性も出てくるように思います。
介護が楽になるか否かは夫次第
介護が辛くなるか楽になるかは、家族の協力が鍵を握っています。特に夫婦の協力は大きな力となります。ところが、現実は自分には仕事があるから介護などしていられない、と休日でさえ手伝わないご主人もいるようです。これでは奥さまは逃げ出したくなるのも当然です。最近、介護が原因で離婚する夫婦が増えており、その理由として夫の思いやりのなさを指摘する専門家もいます。奥さまたちがご主人に望んでいるのは、会社を休んでまで介護をしてほしいのではありません。必要なのは、「いつもありがとう」という感謝とねぎらいの言葉なのです。いつも自分のことを気にかけてくれているという思いが、奥さまが介護を続けられる心の糧となるのです。介護するのが当然という気持ちは捨てて、常に気遣いを忘れないことが大切です。一方的に押し付けられているとか、感謝されていないと思われれば、奥さまはいつ家を出てもおかしくないと知るべきでしょう。
日記を書いてモヤモヤを消し去る
自分の気持ちを文章で表現することは、内に秘めたものを発散する効果があるようで、特に嫌なことを解消する効果があると言われています。介護で溜まったストレスを日記で解消するというのは、気が引けると思えるかもしれませんが、ストレス発散というものは得てしてそういうものです。楽しいからこそストレス発散になるのです。日記の内容は自分の気持ちを素直に表現するだけで、文章の上手、下手は関係ありません。内容よりも、日記を書くことで自分の胸の中に詰まったモヤモヤを吐き出すことが目的なので、美辞麗句を並べる必要はないのです。
まとめ
兄弟や成人の娘・息子が要介護者の家近くに住んでいるなら、ぜひ有償当番制をお勧めします。一週間でも順番に泊まり込んで、親の介護をするのが理想です。介護の基本である、食事、排泄、入浴のほかに、散歩や通院、買い物なども行ってもらい、一人だけに介護を委ねることがいかに酷かを感じてもらうことが大切です。協力者がいるということは、介護にとっては大きな負担軽減につながるのです。