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2022/03/06
暮らし

三世代同居で育児や出費を分担〜問題を解決すると魅力だらけの同居

国土交通省の資料によると、現在は夫婦とその子供だけで暮らす「核家族世帯」が最も多くなっています。しかし、その一方で三世代同居もまだまだ選択する人は少なくありません。今回は、問題を解決するとメリットもいっぱいある三世代同居に注目してみました。

三世代同居で育児や出費を分担〜問題を解決すると魅力だらけの同居

三世代同居を阻む生活リズムの違い

三世代同居とは、祖父母と夫婦、子供の三世代で暮らすことです。三世代同居が徐々に減ってきた理由としては、例えば、家の中で共有する場所が多いため、頻繁に接触することでプライバシーの確保が難しくなることがあります。また、祖父母とは掃除や洗濯、料理などのやり方が違うこともあるでしょう。全般的に時短で済まそうとする若い世代に対し、何ごとも丁寧に慎重に行う祖父母の意識とでは根本的な差があります。むしろ生活リズム、ライフスタイルの違いがあるのが当たり前で、こうした違いを受け入れられずに同居を避けてきたのが、今日の核家族の大きな原因でもあると考えられます。

三世代同居は国も重要なテーマに

核家族が増えたことで、子育てや介護が社会的な問題となっていますが、国としても重要な課題として認識し、三世代同居を促すような対策を打ち始めています。三世代同居によって世代間で助け合い、安心して暮らせることが、育児や医療といった財政面においてもプラスの効果があるため、国や自治体の重要なテーマとして掲げられているのです。

※参考:埼玉県の同居・近居に関する助成等

https://www.pref.saitama.lg.jp/a1107/kinkyodoukyo.html

 

ところで、以前、子育てに関する調査が内閣府によって行われました。「家族と地域における子育てに関する意識調査」というものです。その中で、「子供が小学校に入学するまでの間、祖父母が育児や家事の手助けをすることが望ましいと思うか」という質問に対して、78.7%の人が「とてもそう思う」「ややそう思う」と回答し、31.8%が「祖父母との近居を理想」、20.6%が「祖父母との同居を理想」と回答しています。

メリットは育児・家事と光熱費の負担減

内閣府の調査から、多くの人が子育てにおける同居の魅力を感じており、育児や家事の負担軽減を最も望んでいるように思われます。実際に、祖父母と同居することで子供の面倒をみてもらったり、家事をお願いしたり、さらには光熱費の分担で、負担額が半減したという声は多く聞かれます。こうしたニーズに対して、自治体においても育児中の母親の孤立を避けるため、祖父母との同居や近居を促進しており、同居や近居する家族に対して、様々な補助金を交付するところが出てきています。

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同居のデメリットと解決策を考える

プライベートな空間の確保

二世帯住宅で三世代同居の場合、リビングやお風呂など共有部分が多くなるケースは少なくありません。そのため1階と2階を完全分離にして、1階は祖父母、2階が子世帯という住み分けをすることもあります。玄関をはじめLDK、トイレ、浴室など全て二世帯分が装備されている住まいです。あるいは、玄関だけ、玄関とリビングだけ共有などといった間取りもあります。個々の家庭に合う間取りについては、さまざまなケースにおいて実績とノウハウのあるハウスメーカーに相談してみましょう。

 

生活リズムの違いを理解し妥協点を探す

一日、会社で勤務している夫婦と家にいる両親とでは、生活のリズムが違います。夜遅く帰ってきて食事をしたり、お風呂に入ったりする夫婦に対し、両親と孫はすでに寝ていることもあります。遅い時間の調理や入浴、テレビを観たりして、親の睡眠を妨げることのないよう配慮すべきです。そうならないためには、音や臭い、光などが侵入しないような間取りにする必要があります。家事動線などと合わせて専門家にプランニングしてもらいましょう。

 

将来、両親の介護で困らないために

今は健康で、孫の世話や家事を引き受けてくれる祖父母ですが、10年後には介護が必要となることも大いに考えられます。その際、悲観的にならないためにも、介護や認知症の知識はできるだけ持っておくことが望まれます。おかしいなと思ったら、すぐに掛かりつけ医や病院、地域包括支援センターなどに相談しましょう。できるだけ自分ひとりで抱え込まないことが重要です。認知症は初期の段階なら、そこで食い止めることができる可能性があるので、悪化させないためにも、早く気づいてあげることが最も大切なことなのです。介護は両親もそうですが、いずれ自分たちも必要となるかもしれません。そういう意味でも、親の介護は決して負担ばかりではないのです。

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三世代同居のための優遇制度

自治体によっては、三世代同居をされる方に補助金を設けている場合があります。三世代同居を目的に、二世帯住宅を新築(またはリフォーム)すると、その費用に対して補助金を交付することが多くあります。自治体によって数十万〜百万という違いがあるものの、申請だけでも検討すべきでしょう。申請はハウスメーカーなどに依頼することが殆どですが、ネットなどで調べておくのも良いでしょう。補助金のほかには、金利が優遇されることもあります。例えば、全期間固定金利の住宅ローン【フラット35】の当初5年間の借入金利を引き下げるというケースも見られます。新築や建て替えなど住宅支援の優遇制度については、ハウスメーカーに相談するのが良いでしょう。


まとめ

核家族が多いとはいえ、三世代同居のメリットはとても魅力的です。デメリットもありますが、それを解消するように、間取やプランニングで知恵を出して克服することもできると思います。二世帯住宅は多くのハウスメーカーが取り組んできたテーマでもあり、そのノウハウを利用させてもらうことも考えられます。住宅展示場には、二世帯住宅のモデルハウスが多数展示されています。各モデルハウスの特長について是非見学してみることをオススメします。