もともとインフルエンザなどの感染症に対処する予防対策として、以前から行われてきた対策方法ですが、新型コロナウイルスへの予防対策としてより徹底して行われるようになりました。
家庭でも実践できる
介護施設の感染症予防対策10原則
介護施設では新型コロナウイルスが発生する以前から、インフルエンザなどの感染症予防対策を行ってきており、職員や経営者の意識も高いと言えます。これまで介護施設ではあまり感染者が出なかったのは、感染予防対策に徹底して取り組んできたことが言えます。介護施設では、新型コロナウイルスに対して具体的にどのよう予防対策を実施しているのかご紹介します。ご家庭でも実践できることがあると思いますので参考にしてください。
① 顔と顔を近づけない。相手の正面に立たない
これは、介助するときは横や後ろから行うようにして、真正面から行わないようにします。これで飛沫をある程度、防ぐことができます。
② 会話は控えて大声を出さない
もともと高齢者は大声を出すことはあまりなく、どちらかと言えば職員のほうが、つい大声で誰かを呼んだりする場面をよく見かけます。食事や休憩の時の会話にも細心の注意を払います。
③ テーブルでは向かい合って座らない
複数で食事しなければならない時は、テーブルで向かい合うのを避けて座るようにします。家庭での食事の際にも参考になります。
④ マスクを外すときは手指消毒をしてから
マスクを外してしまうと、素手で顔をさわったりすることがあります。マスクを外す前に必ず手指消毒を行うようにします。
⑤ こまめに換気を行う
換気は室内の空気を入れ替えるのに有効な方法です。住まいの換気は空気の入口と出口の2カ所を開くようにします。厚生労働省では、換気回数は毎時2回以上(30分に一回以上、数分間程度、窓を全開する)としています。
⑥ 家族との面会は禁止しリモートで面会
家族との面会はなるべく控えていますが、スマートフォンやタブレットなどを利用してリモート面会を実施しているところもあります。操作は職員が行います。
⑦ 部外者は玄関まで
介護施設の感染原因は、外部から菌やウイルスが持ち込まれることがほとんどです。介護施設に出入りする人は、医師や看護師を含む職員、介護用品や食材の業者、家族、介護ボランティアなどで、医師や職員以外は玄関までしか入れないようにルール化しています。
⑧ 手袋は介助毎に使い捨て
トイレや居室での排泄介助や食事介助で使用した手袋は、一回ごとに使い捨てます。同じ手袋で何人も介助して感染するのを防ぎます。
⑨ 手に触れる部分の消毒
手や指などが直接触れる食品やドアノブ、手すり、スイッチ、器具などは菌が付着している可能性があり、徹底して消毒します。
⑩ 発熱した高齢者の介助は防護服対応
主にインフルエンザやノロウイルス対策として行われていたのが、発熱した人の介助を行う場合、防護服(介護施設では簡易なビニールの雨合羽のようなもの)を着て行います。使用後は廃棄します。
施設長や職員への啓発
介護施設では感染症を防止するために、感染症対策委員会を設置することが義務付けられています。施設ではこの委員会が中心となって感染症対策の計画を行います。
厚生労働省がマニュアル化
厚生労働省は介護施設の感染症対策についてマニュアルを定めています。マニュアルには、感染症に関する基礎知識や管理方法、感染症が発生した場合の対応などが示されています。各施設はこのマニュアルに基づき、独自にマニュアルを作成し、実践することを勧めています。
まとめ
新型コロナウイルス対策への取組みとして、介護施設の事例をご紹介しましたが、ご家庭でも実践できることは取り入れて、健康で楽しい毎日の暮らしにお役立ていただければ幸いです。