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2022/03/13
住まい

コロナ対策に
環境にも優しい宅配ボックス

新型コロナウイルス感染予防対策として、すっかり定着したソーシャルディスタンス。私たちの日常生活もこれを基本にしたスタイルが定着してきました。ただ、ウイルスへの外部接触リスクは自宅にいても存在します。例えば、宅配の荷物が届いたときに、配達員の方との対面等も感染リスクになってしまいます。そこで、いま注目されているのが「宅配ボックス」。今回は、これからの住宅のスタンダードになりつつある宅配ボックスについてご紹介します。

コロナ対策に<br />
環境にも優しい宅配ボックス

益々注目される宅配ボックス

ここ数年のコロナ禍により、私たちの生活は変化を余儀なくされました。外出は控えるようになり、自宅で過ごす時間が増えました。物品の購入はインターネット通販等を利用して、宅配での受取りが増えているのです。ある調査によると、「住宅購入・建築検討者」調査の中で、「コロナ拡大による住宅に求める条件の変化」として、「宅配ボックス・置配ボックスを設置したくなった」という希望数が全体で19%となっています。自宅で過ごす時間が増える中、これからの住宅には、宅配ボックスの設置が求められています。

国が推進する宅配事業の効率化

宅配ボックスの設置が増えているのは、コロナ対策だけではありません。以前から国土交通省・ 経済産業省・環境省が『総合物流施策推進プログラム』と名付けて、再配達によるCO2排出量の増加やドライバー不足の解消、低減を推進しているのです。(令和2年3月改定)。これは宅配便の再配達の削減を目指して宅配事業の効率化を推進するものです。宅配便再配達削減の普及・啓発を行い、宅配ボックスの設置を促進することで、受取方法の多様化や受取への消費者の積極的参加を推進しようというものです。再配達率低減として、宅配ボックスには大きな期待が寄せられているのです。

宅配の実証実験では、再配達が大きく減少

福井県あわら市の進める「働く世帯応援プロジェクト」として、民間企業が実施した、あわら市在住の共働き世帯を対象とした「宅配ボックス実証実験」が2016年11月にスタートし、2016年12月~2017年3月末の期間における実証実験の結果が発表されました。実証実験の結果では、モニターとした106世帯への宅配ボックスの設置により、2016年12月1日~2017年3月31日の4カ月平均で再配達率が何と49%から8%に減少、約222.9時間の労働時間の削減、約465.9kgのCO2削減が実現されたのです。宅配ボックスの設置は、地球環境に対する大きな可能性も示したと言えるのではないでしょうか。

地球環境にも優しい宅配ボックス

地球環境にも優しい宅配ボックスですが、ここではその種類についてご紹介しましょう。宅配便の中で、受け取ることが多いサイズは「60サイズ」と「80サイズ」と言われています。60サイズとは、縦/横/高さ3辺の合計が60cm、80サイズは3辺の合計が80cmの荷物です。よく利用する荷物の大きさを目安に、設置場所に合わせて容量に余裕があるものを選びたいところです。以下にその種類を上げてみます。

 

●簡易型

設置工事不要。チェーンなどで固定すれば、即時利用できるものになっています。簡単に持ち運びもできます。折り畳めばコンパクトになり、価格も安価なものが多くみられます。

●据え置き型

後付けできるタイプで、外回りのリフォーム感覚で設置が可能です。サイズも玄関に合わせて選択が可能。高さ等もその使い方やデザインに合わせて組み合わせが出来るものとなっています。

●外壁埋め込み型

外壁に一体感を持たせることで、エントランスの雰囲気に合わせた選択が可能です。

●住宅壁貫通型

宅配ボックスと併せて郵便物なども入れられる複数の投函口になっていて、屋内にいても、荷物が届いているかどうか確認しやすくなっています。

●郵便受け兼用門柱型

いわゆるインターホンとポストの機能がセットになった門柱に設置します。照明付のものは、埋め込まれた照明が夜間の取り出しなどには便利です。

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宅配ボックス設置のメリット・デメリット

宅配ボックス設置のメリットは、対面することなく、他人との接触リスクを減らせることにつきます。ウイルス感染症対策は勿論のこと、不審者侵入のリスクも軽減できます。さらに、受け取り時間を気にせずに、家族全員が外出することが可能となります。

また、宅配ボックス設置のデメリットは、ボックスサイズ以上の大きな荷物や冷凍類の受け取りはできないことです。また、盗難のリスクが全くないとは言えません。簡易型の場合は、玄関先に置くだけの手軽さはありますが、問題はやはり盗難。盗難防止用のチェーンなどが切断されてしまうことも考えておかなくてはなりません。

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まとめ

普及が進んでいる宅配ボックスですが、宅配ボックスのサイズや種類は様々です。気軽に始めたいなら簡易型、後付けなら設置型、使い勝手を重視して取り入れるなら壁埋込型といった具合に、どんなタイプが合っているかは、家族のライフスタイルによっても変わってきます。また、受け取れる荷物のサイズも設置前にはしっかりと確認しておく必要があります。宅配ボックスは、これからの住宅のスタンダードになりつつありますが、宅配ボックスのメリットとデメリットを確認し、ライフスタイルに合った宅配ボックス選びが肝要です。