多肉植物を中心に庭をリフォーム〜管理もラクなグラスガーデン

今回のガーデニングでは、お手入れをそれほど必要とせず、管理がラクなガーデンを望まれていた庭主さんが、ガーデンデザイナーとともに造り上げた、多肉植物を中心としたグラスガーデンをご紹介します。

風や光に恵まれた傾斜地を利用

高台にある住宅地の中でも、ひときわ見晴らしのいい立地にあるI様邸は、日差しや風通しがよく、植物の生育にも恵まれた環境です。ご自宅は道路から少し高い位置にあり、傾斜地となっています。道路側からは最も目につく場所ですが、ここを利用して植栽や砂利などで自然の趣を感じさせるガーデンを造ることにしました。周辺の住宅はブロック塀に囲まれていますが、Ｉ様はこれを嫌って、植物やフェンスを用いて美しい前庭を築いています。

グラス類を主役に管理しやすい庭

あまり手がかからず、管理のしやすいガーデンという希望もあり、植栽はアガベなどのグラス類でまとめたと言うのは、ガーデンデザイナーの加藤孝幸さんです。「観葉植物、多肉植物として人気のアガベは成長も早く、ガーデンのシンボリックな存在として道行く人を楽しませてくれます」と加藤さん。乾燥地帯でも元気に育つグラス類を、枕木風ブロックで囲み、その周りに砂利が散りばめられています。まるで原産地を再現しているかのような素敵な風景に、誰もが思わず立ち止まり見入ってしまいます。

以前の芝生の庭にはない味わい深い空間

「あまり手がかからない庭ですが、ついお手入れしたくなるんです」とＩ様。加藤さんも「当初は芝生が植えられ、野性味は薄かったのですが、現在は芝生もなく、Ｉ様によって様々な植物が植えられたり、移動したり、とても味わい深いガーデンへと生長しています」と満足気に語ります。所々に設置されたフェンスには、バラの枝が伸びて美しい風景を見せてくれます。乾燥地帯の植物とバラの共演はあまり見られないため、人気のお庭となっています。

座布団に座って楽しむ中庭

Ｉ様邸にはもう一つ、中庭があります。そこでは石積み風の塀と小さな池があり、池の中には金魚が泳いでいます。さらに滝もしつらえて涼やかな自然も演出。中庭はウッドデッキを張って、掘りごたつのように座布団を敷いて座れるようになっています。室内とつながっているためお茶を飲んだり、ランチを楽しんだりと、第二のリビングとしても楽しめる居心地いい空間です。道路に面した前庭は多くの人が見て楽しめる庭ですが、中庭は家族がのんびり寛ぐための庭です。

まとめ

多肉植物は、あまり馴染のない方が多いようです。グラスガーデンは、植物の特徴をよく知るデザイナーさんに相談して庭づくりをしたほうが、全体的な景観とともに管理しやすい庭ができるのではないでしょうか。イニシャルコストはかかりますが、長い目で見れば、満足のいく美しい庭に生長するでしょう。