断捨離(だんしゃり)は、戦後日本におけるヨガの指導者といわれる思想家、沖正弘氏が著書「ヨガの考え方と修業法 上巻」(1976年)の中で、「断捨離」という語を使用したのが始まりと言われています。即ち、不要物を断ち(断)、手放し(捨)、離す(離)生活。常にいまを見据えて、身体一つだけのミニマムの中での快適な日常。そんなライフスタイルが断捨離の考えにはあります。
新生活をスタートする
春の断捨離
日ごとに暖かさを増す今日この頃ですが、ようやく活動的になれる季節、“春”が巡ってきました。春を迎えるこの時期ですが、家の中には、冬の間着なかった衣服や使わなかった物など不要なモノが溢れていませんか?春は新年正月と並んで、断捨離にはうってつけの季節です。今回は、断捨離をして所有することにこだわらない、楽でシンプルな生き方のコツをご紹介します。
断捨離とは
春は別れと新たなスタートの季節
春は別れと新たなスタートの季節。新年の断捨離もオススメですが、気持ち良く新しい生活を始めるためには、春も断捨離には絶好の時期です。転勤や進学による転居などで生活環境は大きく変わり、それに合わせて身の回りの必要なモノも変化します。自分や周りの環境に変化が起こる、そんな季節が春なのです。
春は必要不要なものが変化
社会人になればスーツが必要になり、大学進学となればカジュアルな衣類が必要になります。生活環境の変化によって必要不要が出てきます。一方、転勤などもないビジネスマの方や既に社会人の方、家族の環境にも別段変化のない方は、あまり変化を感じないのかも知れませんが、年度替わりの時期は、新年同様に大きな節目となるのです。新たな気分で新生活が始まる春は、断捨離には最適な季節。まずは持ち物の見直しレベルから始めてみましょう。
まずは断舎利用の廃棄箱を用意
断捨離をする時、まず初めにやることは、いま持っているモノを、カテゴリー別に一度全部出してみることです。その際、近所のスーパーや家電量販店などから大きな段ボール箱をもらってきて、要らないものを棄てる廃棄箱を用意して各部屋に設置します。廃棄箱は一週間置いておくことだけで、不要なモノが結構溜まるものです。その理由は、廃棄箱を目の前に置くことで捨てる決意がしやすくなることと、一週間という時間が決意する最短のサイクルだからです。例えば、日曜日に箱を用意して少しずつ捨て始め、決断できなかったものについては、翌日曜日には決断しなければなりません。また、廃棄箱を大きめの箱にすることで、コートやダウンジャケットなどクローゼットに仕舞ったままの大きめの衣料も捨てやすくなります。その際、後でリサイクルショップやネットで売ろうなどと考えてはいけません。そうすると部屋は余計に散らかるだけです。高額リセールが見込めるものは別として、そこに労力を割くくらいなら、スピード感を持って廃棄を即決することをおススメします。
入れ換えるものは何か、そのコツとは
家の中で服、靴、本これが大きくスペースをとります。服で言えば、そのシーズン一度も着なかったものは何であろうと廃棄します。本もしかり、何度も再読する本以外は、気に入った章や頁はスマホで撮影してデータ化すれば、本そのものは捨てることができます。靴も履かないものや履けないものはありませんか。高額だったから、まだ履けるからなどの理由でクローゼットの奥に押し込み、クローゼットを狭くしてドアが動きにくくなっていないでしょうか。高級ブランドのバッグやコートなどは買い取ってもらえるかも知れませんが、一流ブランドの高額バックが、1万円にもならなかったというのはよく聞く話しです。買取りに出す場合は、あまり期待しない方がいいのかも知れません。
一つ買うなら二つ捨てる
暖かくなってリラックスした気分になるのがこの季節。お洒落したい気持ちが高まるのは必然でしょう。買い物に出かけて、軽快なスプリングコートなどを見れば購入欲もそそられるもの。買うのは止めましょうとは言いませんが、ポイントはルール作り。一つ買うなら同じカテゴリーで他のモノを二つ捨てること。このルールがあれば、洋服に埋もれた生活から開放されます。新しいものを着るなら古いものは出番が減ります。不足だから買うのか、お洒落したいから買うのか、この点も大切なポイントになります。
シンプルに所有する生活を
もし転勤になったとしたら、今の状態で引越しは大変だと思いませんか?もしもそう思われた方は、きちんと整理ができていないのかも知れません。
持ち物の原則は、「5ケース+5家電」。蓋付ロック付収納ケース(容量約60ℓ:幅40×奥行75×高さ33cm程度、Yシャツ約30枚収納)を5つ用意して、常に整理すること。クローゼットにハンガーで衣類をかけることは、できるだけしないようにします。
5ケース:
①アウター(シーズンオフの場合の収納)
②インナー(ニット類)
③パンツ
④シューズ(履かないものはバラして収納しておく)
⑤その他(日用品類)
5家電:冷蔵庫、洗濯機、掃除機、TV、PC&スマホ
TVは不要かもしれませんし、フローリングなら掃除も箒と雑巾がけで済むので掃除機も不要です。ベッドは持たず寝具類は転居時に処分し買い換えます。所有するモノをシンプルにすることで気持ちもラクになり、状況の変化にもフットワーク良く対応することができます。
まとめ
日々の生活は、常に「今」の連続です。断ち、手放し、離すという断捨離を常に心掛けることで、部屋も気持ちも軽くなり、モノではなく心を豊かにしたいものです。この春から所有することに拘らない「持たない生活」「不要なモノは捨てる生活」をスタートしてみてはいかがでしょうか。