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2022/04/10
趣味
#ガーデニング #雑木林

気持ちいい雑木林のような庭
築15年の庭をリフォーム

今回は、埼玉県白岡市にお住まいのA様邸の庭をご紹介します。築15年ほどで庭のリフォームを行ったA様は、もっと自然を楽しめる軽井沢の雑木林のような庭にしたいということで、地元のガーデンデザイナーに相談。以前はウッドデッキが占拠していた中庭でしたが、リフォーム後は、狭い庭ながら木々に包まれた心地いい庭が完成しました。

気持ちいい雑木林のような庭<br />
築15年の庭をリフォーム

A様邸の庭は、玄関側に「オモテの庭」、敷地の奥に「ウチの庭」と呼ぶ二つの庭が設けてあります。「オモテの庭」は、玄関とは別に入口を設け、お客様を直接お庭に迎え入れられるようにしています。「ウチの庭」は、家族がくつろげるプライベートな空間として利用されているようです。

「オモテの庭」~街並みをつくる庭

通りに面し、街並をつくる「オモテの庭」は、駐車場やアプローチでもある暮らしの庭を意味します。A様邸の「オモテの庭」は、もともとある玄関アプローチとは別に入口をつくり、雑木林に入っていくかのような雰囲気を醸し出すため、久栗坂石の階段を設けています。また、この入口では門扉をアイアン製にして自然となじませ、雑木林へと誘います。門扉を開けた時のワクワクするような感覚は、雑木林という空間を前にして、心身が解放されていくような感覚を覚えます。

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「ウチの庭」~プライベートの庭

通りからは見えない、家族だけの空間「ウチの庭」は、家族のための暮らしの庭。まさにプライベートな庭として利用されていますが、A様邸ではリフォーム前のウッドデッキ中心の中庭を改修し、雑木林風の庭へと姿を変えています。コンセプトは、「季節の変化を感じられる雑木林の小径を歩くような庭」。中庭の限られたスペースで、雑木や山野草を植え、その間に小径を設けて散策できるようにしています。

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野鳥がやって来る庭に

「野鳥が訪れる庭にしたかったので、それが叶って本当に良かった」というA様。水場を設けた庭にはシジュウカラやメジロ、ヒヨドリとさまざまな野鳥がやってくるようになり、庭を見る楽しみが増えました、と大満足の様子。

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縁側の役割をもつウッドデッキ

雑木林のほかに、縁側のようなウッドデッキを設けたのもA様邸の魅力になっています。ここでは庭を眺める以外に、お茶を飲んだり、読書をしたりと、縁側のように多目的な空間として活用されているようです。庭へ出入りするための中間的な空間として機能し、外と中をつなぐ居心地のいい空間です。

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季節感を感じる雑木の庭

雑木の魅力は何といっても季節感でしょう。春はみずみずしい新緑、夏は色濃い緑、秋は紅葉、そして冬は凛として耐える枝木の姿が堪能できます。いろいろな樹種があるのが雑木林ですが、高木から低木までさまざまな木を植え、本当の雑木林を切り取ったかのような庭が完成しています。

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まとめ

狭いスペースに雑木林を再現して、見てもよし、歩いてもよし、と楽しみが尽きないA様邸の庭ですが、造園とガーデンの知恵がなければできない庭でもあります。しかし、一番大切なことは、年月をかけて手入れをしてきたA様の庭への愛情にほかなりません。

 

(A様邸の設計・施工を担当したガーデンデザイナー)

小野 弘美

「杜のみどりガーデンデザイン」代表。主な業務は造園のデザイン、施主との打合せ、現場の設計施工管理、完成後のメンテナンス。

雑木の緑と、やさしい木漏れ日。日常のなかの非日常として、日々の心を癒してくれる暮らしの庭をつくります。

https://www.mori-midog.com/