O様邸には玄関前の「オモテの庭」と家族で過ごす「ウチの庭」があり、さらに、駐車場も兼ねた裏玄関「ウラの庭」まで設けています。住まいは北欧風の青い玄関扉やこだわりの照明器具が印象的な建物で、センスの良い佇まいが特長。庭のコンセプトは、「石や木材など自然素材を生かしたおおらかな庭」。もともと敷地内にあった古材の石や古瓦、水鉢などを取り入れた、自然素材と緑の溶け合う庭です。
大らかな草原と自然素材を活かした庭~田園地帯の広々とした庭で元気に暮らす
田畑が広がる埼玉県鴻巣市の田園地帯にあって、古くから同地に居住するO様邸の広い敷地には、母屋とともに若いご夫婦と子供たちが暮らす可愛らしい家と庭があります。今回は、小さいお子さんたちが元気に走り回れる若いご家族の庭を紹介します。
石や木材を活かした大らかな庭
「オモテの庭」と「ウチの庭」
「オモテの庭」は玄関前ということもあり、門扉と樹木で人を迎えるシンプルモダンな空間です。過度の緑や装飾をせず、デザインセンスの高さが見て取れます。今後、樹木が生長すると自然の様相が増し、存在感のあるナチュラルな景観が現れるに違いありません。「ウチの庭」には、家族のための遊びや暮らしの庭が広がっています。庭全面にグランドカバーとしてディコンドラを種まきして育て、美しい草原の庭をつくり上げました。当然のように子供たちは庭をかけ回ったり寝転んだりと自由に身体を動かして、まさにのびのびと成長しています。
手作りブランコや庭に眠っていた古材
庭で目を引くのが手作りのブランコ。ガーデンデザイナーの小野弘美さんの設計による木製ブランコは子供たちのお気に入りで、順番待ちでブランコを楽しんでいます。庭の景観においてもシンボリックな存在になっていて、美しい庭の重要な要素でもあります。庭には他にも様々なモノがありますが、水鉢もまた目を奪われる逸品です。水鉢は二つあり、その一つにはメダカが泳いでいて、風流な見どころとなっています。不思議な話ですが、この水鉢は庭の片隅で眠っていたもので、今回、庭を造る際に再利用されたとのことです。
伝統の技を用いて和の趣を注入
再利用されたものは他にもあります。O様邸と母屋のガレージの間にある段差部分に、ゴロゴロと石を入れて枯流れ※にしています。この石もまた庭に放置されていたもので、ちょっとした和風庭園を彷彿とさせる風情ある空間となっています。※枯流れ(かれながれ)/玉石や砂利を敷いて庭園内に流水を表現する和風庭園の技。
まとめ
O様邸の庭は洋風のガーデンとは異なり、お花を多用したものではありません。バーベキューなども行える多目的な場となっていますが、主役は家族と言わんばかりに子供たちがのびのび育つオープンな場であり、両親の思いやりにあふれるガーデンなのです。