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2022/05/15
住まい
#住宅設備 #床材 #家づくり

知っておきたい床材選びの基本<2>~床材の特長

床材は、住宅建築で使用する仕上げ材のことですが、各部屋の空間に占める割合が大きく、その部屋の快適性を左右するため、床材選びはとても重要になってきます。床材は、それぞれの部屋やスペースに合わせた機能や素材の特長を知って選ぶことが大切です。「知っておきたい床材選びの基本」の2回目は、各素材の特長や違いについて解説していきます。

知っておきたい床材選びの基本<2>~床材の特長

フローリングは「無垢」と「複合」の2種類

リビングなどの床材として一般的に採用されているのがフローリング。様々な素材がありますが、大きくは2つに分けられます。天然木をそのまま一枚板に加工した「無垢フローリング」と、合板などの基材の表面に天然木などの化粧単板を張った「複合フローリング」。「無垢フローリング」は、何と言っても木目の美しさや味わいのある天然の色調が大きな特長で、断熱性も高く足触りがソフト。また、キズが付いた場合、下地の基材がむき出しになるということもなく削り直しも可能です。

 

広葉樹か針葉樹で違う「無垢フローリング」

天然木を選ぶ場合、同じ無垢でも広葉樹と針葉樹によっても違ってきます。広葉樹は針葉樹に比べて成長が遅い分、組織が密に詰まって強度が高く、キズが付きにくいのが特長です。また色調も落着いた雰囲気のものから明るいものまで多彩で、主に机や椅子など比較的大型の家具の材料として使われています。無垢フローリングの床材として広く使用されている木材です。 一方、針葉樹は、ソフトウッドとも呼ばれるように軽くて柔らかく、真っ直ぐ育つために長尺の木材を取れることで加工がしやすいのが特長です。針葉樹は、柱や梁などの構造材として用いられることが多いのですが、フローリングの素材としては柔らかいため、キズが付きやすいというデメリットがあります。

 

3タイプの「複合フローリング」

「複合フローリング」は、元になる木材の表面に天然木などの化粧単板を張ったもので、一般的に、価格的には「無垢フローリング」に比べてリーズナブルです。表面が加工されているため収縮や変形が少なく、耐久性・耐水性・耐熱性にも優れています。「複合フローリング」は、表面の加工材の違いによって大きく3タイプに分かれます。表面の天然木の厚さが2mm~3mm程度で比較的高級な「挽き板タイプ」、表面の天然木の厚さが0.3mm~1mm程度で種類も豊富にあり、価格的にもリーズナブルな「突板タイプ」、そして、表面に木目が印刷された樹脂フィルムやプラスチック種のオレフィンや紙などのシートを張った「シートタイプ」。

弾力性や保温性に優れた「コルク材の床」

フローリングと同じく木材を使ったコルク材は、弾力性があり衝撃が少ないため疲れにくく素材です。また、吸湿性や保温性もあるため調湿効果も期待できます。表面には塗装が施されているため、ワインのコルク栓のように経年劣化によってボロボロと崩れる心配はありませんが、陽に当たることで変色する場合があります。

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加工しやすい「クッションフロア」

床材の中には木材を使わないものもあります。一般的なのが「クッションフロア」。塩化ビニール製で1.8~3.5mm程度の厚さのあるクッション性のある素材で、高い耐水性と施工のしやすさが最大の特長です。色柄も豊富ですが耐久性はあまり高く無く、使っているうちに表面のプリントがハゲてしまうことがあります。その場合は、古くなったクッションフロアの上に、新しいクッションフロアを重ねて張ることができます。

高級感を演出する「天然石」

同じ天然素材でもより硬質な御影石や大理石もあります。比較的冷たい素材のため、素足で踏む場所には適していませんが、主に玄関ホールや土間、さらには屋外と室内をつなぐ場所などで用いられることが多く、光を反射するため高級感を演出することができます。

和室だけではない「畳」の利用

天然素材の床材として、日本人にもっとも馴染みのあるのが「畳」。柔らかくてさらりとした肌触り、断熱性や保湿性もあり、四季を通して過ごしやすい床材といえます。また、畳ならではイグサの香りも特長の一つです。一般的なへりのある畳の他に、へりの無い半畳サイズの琉球畳(りゅうきゅうだたみ)と呼ばれる畳もあり、モダンな洋室にも合い、お部屋の雰囲気を演出することもできます。ただ、植物素材のため長く陽に当たった部分が変色するというデメリットもあります。

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「カーペット」はこまめな掃除で快適性を保持

一般的には絨毯(じゅうたん)とも呼ばれ、床材として使われることが多い「カーペット」は、柔らかくてクッション性があるため防音効果があり、床の振動を遮断する床材です。カーペットは色柄も豊富で雰囲気も様々ですが、織物のため埃が溜まりやすく、フローリングなどの床材と比べると掃除などの手間がかかることがあります。またコーヒーなどの飲み物をこぼした場合には、シミになることもあるので注意が必要です。


まとめ

床材は大きく分けると、天然由来の素材と人工的な素材に分けられます。さらに天然由来の素材の場合もフローリングや畳、大理石などがあり、それぞれに特長があります。床材を選ぶ際には、敷設する部屋や場所に合わせて、機能性や安全性なども考慮して選定することが大切です。住宅展示場のモデルハウスでは、それぞれの部屋に合わせた床材を使用しています。床材選びの際には是非ご参考にしてください。