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2021/04/23
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#住宅ノウハウ

木とコンクリートによるハイブリッド工法など新技術を顕彰する
「ウッドデザイン賞」は住宅建築のヒントが満載

鉄筋コンクリートと木造とのハイブリッド工法や、耐震・耐火技術を備えたCLT合板などによる木質化建築のいまを知ることのできる木のアワード「ウッドデザイン賞」。このアワードで顕彰される様々な加工技術や実際に建つ大型木質化建築物を知れば、木材に対する認識が大きく変わり、住宅を新築する上でも大いに参考になると思います。ここでは建築のトレンドを知ることができる木の見本市「ウッドデザイン賞」についてご紹介します。

木とコンクリートによるハイブリッド工法など新技術を顕彰する<br />
「ウッドデザイン賞」は住宅建築のヒントが満載

収穫期を迎えた日本の木材

いま日本の森林が一大利用期ともいえる収穫期を迎えていることをご存知でしょうか。日本人の生活の中で薪や炭などとして利用された木材消費や、戦争による森林の大量伐採などの影響により、戦後日本の森林は、いまでは想像もできないほどのはげ山が全国各地に広がっていました。その後、急激に高まった建築資材への需要拡大に対して、輸入材を使うことで急場をしのいでいました。

 

また一方では、森林再生に向けて全国各地でスギやヒノキといった人工林を植え続けてきました。その結果、現在では日本の森林が蓄える木材量(樹木の幹の体積)は、60年前の約2.6倍の49億立方メートルにも増加し、その過半数の木材が、丁度いま収穫時期とも言える利用期を迎えているのです。

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コスパも向上している国産材

加工技術も進化し、コストパファーマンスも向上しました。特に合板CLT(Cross Laminated Timber)では、原材料の国産化率が80%を超えるなど、いまでは輸入材にも充分対抗できる程になりました。国産材の利用促進に向けて、現在、林野庁が進めている取り組みに「木づかい運動」があります。「木育」という木についての教育運動も加わり、2015年からは「ウッドデザイン賞」というコンテストもスタートさせました。

「ウッドデザイン賞」とは?

「ウッドデザイン賞」は、国産材を積極的に供給・利用した企業等に対して贈呈していた「木づかい運動顕彰」をさらに発展させたもので、様々な産業およびそれに携わる人に、木の良さを引き出してもらうことを目的としています。

 

表彰部門としては、木材を使って利便性を高めることなどにより、暮らしの質を向上させる『ライフスタイルデザイン部門』、五感や感性に働きかけることなどにより、人の心を豊かにする『ハートフルデザイン部門』。さらには地域や社会の活性化に貢献する『ソーシャルデザイン部門』の三部門が設けられています。

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木質化建築のトレンドがわかる

「ウッドデザイン賞」は、機能性等に優れる木製品や建築はもちろん、木材を資源として地域を活性化する活動や、木材を活用した様々な取り組みも幅広く表彰する、世界的にも珍しい木の表彰式なのです。毎年エントリーする作品や技術も進化を遂げ、住宅における木材利用の促進にも大いに影響を与える、トレンドを知ることができる見本市の様相を年々呈しています。実際これまでの受賞作品を見てみると、木材に対する認識や常識に捕らわれることのない、木工技術や木材素材の進化(耐力、耐火、耐劣)を見ることができるのです。

住宅建築のヒントも満載のアワード

特に近年は建築基準法の改正や、新国立競技場のような木材と鉄骨のハイブリット工法といった、新しい技術の開発による大型建築物が全国各地に建築され始めています。

 

中でも、木目を表面材に使い、木の質感を積極的に現した中層ビルが全国各地で建築されはじめていることです。また建築物だけでなく、木の質感を活かした建築工法も顕彰されていることは、これからの住宅建築にも参考になるものばかりです。

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持続可能な住宅の実現を目指して

新しい工法による新発想の木造建築物を知ることで、建築物は建て替えるものというこれまでの発想から、未来へ継承する持続可能な建築物へと時代の意識が変化していることを確認することができます。それは新しい発想による日本的な長期優良住宅を意味します。木の空気感を感じられる住宅は、住む人の生活の質や気分までも豊かにすると思います。


まとめ

いま収穫期を迎える国産木材の利用促進をはかるために始まった「ウッドデザイン賞」ですが、顕彰された鉄筋コンクリートと木材のハイブリッド工法など、新しい木材加工技術や建築工法には、これからの住宅建築のヒントが満載なのです。