いま日本の森林が一大利用期ともいえる収穫期を迎えていることをご存知でしょうか。日本人の生活の中で薪や炭などとして利用された木材消費や、戦争による森林の大量伐採などの影響により、戦後日本の森林は、いまでは想像もできないほどのはげ山が全国各地に広がっていました。その後、急激に高まった建築資材への需要拡大に対して、輸入材を使うことで急場をしのいでいました。
また一方では、森林再生に向けて全国各地でスギやヒノキといった人工林を植え続けてきました。その結果、現在では日本の森林が蓄える木材量(樹木の幹の体積)は、60年前の約2.6倍の49億立方メートルにも増加し、その過半数の木材が、丁度いま収穫時期とも言える利用期を迎えているのです。