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2021/04/23
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アメリカで19世紀後半に誕生した景観設計者
風景をつくる景観デザイナーとは

世の中にはいろいろなモノづくりのプロがいますが、風景をつくる職業というのをご存知でしょうか。アメリカでは建築家並みのステータスを持ち、尊敬されている職業でもある、景観づくりの専門家についてご紹介します。

アメリカで19世紀後半に誕生した景観設計者<br />
風景をつくる景観デザイナーとは

味気ないビルを美しい風景に変える

大型のビルやマンションが更地の上に建つ際、建物だけでは味気ない風景になってしまいます。ここに風景を創り出すプロによって、建物の周囲に樹木や草本類が、10年後20年後の生長を見越して植えられることで、建物の景観が美しい風景へと変わっていきます。

 

さらにサインや照明もデザイン性や環境に配慮したものが設置され、その空間にいるだけで何となく気持ちがよくなってくる、そんなふうに風景をデザインすることを修景と言い、それを手掛けているのがランドスケープデザイナーまたはランドスケープアーキテクトと呼ばれる人たちです。

ランドスケープアーキテクトの誕生

「ランドスケープ(landscape)」は、景観、景色、風景という意味です。業界ではデザイナーではなくアーキテクト(設計者)と呼ばれています。ランドスケープアーキテクトを直訳すると景観設計者。この職業は、19世紀後半にニューヨークのセントラルパークを手掛けたアルフレッド・ロウ・オルムステッド氏によって命名されました。

アメリカではステータスのある職業

アメリカでは、ランドスケープアーキテクトは建築家と一緒に仕事をすることが多く、行政の都市計画にも入り込み、環境に優れた都市や街をつくるのに欠かせない人材として、ステータスのある職業として広く認知されています。

六本木ヒルズや表参道ヒルズも手掛ける

日本でも六本木ヒルズや東京ミッドタウン、表参道ヒルズなどの大型商業施設をはじめ、公園や道路など、様々な場所でランドスケープアーキテクトは活躍しています。

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都市環境づくりに欠かせない存在

東京都は建築物を建てる場合、敷地の中で緑の占める割合を定めており、23区の平均は20%、世田谷区や横浜市は30%と高く、自然度が高くなっています。こうした緑による環境意識の高まりは地球温暖化という背景もあって、今後もますます重要となるでしょう。

 

ランドスケープアーキテクトは造園家のように緑を植え育てるのが仕事ではなく、その土地の地勢や気候風土、文化などを調べ、人が生活するための環境づくりを計画する専門家と言えます。

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まとめ

ランドスケープアーキテクトまたはランドスケープデザイナーと呼ばれる職業は、日本ではまだまだ知名度が低く知らない人も多いでしょう。

 

しかし、都心の再開発などビッグプロジェクトでは必ずといっていいほど関わっています。彼らは、地質や気候風土、さらには人の流れまで調査して、美しい街づくりを計画する高いスキルと豊富な経験を持っている景観づくりのプロなのです