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2022/06/19
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#介護保険 #要支援・要介護

親が65歳になったら介護保険サービスを~介護認定の申請から認定までの流れ

親の認知症については、心配と悩んでいる方は多くいるのではないでしょうか。少しでも異変に気づいたら、病院で受診し、認知症を発症していないか調べることをお薦めします。もし認知症とわかったら要支援・要介護認定を受けて、介護保険サービス(訪問ヘルパー、デイサービス、介護施設など)を利用することができます。ここでは、介護保険サービスを受けられるまでの流れについて解説します。

親が65歳になったら介護保険サービスを~介護認定の申請から認定までの流れ

介護認定の申請と認定まで

介護保険サービスを受けるには、要介護認定を受ける必要があります。申請の際に必要なものは、申請書、介護保険の被保険証、健康保険の保険証(65歳以下の場合)、マイナンバー通知書。申請は無料で行うことができます。申請を行う場所は、申請者が住んでいる各市区町村の窓口となります。本人が申請できない場合、代理を立てる必要があります。代理人は家族が一般的ですが、それができない方は地域包括支援センターや居宅介護支援業者、介護保険施設(入所している人)であてがうことも可能です。

◇介護サービス開始までの流れ

医師の診断(認知症や要介護の診断)

  ↓

要支援・要介護認定(要介護度の決定)

  ↓

介護サービス開始(ケアプラン決定)

 

要介護認定の申請を行うと、認定調査が始まります。まず行われるのは訪問調査です。本人の心身の状態や日常生活、家族、住まいなどの聞き取り調査が行われます。聞き取り調査が終わると、掛かりつけの主治医に意見書を作成してもらいます。主治医がいない方は、市区町村が指定する医師による診察が必要です。

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一次判定・二次判定とは

聞き取り調査と主治医の意見書をコンピュータに入力して一次判定を行い、次いで介護認定審査会で専門家による会議を行い二次判定が下されます。この介護認定審査会の判定に基づいて介護度が決まります。認定の知らせは、一般的には申請を行ってから約1ヵ月で届くようになっています。通知後、ようやく介護度に応じた介護保険サービスを利用することができるのです。

要介護認定はすべての始まり

介護保険サービスを利用すると、さまざまな介護サービスを1~3割の自己負担で受けることができますが、サービスを利用するには先述した要支援・要介護認定を受けなければなりません。認知症と診断するのは医師ですが、どの程度の介護が必要かを判断するのはさまざまな専門家が調査と審査を行う介護認定審査会で決定します。この要介護認定という段階が今後の介護にもおいて最も重要な起点になります。

要支援と要介護の違いについて

認定されないと何も始まりませんが、認定では「要支援」か「要介護」かが判定されます。要支援状態とは、基本的に独りで生活が可能ですが、部分的な介護を必要とする状態のことです。要支援状態の際に利用できるのは介護予防サービスというもので、「要介護状態になるのを防ぐ」、「状況の悪化を防ぐ」ためのサービスを利用することになります。

要介護状態とは、運動機能とともに思考力や理解力が低下し、独りでは生活できない状態のことです。要介護には1~5まで段階が設定されており、要介護1は歩行やトイレ、食事など自分でできることが多くありますが、要介護5は寝たきりのような最も重度の状態であり、費用も他と比べて多くかかってきます。

要支援から要介護になる基準

「要支援」と「要介護」では、サービスや給付金額が大きく異なってきます。要支援と要介護の基準の境目は、大きく分けて2つあります。一つは、認知症の疑いがあるか否かということ。思考力や理解力に支障をきたし始めると要介護に分類されます。二つめは、掛かりつけの医師の判断で、今後の症状が大きく変わる可能性があるとされる場合は要介護と判断されます。

ケアプランに基づきサービス開始

要支援・要介護認定は介護の度合いを客観的に判断し、数値化することで、日常生活の中でどれくらいの介護を必要とするかを表しています。この数値に基づいて、ケアプランという介護の計画書が作成され、認知症の進行を抑えたり、身体機能を改善したりするなど、その人に応じた対策(介護サービス)が講じられることになります。

介護保険サービスとは何か

介護保険サービスには多くの種類があります。サービスという言葉に違和感があるかもしれませんが、「提供されるもの」と考えれば良いでしょう。介護に必要なモノ、施設、ヘルパーなど、あらゆる提供をサービスと表しているのです。ここでは主なサービスである、居宅サービス、施設サービス、地域密着サービスについて紹介します。なお、介護保険サービスは単に介護サービスと呼ぶこともあります。

 

◇居宅サービス

居宅サービスとは、要介護・要支援者が自宅や施設で受けられる介護サービスです。居宅サービスには、訪問サービス、通所サービス、短期入所サービスなどがあります。

訪問サービスは、自宅に訪れて掃除、買い物などの生活支援、食事や排せつ、リハビリ、入浴などを提供するサービスです。

通所サービスは、自宅で暮らしながら、日中は施設で過ごして、食事や排せつ、健康管理、リハビリ、入浴などを提供するサービスです。

短期入所サービスは、1~3日くらい、施設に入って食事や排せつ、健康管理、リハビリ、入浴などを提供するサービスです。

施設サービス

施設サービスとは、「介護老人福祉施設(老健)」「特別養護老人ホーム」「介護療養型医療施設」の3つの施設に入所できるサービスのことです。施設によってサービスの内容が異なります。

介護老人福祉施設(老健)は、リハビリテーション、医療ケアを必要としている人の入所が多く、在宅復帰を前提とし長期的な入所は難しくなっています。

特別養護老人ホームは、要介護度3以上の利用者が長期間入所できる施設で、寝たきり状態の方も利用可能です。

介護療養型医療施設は、長期療養が必要な方を受け入れ、入所者ができるだけ自宅で生活できるよう、機能訓練や必要な医療、介護などを提供します。

地域密着サービス

地域密着サービスは、地域との結びつきを大切にした介護サービスを提供するものです。認知症の利用者の入所を提供するサービスとして、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)があります。家庭的な環境と地域住民との交流を図り、食事や入浴、機能訓練などのサービスを提供します。そのほか、入所定員30人未満の介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)が入浴や食事、機能訓練、療養上の世話などを提供する地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護があります。

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介護サービス給付の限度額

介護保険制度では要支援1から要介護5までの該当者に対し、介護サービスを使える額が決められてあり、その費用を給付しています。限度額として要介護1に認定された方は167,650円円/月です。要介護者はこのうち1割の負担(収入により2,3割も)となります。大都市等では介護サービスの利用料が高くなることから、支給限度額は高くなることがあります。介護保険制度でもらえる給付額は下記の通りです。なお、これらの金額は要介護者がもらえるのではなく、サービスを提供した施設などに支払われる仕組みです。

◇月の支給限度基準額

下記の支給限度額は標準的な地域の例です。

要支援1:50,320円

要支援2:105,310円

要介護1:167,650円

要介護2:197,050円

要介護3:270,480円

要介護4:309,380円

要介護5:362,170円

 

要介護度によって介護保険で利用できる1カ月の支給限度額が決められています。支給限度額を超えて介護サービスを利用した場合、超えた分は全額自己負担となります。


まとめ

自宅で親の介護が必要になるかもしれないと心配している方は、なるべく早めに医師に相談し、受診することをお薦めします。そして、要支援の段階で介護保険サービスを利用して、要介護にならないよう対処しましょう。少なくとも受診から申請、認定までの間は、子供がしっかりとサポートするのが務めと思って行動してください。認定後はプロに任せておけばいいと割り切り、介護で苦しまないようにしましょう。

 

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