平屋は一般的に1階建ての家を指しますが、近年ではデザイン性の高い平屋が多く登場し、昔の平屋のイメージが一新されています。それを裏付けるように国土交通省の調査では、2014年1月に2,567件だった平屋の年間着工件数は、2019年7月調査時には4,417件と年々増加しています。平屋に魅力を感じている方が確実に増えているということなのですが、改めて平屋の特徴を確認しておきましょう。
建てる前に知っておきたい家づくりの基礎知識~平屋の魅力
マイホームを購入される方には子育て世代の方が多いのではないでしょうか。その場合、限られた敷地に家族が過ごすリビングや子供部屋、さらにはお父さんやお母さんの趣味の部屋と、理想の間取りを実現するためにはどうしても2階建て以上となります。一方、子どもが独立して夫婦2人暮らしになった方や、最初から夫婦2人だけのライフスタイルやシングルライフの方にとっては、2階建てよりも平屋を選ばれる方もいることでしょう。今回の「建てる前に知っておきたい家づくりの基礎知識」シリーズでは、そんな平屋の特徴について解説します。
近ごろ人気の平屋
バリアフリーで安全な生活環境
家庭内での高齢者の事故で多いとされている場所に、浴室と階段があります。家庭内での不慮の事故死の約20%が、階段からの転落死が原因といわれています。高齢者にとっては階段がいかに危険な場所かということがわかります。筋力が衰えたお年寄りやバランス感覚が未発達な子どもにとっては、階段のない平屋がより安全で生活しやすいとも言えます。
掃除や洗濯などの家事負担が軽減
平屋での生活動線を考えた場合、2階建てと比べて上下移動する必要がなく、フラットな空間のため常に水平移動だけで家事全般も楽に行うことができます。洗濯物をもって階段を上り下りすることもなく、面倒な階段の掃除もありません。
耐震性にすぐれた安定した建築構造
一般的に平屋は耐震性に優れていると言われます。2階建てに比べて構造が支える加重が少ないためです。重量が大きいほど地震の影響を受けやすく、その分揺れも大きくなるため、揺れの比較的小さな平屋は、安定した構造といえます。
開放感を演出
階段のスペースが不要となる分、開放感が広がります。一般的な階段は1フロア当たり1.5畳分以上の面積を占め、35坪程度の建物面積の住宅では10%程度も占めることになります。また2階建てを支える柱や壁もいらず、比較的間取りの融通も利きやすく、天井を高くすることで解放感のある空間にすることができます。さらに家族間のコミュニケーションが取りやすくなります。
平屋はメンテナンス費用がお得
住宅は住み始めてからのメンテナンスも重要になってきます。経年劣化した部材を取り替えたり、壁にペンキを塗ったり屋根を張り替えたりします。特に、外壁や屋根は足場を組んで塗り直し、貼り直しをします。その場合、平屋の方が費用を抑えることができます。
平屋の気になる点
まずは土地代です。平屋は1階しかないので、2階建てと同じ延床面積を確保しようすると、それだけ広い敷地が必要になるため土地代もかかります。また、平屋の場合、建物が土地に接する部分も多く、基礎工事の面積も広くなってしまいます。さらに屋根の面積も広い分、屋根の工事費もその分多くい掛かってしまいます。また、一般的に部屋数が多くなると、外に接しない部屋の採光や、風通しの問題がでてきます。そのため中庭を設けるなどの工夫が求められます。
まとめ
ライフスタイルによっては、2階建てよりも平屋を好まれる方も多いと思います。平屋の最大の特徴は家族とのコミュニケーションが取りやすいこと、そして家事動線の楽さがあります。また、高齢者のいる家庭では、安全面でも安心です。ただ敷地の広さによっては、工事費用が掛かる場合もあるので、その点もじっくりと検討する必要があります。
☆埼玉でおうち探し・家づくりは、
埼玉総合住宅展示場ナビ☆