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2022/09/11
暮らし
#高齢者住宅 #住まいのリスク

高齢者の不安を払拭する住まい〜住まいのリスクとその対処

高齢者にとって住環境は、安全かつ快適に過ごすことができる場であることが大切です。体の機能が衰えていく分、住まいはそれに応じて配慮が必要です。筋力や視力が弱くなれば、そこをカバーするような対処が求められるでしょう。ここでは、高齢者に配慮した住まいについてまとめてみました。

高齢者の不安を払拭する住まい〜住まいのリスクとその対処

高齢者が快適に暮らす環境整備

高齢者が安心して暮らすには、住宅の中のリスクについて考える必要があります。家庭内の事故で多いヒートショックや熱中症、転倒は生命に関わる問題です。さらには音や照明、臭いは、睡眠や快適性に関わる問題です。良質な睡眠をとることで心身は休まり、翌日の活動的な生活につながります。安全性はもちろん、快適かつ活動的に過ごせる住まいが、高齢者が活き活きと暮らせる場となるのです。まずは家庭内のリスクとその解消法について、さらには快適性について見ていきましょう。

ヒートショックを起こさない

暖かい場所から寒い場所に行くと、思わず身震いしてしまうことがあります。これは温度差によるもので、急激な温度差により血圧が大きく変動することで失神や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こすことがあります。これをヒートショックと言います。平成 27年の家庭の浴槽での溺死者数は4,804人ですが、このうち高齢者(65 歳以上)が約9割を占めています。この原因として、入浴中のヒートショックが考えられます。ヒートショックにより意識を失い浴槽に沈み込んで溺死するという事故が多く発生しているのです。ヒートショックを防ぐには、脱衣所や浴室に暖房器具を設置するなどして暖かくしておくことが重要です。できれば室内は、エアコンによって一年を通して適温に保つことが最も有効な方法でしょう。夏場は風通しを良くして熱がこもらないようにするのも大切です。

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熱中症を発症させない

熱中症による死亡者数は増加傾向にあり、年間の死亡者数は約1000人にのぼります。また環境省の資料によると、年間5000名以上の方が熱中症により救急車で搬送されています。熱中症の原因として、夏の暑い日でも冷房を使わずに過ごしていることが考えられます。熱中症になりかかっていても、それに気付かず発症してしまうことがあります。これを防ぐには住まいの対策が有効です。具体的には、外からの熱を遮断すること。例えば、屋根に断熱性の高い素材を用いる、外壁の断熱性を高める、窓からの日差しを遮る、風通しを良くする、エアコンで涼しい環境をつくる、などが考えられます。エアコンは光熱費を抑えることが可能な省エネ住宅が最適です。

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血圧の上昇を促さない

室温が低くなると血圧上昇を招きやすくなり、循環器疾患の発症につながる可能性があります。気温低下を防ぐには住宅の断熱化を施すことが最も有効です。いわゆる高断熱住宅と呼ばれる住まいです。ただし、高気密で高断熱の住宅では、カビやダニの発生を防ぐために、湿度や二酸化炭素などが溜まらないよう、空調環境も整える必要があります。

高齢者に安全で健康的な照明

加齢に伴い光の感じ方も変わってきます。若い人に比べて全体に暗く見えるようになり、蛍光灯などの明るさは眩しく感じるようになります。できれば高齢者が場所毎に生活しやすいような照度に設定しましょう。例えば介護施設などでは、食事をする場所は基準の約2倍、居間など日常的に過ごす場所は基準の約3倍、夜間の廊下や寝室では基準の約5倍となっています。このように照度を基準より上げることで、高齢者が物を見やすくなったり、動きやすくなったりと、快適に過ごせるようになります。安全性においては、明るさが足りないと段差などが把握しづらくなり転倒することもあります。そのため夜間でも足元に十分な明るさが必要です。角などの暗くなりやすい場所には間接照明を使用して事故を防いでいます。

室内の段差で転倒をしない

家庭内で転倒して骨折し、要介護状態となる高齢者は少なくありません。転倒を予防し、安全に移動できるような住まいであることが重要です。転倒の主な原因として、段差があります。段差は正面に立ってみると、段差の大きさが目測しづらいことがあります。特に高齢者は白内障で目がかすむなど、見えにくいことが多く、つまずく危険性が高くなります。歩行が不安定になったら、転倒予防を目的とした住宅改修をおすすめします。

室内外に多く存在する騒音

音の問題は高齢者に限らず、多くの人にストレスを与える大きな悩みとなります。外では車やバイク、電車、犬の鳴き声など。家の中では、子どもが走りまわる音、掃除機の音、洗濯機の音、階段を上り下りする音など。高齢者の部屋が1階にあると、上階の生活音が響くことで睡眠を妨げたり、くつろぎを阻害されたりすることもあります。快適に暮らせるためには、外壁や窓、床はもちろん、間仕切りや排水管の遮音性なども高め、あらゆる生活音への対策をする必要があります。


まとめ

高齢者に配慮した住まいは、あらゆる世代の人に優しい住まいといえます。親のためにと思っていたことが、実はその後の世代にもとても快適で、住み心地のいい住まいになることは十分にあることです。今回、紹介した家庭内にある問題は高齢者に限らず、若い人にもリスクとなる可能性があることを理解しておきましょう。

 

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