建てる前に知っておきたい洋風住宅のポイント～イギリス風住宅

イギリス風の住宅と聞いてどんなイメージをお持ちでしょうか？レンガや石造りで、ロンドンにある時計塔のビッグベンのようなアンティークな雰囲気の建物でしょうか。明治以降、イギリス風のレンガ建築は、日本における洋風建築として定着し、現在でも多くの洋風住宅の外壁には、漆喰やタイルレンガのデザインとして取り入れられています。今回は、数ある洋風住宅の中でも歴史のあるイギリス風住宅にスポットを当て、その特徴についてご紹介します。これからの家づくりに是非参考にしてください。

イギリスの住宅の特徴

イギリスの住宅の最大の特徴は、建物の寿命が長いことです。イギリスでは、一度家を建てると次世代まで受け継がれることが一般的で、築年数が経過するほど資産価値が下がる日本とは違い、古い住宅ほど価値が高くなるとされています。そのため建物の耐久性や長く住み続けることが重視され、住む人は家のメンテナンスにも熱心に取り組みながら生活しています。

調和を大切に長く暮らす住宅

イギリスの住宅は、明るい雰囲気というよりも、落ち着いた色味と素朴な風合いが特徴とされています。中にはあえて外側に柱や梁を見せるようなスタイルの家もあり、建築材も自然素材を使うため、年を経る毎にその古さが味わいとなっていきます。住む人が自分なりに使い込んでいく、オリジナルの味わいを楽しめる住宅となるのです。そのためイギリス風の住宅を建てる際には、木をメインとした自然素材を使用し、自然との融合をはかる外観とすることもポイントになります。イギリスでは外観について、景観を守るために法律によって色やデザインの制限があるほどです。

部屋がすべてわかれるイギリス住宅

食事の臭いがリビングルームなどに残るのをあまり好まないイギリス人の生活スタイルから、キッチンとリビングルームそしてダイニングルームを一体化させるオープンプランという概念は、イギリスの伝統的な家にはありません。食事をする場所と寛ぐ場所は別というのがイギリス人の考え方です。一方、日本の家のように6畳や4畳半といった狭い部屋もあったり、限られた敷地でも工夫を凝らしてガーデンを設えたりと、限られたスペースを有効に活用する日本の住宅とも共通点がみられます。

リビングのマントルピース

イギリスらしいリビングの特徴といえば、何と言っても、マントルピースといわれる暖炉の焚き口とその周辺のレンガなどによる装飾でしょう。イギリスでは冬の寒さを暖炉で凌いでいた歴史があり、リビングにおける寛げる空間を演出する重要な設備として人気があります。ただ、今ではセントラルヒーティングのような暖房設備が主流となり、デザインのみが残されていることが多くなっています。

天井が高いイギリス住宅

イギリス住宅の天井が高くなったのは、日常的に暖炉が使われていたり、家の中でタバコやパイプを吸うのが当たり前だった前時代の煙対策のためとされています。禁煙が一般的となった現在でも、天井が高いことで部屋が広く見え、窓が大きく部屋全体に自然光が入りやすいという理由で、天井の高い住宅はいまもイギリスの人たちに人気となっています。

ペアガラスが主流のイギリス住宅

窓枠は、日本の住宅ではサッシが一般的ですが、イギリスの家では窓枠にその独得なアンティークさがあります。古いイギリスの伝統的な家には1枚ガラスがよく使われていますが、１枚ガラスは冬場寒く、また防犯上の理由から現在ではペアガラスを採用する住宅が一般的となっています。

まとめ

イギリスの住宅の特徴は、外壁や内壁にレンガやレンガタイルが採用されていることです。建物の耐久性も高く寿命も長く、日本の住宅とは違い、古い住宅ほど価値が高くなることがあります。その家に住む人は、メンテナンスにも気を遣って長く住み続けることが一般的です。長く住み続けることは、住宅を建てる際のポイントとして大切なことです。洋風住宅の家づくりを検討される際には、イギリス風住宅の特徴も参考にしながら計画することをオススメします。

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