個人医院を長く続けてこられた小原さんの庭は、もともとパンジーなどの一年草が多く植えられていました。その後、庭の好みが変わってきた小原さんは、いつしかイングリッシュガーデンのような緑の多い庭に憧れを抱くようになりました。小原さんのお宅は、住宅の両側に比較的広い庭があり、どちらも日照時間がそれほど長くないとのこと。ガーデンデザイナーに相談すると、日照時間の少ない庭でも育つ植物を選ぶことから始めることを勧められました。
一年草の庭から多年草の庭へ~ジキタリスが主役のイングリッシュガーデン
今回のガーデニングは、埼玉県入間市で素敵なイングリッシュガーデンをつくり上げた小原さん宅のガーデンをご紹介します。日照時間が短いという条件に負けず、ナチュラルな味わい深い風景をいかにつくり上げたのか、素敵なお庭づくりの参考にしてください。
自然の風景に憧れ新たな庭づくりに
ジキタリスが主役のイングリッシュガーデン
そこで選んだのが、ジキタリスという花。できるだけ管理も楽なものをという意向にも合い、多くのジキタリスが可憐に咲く風景を予想し、庭づくりを開始しました。ジキタリスの庭の路にはブラッドストーンという石を敷き、イングリッシュガーデンの要素を加えました。目指すは、人手を加えていないような自然の風景に近いジキタリスガーデンです。
夏の日差しに注意して日陰で育てる
自宅の庭を洋風の庭のように飾ってみたい時は、ジキタリスの地植えがおすすめです。茎がまっすぐに長く伸びて、優雅な雰囲気のベル状の花を咲かせます。花色もたくさんあり、さまざまな色を楽しむことができます。ジギタリスは耐寒性があるため冬を越すことができ、初心者でも育てることは難しくありません。丈夫な植物なので、夏の暑さや日差しに注意をしてあげれば、すくすく育ちます。できれば明るい日陰で育てましょう。
挿し木で増やせて管理がやさしい花
ジギタリスの増やし方には、「挿し木」と「株分け」の方法があります。挿し木の場合は、その年に伸びた新しい茎を5~10センチほど切り取り、挿し木用の土に挿して半日陰で育てます。土が乾かないように気をつけ、根が生えてきたら、秋に鉢や地面に植え替えます。
イングリッシュガーデンには自然素材が似合う
一方、比較的日照時間の長いもう一つの庭では、以前の庭で利用していなかったテラコッタの鉢を再利用したり、アスチルベ、二輪草、ハナズオウなどの美しい花が咲いたりと、ガーデンとしての多様性を含んだ庭を計画。さらには庭の雰囲気を壊さないよう、フェンスは自然の色彩に近いモスグリーンを採用することにしました。
ホワイトで統一した清楚なガーデンへ
イングリッシュガーデンは自然を感じる庭ですから、どんな花を植えても良いのですが、大切にしたいのが花の色です。色合いを同系色でそろえると、まとまりのある庭になります。小原さんの庭ではホワイトが基調となるよう配慮されています。
また、花が咲く時期が1か所に集中したり重ならないよう、ずらして配植することで、1年を通して花を楽しむことができます。
まとめ
こうして完成した小原邸の庭ですが、現在ではすっかり生長した植物たちが、みずみずしい緑と鮮やかな花の共演を見せてくれています。イングリッシュガーデンを好む人は多く、自分なりにアレンジして楽しめるので、みなさんもぜひチャレンジしてみてください。