住宅ローンで家を建てたいけれど、自分の収入だけでは借り入れが困難という場合があります。そのようなときは、夫婦や親子の収入を合わせて住宅ローンを組むことができます。この合算して住宅ローンを組む方法には、「収入合算」と「ペアローン」の2つの方法があります。収入合算は、例えば夫(主債務者)の収入に妻の収入を合算する方法です。合算した収入で住宅ローンの審査を受けるため、ローンが組みやすくなります。収入合算者は、連帯保証人になることが必要です。
共働き夫婦にお得なペアローン
共働き夫婦が家を建てる場合、夫1人の収入では難しいことがありますが、妻の収入も合算して組むことができるローンもあります。例えば、ペアローンという方法です。そこで今回は、ペアローンとはどのような住宅ローンなのかご紹介しましょう。
収入合算とペアローンの違い
ペアローンとは何か?
ペアローンとは、同一物件に対して夫婦がそれぞれローン契約を行い、お互いに連帯保証人になる借入れ方法です。つまり、同じ1軒の家で2つの住宅ローンを組むということです。住宅ローンが別々のものであるため、夫婦が各自それぞれの住宅ローンに対して債務を負います。夫婦、同性パートナー、あるいは親子でのペアローンが可能ですが、債務者それぞれが各銀行の住宅ローン借り入れ条件に合致する必要があります。
メリット① 借入額が大きくなる
ペアローンの最も大きなメリットは、借入可能額が大きくなることでしょう。夫の収入に妻の収入を合算できれば、より高額の家を建てることができます。もちろん収入合算した場合も借入額を増やすことはできますが、合算者の収入で限度があり、ペアローンほど借入額を増やすことができないと考えられます。
メリット② 金利プランを分けて組める
同じ家で2つのローンを組むため、金利プランを分けてローンを組むということもできます。例えば、夫の住宅ローンを返済比率の大きい長期固定プランで組み、妻のローンは金利の低い変動型とし、短期間で返済できるようにすることもできます。
メリット③ 住宅ローン控除が適用される
住宅を購入すると、最大13年間の住宅ローン控除が受けられますが、ペアローンでは夫婦それぞれ住宅ローン控除を受けることが可能です。ペアローンは夫妻それぞれの名義で住宅ローンを組むため、住宅ローン控除の還付金を受け取ることができるのです。ただし、住宅ローン控除の適用を受けるためには、建物を所有している必要があり、夫が建物、妻が土地の所有者としている場合、土地の所有者は住宅ローン控除の適用外となります。
デメリット① 返済が2つでリスク増
夫婦2人の収入を合算すると高額の家を建てることも可能ですが、それだけ返済額は多くなり、生活に負担がかかったり、返済できなくなったりするリスクが高まることも考えられます。また、ペアローンは住宅ローンを2つ組むことになるため、登記費用や司法書士報酬、印紙代などの手続きがすべて2倍になります。
デメリット② 夫が死亡後も妻の債務は残る
ペアローンでは団体信用生命保険(団信)にも加入することができます。しかし、夫1人の住宅ローンで団信に加入していれば、夫が死亡すると団信が残債を完済してくれるため、残りのローンは支払う必要がないのに対し、ペアローンの場合は、夫が死亡しても妻の債務は残っており、妻は自分の住宅ローンを払い続けることになります。
その他の注意点について
ペアローンは2人の収入を合わせることで、希望の家を建てることが可能となりますが、仮にどちらかの収入が減ってしまうと、返済が難しくなることがあります。そのため、将来にわたり、継続した収入が見込める夫婦ということが前提となります。介護や子育てといった生活の変化により、思うように働けなくなると、ローンを払い続けることが困難になるでしょう。そのような場合に、いかに収入を保持できるか対策を立て、計画的に返済していくことが大切です。
まとめ
ペアローンは夫婦共働きでどちらにも安定した収入があると、メリットの多い住宅ローンです。ただし、デメリットもあるため、専門家と相談をして返済計画をしっかり立てて利用しましょう。
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