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2022/12/04
住まい
#注文住宅 #建売住宅 #中古住宅

マイホームの相場はどれぐらい?
注文住宅、建売住宅、中古住宅の相場の違いや年収別の相場を解説

「こんな家にしたい、あんなふうにしたい……」と、夢をふくらませて作り上げていくマイホーム。自分の要望を詰め込んでいくと、「いったい、どれくらいの費用がかかるのだろう」と不安になる方も多いと思います。マイホームの購入を検討する上で、費用は一番気になるポイントの一つと言ってもいいのではないでしょうか。ここでは、マイホームを購入する際の相場を、注文住宅、建売住宅、中古住宅の相場と、年収における目安金額をご紹介いたします。

マイホームの相場はどれぐらい?<br />
注文住宅、建売住宅、中古住宅の相場の違いや年収別の相場を解説

マイホームを購入する時にかかる費用を知っておこう

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マイホームの購入には、建物本体や土地のほか、さまざまな費用が必要となります。それでは、マイホーム購入の際にかかる費用をみていきます。

 

本体価格

本体価格とは、建物そのものの費用です。

注文住宅の場合は、建設のための費用が本体価格となりますが、建売住宅、中古住宅の場合は、建物と土地がセットになっている場合がほとんどです。

 

土地代

戸建住宅を建てたり、購入したりする場合は、敷地である土地が必ず必要となります。土地代とは、土地を購入するための費用です。

すでに土地を購入していたり、実家の敷地の一部に家を建てたりする場合には、土地代はかかりません。

諸経費

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マイホーム購入の際には、建物と土地以外にも、消費税をはじめとした税金や保険料、手数料など、さまざまな諸経費が必要となります。

注文住宅では、建物や土地の費用のおよそ10%、建売住宅や中古住宅の場合は物件費用の6~8%程度の諸費用がかかるとされていて、こうした諸経費は、事前に資金を用意しておかなければなりません

以下はその一部です。

 

売買契約や建築工事請負契約、住宅ローン契約時の印紙代

不動産売買契約や工事請負契約の際には、印紙税法により契約書には収入印紙の貼布が必要になります。1千万円を超え5千万以下なら2万円、5千万円を超え1億円以下なら6万円といったように、契約金額によって印紙代はことなります。通常、契約書は2通作成しますから、印紙代は2倍になります。

 

建物の建設確認申請のための検査費用

新築の注文住宅の場合、建物が建設基準法に反していないか確認する必要があります。こうした確認をするための検査費用がかかります。

 

住宅ローンを利用する際の手数料や保証料など

マイホームを購入する人の多くは、住宅ローンを利用することになります。こうした住宅ローンを利用する際には、手数料や保証料がかかります。費用は、借入する金融機関や金額などにより異なります。

 

消費税

物品やサービスを購入した時にかかる消費税は、マイホーム購入の際にも必要です。

 

不動産取得税や登記費用など

不動産取得税とは、家屋の購入、贈与、建築などで不動産を取得した際にかかる税金です。不動産の評価額×(税率4%)=税額となります。また、不動産を取得した際には、不動産登記をしておかなければなりません。これは、不動産の権利が誰のもので、どんなものかを公示するもので、自分の財産を守るためのものです。登記費用は評価額の0.4%で、司法書士などに依頼する場合は、別途費用がかかります。

 

火災保険や地震保険などの住宅保険料

万が一の火災や災害に備えて、住宅保険への加入はしておく方が良いでしょう。保険料は、保険の内容により異なります。

 

その他

仲介業者を通じて購入した場合には、仲介手数料や住宅ローンあっせん料などがかかります。また、マイホーム購入をきっかけに、家具や電化製品、カーテンなどのファブリックを買い替えるなら、こうした費用についても考えておかなければなりません。そのほか、これまで住んでいた家から新居への引っ越し費用などもかかります。

マイホームの相場はどのくらい?

「フラット35」で知られている住宅金融支援機構がおこなった2021年度「フラット35利用者調査」の全国平均から、その相場を見ていきます。

 

注文住宅の相場

注文住宅とは、新築住宅をあらたに建設するもので、たいていの場合、建物の建設費用のみで、土地は費用に含まれていません。注文住宅の費用は、土地を別に購入するか、すでに持っている敷地に家を建設する場合のものとなります。調査によると、注文住宅の建設費用の全国平均はおよそ3,570万円です。融資を受ける世帯の年収平均はおよそ602万円で、自己資金はおよそ597万円、融資額は「フラット35」からおよそ2,874万円、その他金融機関などからおよそ10万円です。そして、1カ月あたりの予定返済額の平均は、9万8,300円となっています。

 

土地付き注文住宅の相場

土地付き注文住宅は、建物を建てる土地も同時に購入する注文住宅です。分譲地などの「建設条件付き土地」というのは、住宅を建てる建設会社が決まっているもので、工事請負契約とあわせて販売されています。また、ハウスメーカーや工務店などでも、不動産部門がある会社なら、土地探しから住宅建築までを行ってもらえます。

こうした土地付き注文住宅の相場は、調査によると、建設費用の全国平均はおよそ3,011万円、土地取得費はおよそ1,445万円で、あわせると4,456万円となります。融資を受ける世帯の年収平均はおよそ639万円で、自己資金はおよそ412万円、融資額は「フラット35」からおよそ3,841万円、その他金融機関などから203万円です。そして、1カ月あたりの予定返済額の平均は、12万4,400円となっています。

 

建売住宅の相場

建売住宅とは、分譲地などに建てられている住宅、または建設前や建設中の住宅を土地とセットで購入するものです。調査によると、建売住宅の購入価格の全国平均はおよそ3,605万円。融資を受ける世帯の年収平均はおよそ563万円で、自己資産は270万円、融資額は「フラット35」からおよそ3,121万円、その他金融機関などから214万円となっています。そして、1カ月あたりの予定返済額の平均は、10万3,700円となっています。

 

中古戸建の相場

調査によると、中古戸建の購入価格の全国平均はおよそ2,614万円。融資を受ける世帯の年収平均はおよそ563万円で、自己資産は219万円、融資額は「フラット35」からおよそ2,256万円、その他金融機関などからおよそ144万円となっています。そして、1カ月あたりの予定返済額の平均は、7万8,700円となっています。

【参考】2021年度 フラット35利用者調査

予算はどう決める?マイホーム購入の目安の予算

マイホームの購入にかかる費用や、注文住宅や建売住宅、中古戸建の目安はわかったもののどうやって自分の予算を決めたらいいのかわからない……と悩む人も多いことでしょう。

ここでは、ナウいホーム購入の予算の目安についてお話していきます。

 

毎月どのくらいの金額を支払うの?

ここで注目したいのが、年収における「総経済負担率」です。これは、年収のうち、どのくらいを住宅ローンの返済にあてているかの割合を示したもので、その平均は、注文住宅で21.5%、土地付き注文住宅で24.9%、建売住宅で23.7%、中古戸建で20.3%、多くが年収の30%未満での負担率となっています。つまり、年収のおよそ20~25%、多くても30%程度を住宅ローンとして支払っていることがわかります。あまり住宅ローンの負担率が高いと、毎月の支払いがつらいだけでなく、日々の暮らしにストレスを感じるようになってしまいます。せっかくマイホームを購入するなら、家族みんなが笑顔で過ごすことができる、余裕のある返済計画を立てるようにしましょう。

マイホーム購入の予算の目安とは?

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国税庁の調査によると、2021年度の給与者の平均年収は443万円です。そこから、年収300万円台、400万円台、500万円代でのマイホームの予算の目安を算出していきます。

 

年収300万円台の購入の目安

年収が300万円台なら、下記の金額が目安となります。

・注文住宅なら、住宅ローン総額2,100万円~2,940万円、諸経費210万円~294万円で2310万円~3,234万円

・土地付き注文住宅なら、住宅ローン総額2,520万円~3,360万円、諸経費252万円~336万円で2,772万円~3,696万円

・建売住宅なら、住宅ローン総額2,520万円~3,320万円、諸経費176万円~232万円で、2,696万円~3,552万円

・中古戸建なら、住宅ローン総額2,130万円~2,840万円、諸経費府が149万円~198万円で、2,279万円~3,038万円

 

年収400万円台の購入の目安

年収が400万円台なら、下記の金額が目安となります。

・注文住宅なら、住宅ローン総額2,940万円~3,760万円、諸経費が294万円~376万円で3,234万円~4,136万円

・土地付き注文住宅なら、住宅ローン総額3,360万円~4,350万円、諸経費が336万円~435万円で、3,696万円~4,785万円

・建売住宅なら、住宅ローン総額3,320万円~4,140万円、諸経費が232万円~290万円で、3,552万円~4,530万円

・中古戸建なら、住宅ローン総額2,840万円~3,550万円、諸経費が199万円~249万円で、3,039万円~3,799万円

 

年収500万円台の購入の目安

・年収が500万円台なら、下記の金額が目安となります。

・注文住宅なら、住宅ローン総額3,760万円~4,510万円、諸経費が376万円~451万円で、4,136万円~4,961万円

・土地付き注文住宅なら、住宅ローン総額4,350万円~5,220万円、諸経費が435万円~522万円で、4,785万円~5,742万円

・建売住宅なら、住宅ローン総額4,140万円~4,970万円、諸経費が290万円~348万円で、4,430万円~5,318万円

・中古戸建なら、住宅ローン総額3,550万円~4,260万円、諸経費が249万円~298万円で、3,779万円~4,558万円

 

こうした金額はあくまでも「目安」です。自己資金の保有額や住宅ローンの借入額や借入期間、融資金融機関などで金額は変動します。

【参考】令和3年分民間給与実態統計調査結果について

住宅ローンを検討する際に留意しておきたいこと

マイホーム購入時には、ほとんど人が住宅ローンを利用し、毎月支払いをしていくことになりますが、ローン金額を検討する際に気をつけておきたいのは、住まいにかかる費用は住宅ローンだけではないということです。住宅保険を年払い、または、月払いにしているなら、1年ごと、あるいは毎月保険料がかかりますし、年度はじめには固定資産税などの税金の徴収もあります。このほか、住まいは経年劣化するため、定期的なメンテナンスが必要で、築20年を過ぎるあたりには、キッチンや浴室などの住宅設備の寿命を迎えるため、大規模な改修・補修工事の可能性も出てきます。マイホーム購入時には、こうした費用も必要だと頭にいれておきましょう。


まとめ

 

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マイホームの購入費用の目安は、購入時の年収をもとに考えることが大切です。毎月の住宅ローンの返済額は、年収の20~25%を目安にするとよいでしょう。また、年収が低いからマイホームなんて無理に決まっている、と考えるのではなく、はじめは、費用の安い中古戸建を購入し、将来、年収がアップした際に希望どおりの新築住宅を手に入れる、という方法もあります。ライフスタイルにあわせたマイホーム購入を検討していきましょう。

 

【補足】住宅購入費用については、年収と「総経済負担率」の平均割合をかけたものを「フラット35」の最長借入期間35年として計算。住宅の本体費用・土地費用などをすべて住宅ローンとして借り入れたものとして、筆者が算出したもの。諸経費が、新築注文住宅は10%、建売、中古戸建は7%として算出。