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2023/01/29
暮らし
#暖房効率 #光熱費節約 #コールドドラフト

暖房効率を上げる方法を解説。
光熱費を抑えながら
暖かく過ごす!

光熱費が高騰している昨今、暖房効率を上げて少しでも節約したいという方も多いのではないでしょうか。この記事では、暖房効率を上げる方法をご紹介いたします。

暖房効率を上げる方法を解説。<br />
光熱費を抑えながら<br />
暖かく過ごす!

■暖房効率を上げるポイント

冬に快適に暮らせる住まいづくりのポイントは、「断熱」と「気密」です。断熱とは、外の冷気から室内を守ること、気密とは、隙間をなくして暖かい空気が逃げてしまうのを防ぐことです。熱はどこから逃げていくのかについて解説いたします。

 

◆熱はどこから逃げるのか

暖房時に室内の暖かさは、窓などの開口部58%、換気設備15%、外壁15%、床7%、屋根5%の割合で外に逃げてしまいます。暖かさを保つには、窓の対策をすることが最も効果的だといえます。

【参考】国土交通省 なるほど省エネ住宅


■コールドドラフトを起こさないために

コールドドラフトとは、暖房で暖めた部屋の空気が窓ガラスによって冷やされて、床面に下りてくることで、室内の天井付近と床付近で温度差ができてしまう現象です。部屋の上部と下部の室温を比べた時に、5℃以上の温度差ができることもあるようです。冷気を感じる点では隙間風と同じですが、外から入ってくる隙間風とは違って、コールドドラフトは室内で発生します。暖房効率を上げるためには、コールドドラフトを起こさない対策が重要です。

 

◆窓の冷気を防ぐ

コールドドラフトを起こさないために、まず窓周りの冷気を防ぎましょう。窓の断熱効果を高めるには、厚手で長さのあるカーテンを使うことが効果的です。重みのある素材のカーテンは、薄いものより断熱性は高くなります。また、遮光カーテンや断熱カーテンは、カーテン生地を重ねて作られており、生地同士の間に空気の層ができるので、普通のカーテンよりも断熱効果が期待できます。

カーテンの長さが短いと、カーテンと窓の間から冷気が室内に入り込みやすくなります。窓ガラスの部分だけではなく、できれば天井から床まで届く長いもの(窓下に設置した家具がある場合でもできる限り長いもの)を使用すると高い効果が期待できます。

 

◆サーキュレーター

サーキュレーターは空気を循環させる製品で、まっすぐ遠くまで風を届けて空気を動かします。エアコンから離れた部屋の隅からエアコンに向けて設置するのがおすすめです。家具などがあって難しい場合は、天井に向けて設置すると効率よく空気を攪拌できます。できるだけ低い位置に置くと足元の温まり方が早くなります。

 

◆シーリングファン

吹き抜けや吹き上げがある間取りの場合、シーリングファンの設置もおすすめです。サーキュレーターだけではなかなか届きづらい天井の一番高い部分から、効率よく空気をかき混ぜられます。実用性も高く、優れたデザインのものも多数販売されています。


■暖房効率が良い家の条件

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コールドドラフトを防止するほかに、暖房効率を高めるための基本的なポイントについて説明いたします。簡単に生活の中に取り入れることは難しい点もありますが、リフォームや住宅の新築を考える際は参考にしてください。

 

◆部屋の断熱性能

部屋の断熱性能が高いと室内は冷えづらくなります。外壁の中や床下、屋根の断熱材の材質や密度、厚さによって断熱性能は変わります。住宅の新築やリフォームを考える際は、どういった断熱材が使われているのか確認しましょう。

 

◆窓の性能

暖かく過ごすには、窓の性能も重要です。窓ガラスの厚みやガラスを何枚使った構造になっているかで、窓の断熱性能は変わってきます。また、窓のサッシの材料も窓の性能には大きく影響します。窓交換をリフォームで行うと高額ですが、代わりに窓用の断熱シートを貼ることで断熱効果を上げる方法もあります。気密性を上げるために、隙間テープを利用することも効果的です。

 

◆換気計画

暖かく過ごすために断熱性や気密性を高めた時、換気計画も大切です。各部屋で常に空気が循環する流れを作るようにします。どの部屋も同じ温度に保つことで、快適に暮らせるだけでなく、結露やヒートショックの防止にも効果があるので健康的に過ごせます。

【参考】経済産業省 資源エネルギー庁「家庭向け省エネ関連情報 省エネ住宅」

 

◆適切な湿度を保つ

人が感じる温度を数値化したものを「体感温度」といいます。体感温度にはさまざまな要因が関係していますが、最も影響が大きいのは、「温度」と「湿度」です。室温25℃湿度25%の部屋よりも室温25℃湿度55%の部屋の方が、身体の表面温度が1~2℃あがって暖かく感じるという実験結果も出ています。

冬場の快適な湿度は45%~60%といわれています。部屋の湿度を上げることで、肌やのどの乾燥を防ぎ、インフルエンザなどのウイルスが活発に動けなくなる効果もありますので、適度な湿度を保つようにしましょう。

【参考】ダイキン工業株式会社 乾燥の困りごとと解決法


■暖かく過ごすための生活の工夫

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次に、今日からすぐにでも生活に取り入れやすい工夫点について解説いたします。

 

◆床の冷気を防ぐ

床や足元が冷たいと、室温以上に寒く感じてしまいます。暖房効率を上げるためには、床からの冷気をシャットアウトすることも大切です。ラグを一枚敷くだけでも変わりますが、ラグの下にキャンプなどでも活躍する銀マットを挟むと、さらに暖気を逃しづらくなります。

 

◆エアコンの風向き設定

エアコンの風向きを下向きにして、部屋の下から暖めるようにしましょう。暖かい空気は上にあがり、冷たい空気は下にいく性質があるので、空気を循環させて効率よく部屋全体を暖められます。エアコンの風向き角度を60°以上下向きに設定すると、温風が足元までしっかり届きます。風速が弱いと温風が途中で舞い上がってしまうので、「強め」での使用がおすすめです。また、エアコンのフィルターが汚れると暖房効率が落ちてしまうので、定期的に清掃しましょう。

【参考】三菱電機株式会社 暖房が効率よく届く角度とは?

 

◆太陽光の暖かさを取り入れる

日光を取り入れて部屋を暖めましょう。太陽が出ている日中は、カーテンを開いて日の光を取り入れます。日が沈んで気温が下がってきたら、窓から熱が逃げるのを防ぐためにもカーテンはすぐに閉めるようにしましょう。


■光熱費を抑えられるエアコンの使い方

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エアコンの設定にはさまざまなメニューがありますが、効率の良い設定にするにはどうすれば良いか解説いたします。

 

◆温度の設定

エアコンの温度設定を1℃変えると、電気代は10~13%変わるといわれています。断熱性に優れたカーテンを使うことや、サーキュレーターを併用することでエアコンの設定温度を2℃低くできれば、それだけで20%以上の節電が可能です。環境省では、暖房時の室温を20℃で快適に過ごすライフスタイルであるウォームビズを推奨しています。しかし、エアコン暖房を利用している人の設定温度は22℃~25℃が全体の6割近くを占めています。コールドドラフト対策やエアコンの定期的なお手入れをして、設定温度を下げても暖かさを保てるようにしましょう。

【参考】

環境省 令和3年度ウォームビズについて

パナソニック株式会社2022年エアコン暖房利用者の設定温度

 

◆風向きの設定

エアコンの風向きは上下方向については、60°以上下向きが推奨されますが、左右方向の設定について説明いたします。エアコンのつけ始めは、まず人のいる場所の足元を暖めるように左右の風向きの設定をしましょう。直接エアコンの風が当たると実際の温度より寒く感じることがあるほか、肌が乾燥しやすくなるので、直接当たらないよう調整しましょう。

 

◆こまめにエアコンを切った方が節電になる?

エアコンをつけ始めた時は、「強め」がおすすめです。室温が上がってきた後に電源をオンオフして温度調節をするのは避けましょう。室温が下がった部屋でエアコンをつけると、フルパワーで電気を使いながら設定温度に近づけようとします。それにより、暖かい部屋をそのまま維持するよりもずっと多くの電気を消費してしまうのです。エアコンについている「自動」モードに任せておくのが最も節電できます。

 

◆就寝時は切った方が良い?つけっぱなし?

質の高い睡眠のためには、就寝中も室温は一定であることが望ましいです。就寝前には温度を20℃前後の自動運転に設定しましょう。エアコンをつけたままにしていると乾燥しがちなので、加湿器を併用して湿度が下がりすぎないように注意しましょう。

 

◆室外機のお手入れ

エアコンの室外機の裏側にある放熱板の隙間にゴミが詰まってしまうと、余計な電力を消費してしまいます。定期的に室外機の周りや裏側のお手入れをして節電しましょう。

<室外機のお手入れ方法>

①  室外機に付着した汚れを水拭きする。

②  室外機についている水抜き穴のゴミを取り除く。

③  前面のファンの前の雑草やゴミを取り除く。

④  (雪の降る地域では)

雪に埋まる前に防雪フードや防雪ネットを設置する、こまめに雪かきする。


■エアコン以外の暖房

使う場所に応じてエアコン以外の暖房機器を組み合わせることも、光熱費の削減につながります。空気を汚さず設置しやすい電気暖房を紹介いたします。

 

◆電気ストーブ

暖まるまでのスピードが早いので、エアコンと併用すると短時間で設定温度まで室温を上げられます。エアコンをフルパワーで使う時間を減らせるので、併用することで省エネとなるケースもあります。

 

◆電気ファンヒーター(セラミックヒーター)

トイレや洗面所など狭い空間を短時間だけ暖めるのに効果的です。人感センサー付きの商品も発売されています。

 

◆ホットカーペット

足元が暖かいと、体感温度が上がります。床からの冷気を遮り、エアコンの設定温度を抑えることが可能です。床に傷がついてしまうこともあるので、素材によっては断熱シートを併用します。


■まとめ

暖房効率を上げて、光熱費を抑えて暖かく過ごすためのポイントについて解説いたしました。暖房器具の使用方法やエアコン設定、生活の中で取り入れられる工夫を組み合わせて、冬の間も暖かく快適な生活をお過ごしください。

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