分譲マンションでは、当事者間でも長い付き合いになることが多いでしょう。トラブルに発展する可能性のある手段は使わずに、まずは管理組合への相談を基本としましょう。実際に騒音トラブルが起こった際の対処法は次のとおりです。
① 当事者間での話し合いや匿名での手紙投函
当事者間での話し合いは即効性がありますが、その後、お互いに気まずくなってしまうケースやトラブルにつながる恐れがあります。また、誰かわからないように匿名で手紙を投函するという方法もありますが、手紙の内容から誰が投函したかわかることや、投函していない別の人から注意されたと勘違いして、勘違いされた人が迷惑を被るケースもあります。ともに、騒音トラブルからさらなるトラブルに発展しやすいため、あまりおすすめできません。できるだけ第三者に注意喚起をしてもらうようにしましょう。
② 管理組合に相談する
分譲マンションでの生活上のトラブルについては、まずは、管理組合に相談することです。音は空気や固体を振動させ、そこを伝わって聞こえるため、マンションの場合は構造によって、上の階から聞こえてくる音だと思っていたものが、実は、真上の部屋ではなく、その数軒隣から発生したものだった……ということがあります。直接クレームを言いに行ったら、その住人が騒音の発生源ではなかった場合、さらなるトラブルに発展することにもなりかねません。こうした勘違いによるトラブルを未然に防ぐためにも、管理組合に相談し、事実確認をしてもらった上で、注意喚起をしてもらうようにしましょう。
③ 警察に通報する
騒音トラブルは民事事件であるため、警察が介入できないと思われがちですが、夜間の救急性を要する騒音被害の場合は、110番通報で対応してもらえます。また騒音により、体調不良を訴えるなどの被害がある場合は、刑事上の罪に問えることもあります。
④ 自治体の保健福祉局などに相談する
騒音トラブルの中でも、子どもの鳴き声や子どもを叱りつけているような怒鳴り声が頻繁に聞こえる、といった場合は、各市町村の保険福祉局などに相談するのもひとつです。こうした騒音トラブルはデリケートな問題を含むため、できるだけ直接注意することは避け、第三者に相談するようにしましょう。緊急性があるような場合は警察に通報します。
⑤ 保健所に相談する
犬の鳴き声がうるさい……など、ペットに関する騒音トラブルは保健所に相談します。ただし、飼い主にクレーム内容を伝えてもらうことはできますが、強制力がないため、飼い主によっては、あまり改善が見られないケースもあります。
⑥ 弁護士に相談する
騒音トラブルはほとんどが民事事件となるため、弁護士に相談するのもひとつの方法です。まずは文書で注意喚起を行なってもらい、改善が見られない場合には、裁判所に民事訴訟を提訴する際にも手続きがスムーズに行えます。騒音トラブルは民事訴訟による損害賠償請求となるのが一般的です。騒音には環境基本法の基準があるため、毎日どの時間帯に、どれだけの音を出しているのか、といった内容を記録しておきます。自分のメモでは証拠として弱いため、録音やビデオ撮影などで、音と日時を明確に記録しておく方法もありますが、専門家にきちんと測定してもらうことで、加害者に騒音を認めさせる手段となります。