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2023/03/13
住まい
#エコカラット #壁材 #調湿脱臭

エコカラットのメリット・
デメリットとは?エコカラットに適した場所も紹介

意匠性が高く、調湿や脱臭機能などの特徴をもつ「エコカラット」は、人気の高いインテリア建材のひとつです。ここでは、エコカラットのメリットとデメリット、そして、エコカラットを用いるのに適した場所などについてご紹介いたします。

エコカラットのメリット・<br />
デメリットとは?エコカラットに適した場所も紹介

■「エコカラット」とは?

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「エコカラット」は、住宅のインテリアに用いる建材のひとつです。住宅設備メーカーLIXILが、長年培ってきた技術を活かして開発した多孔質セラミック素材からできた内装壁機能建材です。内部が多孔質層となっているため湿気を吸放出し、ニオイの原因物質などを吸着する仕組みになっています。そのため、エコカラットは「水や汚れが付いた時にはお手入れがしづらい」というデメリットがありました。しかし、新しく発売された「エコカラットプラス」では、表面に超微細構造層が施されていて、粒子の細かい湿気やニオイの原因物質は通し、粒子の大きい水や汚れは通しにくい構造となっているため、お手入れがしやすくなっています。

 

【「エコカラット」の4つの特徴】

エコカラットには次の4つの特徴があります。

 

特徴①: 室内の湿度を調節

室内の湿気を吸放出し、湿度を調整してくれる。

特徴②: 気になるニオイを脱臭

生活する上で発生するさまざまなニオイの原因物質を吸着し、気になるニオイを脱臭し、軽減してくれる。

特徴③: 有害物質を軽減

ホルムアルデヒドなどの有害物質を吸着し、軽減してくれる。

特徴④: お手入れが簡単

水拭きで簡単にお手入れすることができる。(※エコカラットプラス)


■「エコカラット」のメリット

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エコカラットは、その特徴から次のようなメリットがあります。

 

<メリット①> 室内の湿度を調整する

無数の孔には、湿度の高い時は湿気を吸収し、空気が乾燥している時は湿気を放出する機能があるため、エコカラットを用いることで、室内を快適な湿度に保ち、心地良く過ごすことができます。

 

<メリット②> ニオイを吸着する

料理の際に出る調理中のニオイやたばこ、ペット、そして、トイレのイヤなニオイなど、生活している中で出る気になるニオイの成分を吸着することで、室内にこもるニオイを素早く取り除いてくれます。

 

<メリット③> シックハウス症候群の原因物質を低減する

シックハウス症候群の原因のひとつであるホルムアルデヒドなどの有害物質を吸着し、低減することで、家族が安心して暮らすことができる空間を創り出してくれます。

 

<メリット④> お手入れが簡単

エコカラットプラスは、表面が超微細構造層となっているため、粒子の小さい湿気やニオイなどの原因物質は通し、粒子の大きな水分や汚れは通しにくい構造となっているため、水拭きで簡単にお手入れすることができます。

 

<メリット⑤> 高い意匠性

エコカラットは、高精細加飾技術によって、素材感をディテールまで再現することで、石や木の美しさや質感を楽しむことができ、心地良い空間を創り出せます。国際的なデザイン賞「レッド・ドット賞」において、最優秀デザイン賞である「ベスト・オブ・ザ・ベスト賞」を受賞するなど、そのデザイン性は高く評価されています。


■「エコカラット」のデメリット

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快適な空間を創造するためのメリットがあるエコカラットですが、デメリットもあります。設置する際に気を付けるポイントとあわせて、エコカラットのデメリットについて解説します。

 

<デメリット①> コストがかかる

調湿機能や脱臭機能、高い意匠性などの特徴があるエコカラットは、壁紙と比べるとコストがかかります。本体価格だけでなく、エコカラットを設置する際には、専用の接着剤を用いるなど、下地処理をはじめとした施工費も壁紙と比べると高くなります。また、調湿機能や脱臭機能などの効果を十分に得るためには、ある程度の面積が必要となり、12畳のリビングの場合、4〜6㎡程度の量が推奨面積となるため、それなりの予算が必要です。

 

<デメリット②> 壁紙と比べて掃除がしにくい

エコカラットは表面がザラザラしているため、水拭きがしづらく、表面を拭いた雑巾の繊維が残ってしまう……ということがあります。エコカラットプラスでは、こうしたお手入れのしづらさは改善され、水拭きが簡単にできるようになっていますが、凹凸面があるため、壁紙に比べてお手入れに手間がかかります。

 

<デメリット③> 割れたり、欠けたりする

エコカラットは多孔質セラミックです。陶磁器などと同じ焼きものの一種であるため、固い反面、「もろい」という性質があります。そのため、割れたり欠けたりすることがあります。

 

<デメリット④> 壁に何かを貼り付けたり、引っ掛けを取り付けたりしにくい

エコカラットは凹凸があり、小さな孔を多くもつ素材のため、両面テープなどが引っ付かず、壁に何かを貼り付けたり、引っ掛けたりするための金具などが取り付けづらいというデメリットがあります。また、釘やネジなどを使うと割れたり欠けたりするため、引っ掛け金具などを取り付ける際には、エコカラットの扱いに慣れた施工業者に依頼する必要があります。

 

<デメリット⑤> 気軽に変更できない

壁紙のように、簡単に貼り直しができません。施工後にもし気に入らなかったら、やり直しのためのコストと時間が掛かるため、なかなか変更がしにくいというデメリットがあります。エコカラットは専用の強力な接着剤を用いて下地に取り付けられているため、変更する際には、下地のボードごと変更しなければならない場合も出てきます。


■「エコカラット」を用いる際に気を付けること

エコカラットには、その特性上、設置する際には注意しておかなければならないことがあります。

 

◆水が直接かからない場所に設置すること

エコカラットは、多孔質セラミック素材である性質上、水が直接かかるような浴室には不向きな素材です。トイレや洗面スペースなどに設置する際には、直接水がかからない場所を選びましょう。また、水分を吸い込んでしまうと汚れが落としにくくなるため、コーヒーやジュースなどの汚れは早めにお手入れするようにしましょう。

 

◆キッチンなど油汚れが付く場所での設置を避けること

エコカラットは、小さな孔がたくさんあることで、調湿や脱臭などの機能を発揮します。そのため、油汚れが表面に付くことで埃と結びついて表面を覆ってしまうと、その機能が発揮できなくなってしまいます。また、油汚れが取れにくいため、キッチンのコンロ周辺のような油汚れがしやすい場所や、シンク周辺の水が直接かかるような場所への設置は避ける必要があります。

 

◆人が直接触れる壁への設置は避けること

手が頻繁に触れる場所にエコカラットを設置すると、「手の汚れがつきやすく、お手入れしてもなかなか汚れが落ちにくい」という使用者の声が少なくありません。また、表面に凹凸があるため、誤って勢いよくぶつかってしまった際には、手などに傷ができてしまうこともあるので注意が必要です。

 

◆ペットがいる家では設置場所を工夫すること

ペットのニオイを脱臭してくれるエコカラットですが、ペットがいる家では設置場所を工夫する必要があります。ペットが走り回る部屋の中で、体が当たる場所に設置すると、ぶつかった際にけがをする可能性があるので注意が必要です。また、猫が爪を研いだり、壁によじ登ったりする場合は、ひっかき傷がつきやすくなります。

 

◆換気ができる場所に設置すること

室内の湿気を吸放出する機能のあるエコカラットですが、常に湿気が多い場所では水分をためこんだ状態になるため、カビが発生する恐れがあります。そのため、換気ができない、空気がこもりがちな場所への設置には不向きなため、換気ができる場所に設置する必要があります。


■「エコカラット」を設置するのに向いている場所

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メリットとデメリットを踏まえて、エコカラットを設置するのに向いている場所について解説します。

 

☆リビング

湿度を快適に保ち、気になるニオイを脱臭し、ホルムアルデヒドなどの有害物質を吸着してくれるエコカラットは、家族が長時間寛ぐリビングへの設置がおすすめです。テレビを設置する壁面全体にエコカラットを用いると、アクセントウォールとなり、室内の雰囲気もぐんと良くなります。また、リビングは人の出入りが多い場所のため、あまり人の手に触れない場所を選んで用いるようにしましょう。

 

☆ダイニング

キッチンと接するレイアウトとなっていることが多いダイニングも、エコカラットを設置するのに向いている場所のひとつです。キッチンで調理中に出たニオイも素早く脱臭してくれるため、食事中に「調理した時の油のニオイが気になる」「魚を焼いたニオイが残っている」と、感じることが少なくなります。また、ダイニングテーブルで焼き肉など調理しながら食事をした後、いつまでもニオイが部屋に残っているということがなくなります。

 

☆寝室

一日の疲れを癒やし、活力を養うためには、睡眠の質が大事です。睡眠の質を高めるための理想的な室内の湿度は、50~60%といわれていますが、エコカラットを寝室に用いると、湿度の吸放機能によって、加湿器や除湿器を使うことなく寝室を快適な湿度に保つことができます。

 

☆トイレ

トイレの気になるニオイの原因のほとんどはアンモニアが原因です。このニオイの原因物質を吸着し、ニオイを脱臭してくれるエコカラットは、トイレの壁材として用いるのに適した素材といえます。エコカラットをトイレで用いる際には、直接水や尿はねがかかる位置や、手摺りを設置してあるような人の手が触れる場所は避けるようにしましょう。

 

☆玄関や廊下

生活する上で発生するいろいろなニオイがこもりやすい玄関や廊下も、エコカラットを用いるには適した場所といえます。但し、玄関を出入りする際に鞄や傘などの持ち物がぶつかりやすい位置や、掃除をする際に掃除機が当たる壁の下部は、エコカラットが欠けやすくなるため施工の際には注意が必要です。


■まとめ

高いデザイン性と湿度を調整し、ニオイや有害物質を吸着して取り除いてくれるエコカラットは、ワンランク上の住空間を創り出すことができるインテリア建材です。そのメリットを活かしながら、デメリットを理解した上で、エコカラットを活用した上質な空間づくりをしましょう。