続いて、作り置きをするときの調理中のコツです。菌が繁殖しにくいように気を付けながら、段取りよく作っていきましょう。
☆調理順をあらかじめ決めておく
作り置きは一度に数品も作るので、完成までに時間が掛かってしまいます。まずは冷蔵庫の中にある食材から何を作るかを決め、調理する順番をあらかじめ決めておきましょう。調理の順番は、加熱時間が長いものから始めるのがおすすめです。
☆しっかり火を入れる
細菌の多くは熱に弱いことが特徴で、75℃で1分以上加熱すると死滅するといわれています。そのため作り置きは生野菜のサラダなどより、炒め物や煮物などしっかり火を通すレシピが向いています。特に肉、魚、卵は食中毒の原因になるサルモネラ菌や、カンピロバクターなどが付着していることがあるため、表面だけでなく中までしっかり火を通しておくことが大切です。
☆水気をきちんと切る
和え物などのように水気を含んだ料理を作り置きするときは、手でしっかり絞って水気を切っておきましょう。水分が多いままの状態では、日が経つにつれ水分が抜けてきて、味がぼやけてしまいます。また、水気を切っていても保存している間に容器に水が出てきた場合は、水気を取り除いておきましょう。水分が多い食品は傷みやすいため、炒め煮などを作るときはできるだけ水分を飛ばしておくのがポイントです。また、水分が出そうな料理は、かつお節やゴマなどのように水分を吸いやすい食品を入れておくのも傷みにくくするコツです。ただし、煮物の汁は捨てずにそのまま保存しておきましょう。汁には塩分や糖分が入っているため、汁ごと保存する方が日持ちしやすいからです。お弁当に入れるときは、汁気をしっかり切ってから入れましょう。
☆下味冷凍も取り入れる
作り置きは、冷蔵保存で2〜3日程度、抗菌作用が高い酢を使った料理や塩漬けなどでも4〜5日程度です。冷蔵保存だけで週の終わりまで持たせるのは難しいので、下味冷凍も取り入れましょう。下味冷凍とは、あらかじめ下味を付けてから冷凍保存することです。しょうゆや味噌などで下味をつけてから冷凍すれば、すでに味が付いているので、解凍後は焼くだけで簡単に調理できます。また、肉や魚を冷凍すると、乾燥や酸化によって冷凍焼けを起こすことがあるものです。下味をつけてから冷凍すれば、冷凍焼けを防げるメリットもあります。下味冷凍の保存期間は1ヵ月ほどなので、そのまま冷凍する場合よりやや長持ちします。下味冷凍しておけば、朝冷蔵庫に移して解凍し、夜は焼くだけで夕食の完成です。週の前半は作り置き、週の後半は下味冷凍のようにすれば、平日の料理をかなり時短できるでしょう。
☆しっかり冷ましてから容器に蓋をする
料理はしっかり冷ましてから容器に入れ、蓋をしましょう。熱い料理を冷まさずに容器に入れて蓋をすると、容器に水滴がついてしまい、菌が繁殖する原因になってしまいます。また、熱いまま冷蔵庫に入れると庫内の温度が上がり、他の食品が傷む恐れがあります。料理が完成したら、できるだけ手早く冷ますことがポイントです。早く冷ましたいときは、金属トレーや大きなお皿に平たく広げておくのがコツです。また、料理を移した保存容器を保冷剤の上に置いておく方法もおすすめです。
☆容器にラベルを貼っておく
作り置きを入れた保存容器に、作った日付や料理名、いつまでに食べたらいいかを書いたラベルを貼っておきましょう。ラベルを貼っておけば、どれを早めに食べた方がいいか一目でわかるので、傷む前に食べられます。マスキングテープは剥がしやすいので、保存容器のラベルに使いやすいでしょう。作り置きは2〜3日で食べ切った方がいいものもあれば、4〜5日持つものもあります。ラベルを貼っておくことで、どれを先に食べるのがいいのか家族にもわかりやすいでしょう。