ご近所と良い関係を築き、気持ちよく暮らしていくためにも、最初のあいさつは肝心です。引っ越しあいさつは、これといったルールはありませんが、最低限のマナーや基礎知識を知り、最適なタイミングであいさつができるようにしましょう。
○どこまであいさつをするのか
引っ越しあいさつをする場合、どこまでの範囲であいさつしたらいいのかわからないと思う人も少なくありません。あいさつをしておくべき家と、しておいた方が良い家などの範囲は以下のとおりです。
・敷地が隣接している家
敷地が隣接している両隣と裏側の家には、あいさつしておきましょう。両隣は顔を会わせる機会も多く、裏側に位置する家にも生活音が届きやすいので、迷惑をかける場面も出てきます。できるだけ早めにあいさつしておく方が良いでしょう。
・町内会で同じ班となる家
玄関から真向かいの家とその両隣、裏側の家の両隣は町内会で同じ班になることもあるので、できるだけあいさつしておきましょう。
・自治会長の家
自治会がある地域なら、自治会長の家にもあいさつに出向く方が良いでしょう。自治会長は、地域の情報はもちろん、近隣についても詳しいため、「この家にはあいさつに行った方がいい」とアドバイスしてくれることもあります。世話好きな人が多いので、何かわからないことがあれば、相談にものってもらえます。
・新しい小規模な住宅地の場合
最近では、市街地にある古い家屋を取り壊し、新しい住宅地として開発されたところがあります。このような住宅地の場合、分譲地の数が数軒程度とそれほど多くありません。新しく引っ越して来た人たちは、これまで築かれたコミュニティの中で新生活を始めるため、お互いに情報交換することも多くなるでしょう。こうした住宅地の場合は、できれば住宅地のすべての家にあいさつをしておくようにしましょう。
○あいさつのタイミング
あいさつは、引っ越しの数日前から前日までに済ませておきましょう。引っ越しの際には、引っ越し業者の大型車両が搬入のために道路を占有し、人が頻繁に出入りするので、近隣に迷惑をかけることになります。学校への通学路となっている場合や、車通勤で交通量が増える時間帯となることもあるため、あいさつ時に確認しておきましょう。遠方からの転居で事前にあいさつができない場合は、当日か翌日にはあいさつを済ませるようにしましょう。あいさつのタイミングが遅くなれば、その分、行きづらくもなるため、遅くても引っ越し後1週間以内を目安とします。
・あいさつ時に伝えること
まずは、家族の名前と家族構成を伝えます。小さな子どもや赤ちゃん、ペットがいる場合は、事前に伝えておくことで、相手も受け入れ体制ができるため、泣き声による騒音トラブルなどを回避しやすくなります。引っ越し前にあいさつする場合は、引っ越し日程を伝えておきましょう。引っ越し業者名はもちろん、車両台数や搬入開始時間、所要時間、スタッフ人数などを書面に記載して手渡しておくと、その場にいなかった家族の人にも伝わりやすくなります。
・あいさつをする人数や時間帯
あいさつする時間帯は、平日の午前10時から午後5時までを目安に、食事の時間帯などは避けて訪ねるようにしましょう。土曜日や日祝日などは、午前中の時間帯は避ける方が無難です。初めてのあいさつのため、できれば家族全員がそろっている方が望ましいです。
・あいさつ時の服装や言葉遣い
あいさつに訪れる際には、清潔感のある服装を心掛けましょう。目安としては「オフィスカジュアル」です。ジーンズやスゥエットなどは避けるようにします。玄関先であったとしても、他のお宅の敷地に立ち入ることになるので、玄関先を汚さないように、靴の泥などがついていないか確認してから敷地に入るように気を付けましょう。言葉遣いや話し方は、できるだけ丁寧にあいさつするようにします。普段、声が小さくて聞き取りづらかったり早口になりがちだったりする方は、相手にきちんと伝わるように、ゆっくり話すように心掛けましょう。
○不在だった場合の対応
あいさつに行ったお宅が不在だった場合は、日を改めて訪れるようにします。2〜3回訪ねても不在の場合は、事前に手紙を用意しておき、ポストに投函しておくと良いでしょう。名前と引っ越してきた日、引っ越し作業時の不便のお詫びと手紙であいさつすることの非礼のお詫びをします。持参した手土産は持ち帰り、あらためて持参するようにしましょう。