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2023/05/30
住まい
#戸建維持費 #マンション維持費

戸建住宅の維持費は年間いくら?
維持費を抑える方法やマンションとの違い、購入する際のポイントを解説!

マイホームを購入する際に、意外に見落としがちなのが住宅の維持費です。いざ暮らし始めてみると、思ったより維持費が掛かってしまうこともあります。

今回は、戸建住宅の維持費について、内訳や安く抑える方法、マンションとの違い、マイホームを購入する際のポイントについてご紹介いたします。

戸建住宅の維持費は年間いくら?<br />
維持費を抑える方法やマンションとの違い、購入する際のポイントを解説!

■マイホームの維持費はいくら掛かる?戸建住宅の維持費について

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マイホームを購入すると、毎月支払う住宅ローンのほか、税金や保険料、メンテナンス費用などが必要となります。まずは、マイホームの維持費の内訳について解説します。

 

①税金

マイホーム購入後に掛かる税金には、固定資産税のほか、住んでいる地域によっては都市計画税が掛かります。税額は、土地や家などの固定資産の評価額に対して税率を掛けて算出され、毎年4〜6月頃に、対象となる納税者に通知書が送付されます。通常は、年4回に分けて納付します。

 

(固定資産税)

土地や家などの固定資産には、毎年固定資産税が掛かります。固定資産税は、所有する資産の評価額によって異なりますが、評価額は、国や自治体の調査によって算出された土地の価値に基づいて決まります。固定資産税額は、住んでいる地域、土地や家の大きさ、築年数によっても異なりますが、月1〜2万円(年間10〜20万円)程度が相場のようです。

 

(都市計画税)

都市計画税は、道路や公園、水道やゴミ処理施設の建設といった都市計画事業などを行うために徴収される税金です。家を持っているすべての人が支払うのではなく、「市街化地域」に土地や家を持っている人が該当し、都市計画税を支払うことになります。都市計画税の相場は、年2〜3万円程度です。購入を検討している土地や家が、「市街化地域」に該当するかどうかは、インターネットや自治体の窓口などで調べられます。

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②修繕費用

戸建住宅にはライフサイクルがあり、定期的に補修やメンテナンスが必要となる場合があります。修繕費用とは、こうした補修やメンテナンスに掛かる費用のことです。家のライフサイクルと費用の目安は以下のとおりです。あくまでも目安ですので、実際のケースとは異なる場合があります。

●キッチン:10〜15年/60〜90万円

● 浴室:20年/70〜90万円

●洗面台:10〜15年/20〜30万円

●トイレ:20年/15〜20万円

●給湯器:10年/20〜30万円

●壁紙:5年/40〜50万円

●フローリング:(点検)5年ごと(張替)20年/15〜20万円(6畳あたり)

●屋根・外壁:15年/100〜150万円

●水栓やパッキンなど:5年ごとに点検・メンテナンス/5〜10万円

 

③保険料

保険料は、火災保険に加入する際に支払う費用で、住宅購入時に火災保険に加入するのが一般的です。住宅ローンを利用する場合は、火災保険への加入が必須条件です。保険料は、加入する保険会社や補償内容により異なります。必要に応じて、建物内の家電や衣服、生活に必要なものを補償してくれる家財保険や、地震や噴火、津波などが原因となって発生する損害を補償してくれる地震保険などを付随できます。相場としては、10年補償で10万円前後。家財保険や地震保険を付随することで補償内容は広がりますが、その分保険料の負担も変わってきます。


■マイホームの維持費を安く抑える方法

戸建住宅の維持費の目安は、年間30〜40万円程度と言われていますが、維持費は、工夫次第では安く抑えることができます。

 

<方法① 税金の控除を利用する>

家の広さや築年数に応じて税金控除を受けられます。購入した家が新築かつ床面積が50〜280㎡の場合は、新築されてから3年、さらに耐久性・安全性等の住宅性能が一定基準を満たすと認定される「認定長期優良住宅」の場合は5年、税額が減額されます。既存住宅の場合は、バリアフリー改修や省エネ改修、耐震改修を行うと税金控除を受けられます

固定資産税の軽減措置を受けるには、申告手続きを行う必要があります。利用する軽減措置によって申告期限が異なるので、遅れないようにしっかり確認しましょう。

 

<方法② 保険料の比較・見直しを検討する>

火災保険に加入する際、住宅購入時に不動産会社などから勧められた保険に入ることも少なくありません。保険の補償内容をよく見てみると、「これは必要ないのでは?」と思う項目もあるため、定期的な見直しが必要です。複数の保険会社にプランを出してもらい比較検討することで、保険料を抑えることもできます。

 

<方法③ 建物の点検やメンテナンスをこまめに行う>

家にはライフサイクルがあり、補修やメンテナンスが必要となる場合があります。「特に故障もしていないし、メンテナンスをすれば費用も掛かってしまうし……」と、そのままにしておくと、目に見えないところで劣化が進んでいることがあります。そうすると、補修やリフォームの際に予想以上に費用が掛かってしまうケースもあります。建物の点検やメンテナンスをこまめに行うことで、大切な建物を長期に渡り良い状態で保つことができ、費用を抑えることにもつながります。

 

<方法④ 省エネシステムやアイテムなどを活用する>

毎月掛かる費用には、住宅ローンのほかに光熱費などのランニングコストも含まれます。住宅を購入する際には、高気密高断熱といった住宅性能に優れた家を選ぶことで、毎月の光熱費が大きく変わる傾向があります。省エネシステムやアイテムを用いることで、光熱費を抑えることができます。

例えば、浴室は、家の中でもっとも多くのお湯を使う場所です。浴槽を保温効果の高いものにしたり、節水できるシャワー水栓を用いることで、使用する湯量が少なくなり省エネにつながります。この他にも、トイレを節水タイプにしたり、節電タイプの温水便座にすることで、使用する水や消費電力を抑えられるでしょう。また、熱の出入りの大きい窓には、遮熱シートを貼るなどの工夫をするだけでも省エネにつながります。


■戸建住宅とマンションの維持費

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戸建住宅とマンションでは、維持費が異なります。税金や保険料は、戸建住宅とマンションどちらも掛かりますが、マンションの場合は、管理費や修繕積立金、駐車場代などが固定費用として毎月必要となります。戸建住宅とマンションの維持費の違いは以下のとおりです。

 

<固定資産税>

固定資産税については、マンションの方が戸建住宅より高くなる傾向があります。マンションの構造は、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造が多く、駅前などの立地条件から資産価値が高いとみなされているためです。

 

<保険料>

保険料については、防火性の高い鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造のマンションの方が戸建住宅より安くなります。

 

<修繕・メンテナンス費用など>

マンションの場合は、管理費や修繕積立金、駐車場代などが毎月必要ですが、戸建住宅では、こうした費用が掛かるわけではありません。戸建住宅の場合、毎月の管理費や修繕積立金などは掛かりませんが、予め補修費用を準備しておくと安心です。

 

◎戸建住宅とマンションの維持費はどちらが得?

マンションの場合は、管理費や修繕積立金、駐車場代等が毎月掛かりますが、戸建住宅の場合は、補修やメンテナンス、リフォームの際には費用が掛かります。そのため、仮に30年間住み続けた場合、一般的にはマンションの方が戸建住宅より高くなる傾向があると言われています。


■マイホームを検討する際のポイント

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マイホームを購入する際には、土地代や建物費用のほか諸経費が必要です。こうした費用のほか、住み始めた後に掛かる固定資産税などの税金や火災保険費用、建物のメンテナンス費用などの維持費、光熱費などのランニングコストを念頭に置いて、資金計画を考えていかなければなりません。念願のマイホームを手に入れた後に、住宅ローンだけでなく、維持費やランニングコストの家計への負担が大きくなってしまうと、日々の生活にストレスを抱えることにも成りかねません。毎月支払う住宅ローンのほか、こうした維持費やランニングコストについても、購入前にしっかりと検討するようにしましょう。維持費やランニングコストを抑えるためには、住宅の省エネ性能も重要なポイントです。

 

①  光熱費を抑えるために住宅の省エネ性能を考える

気密性や断熱性といった住宅性能によって、毎月支払う光熱費に大きな差が出てきます。省エネ住宅で日々快適に過ごしながら、光熱費を抑えられる住宅性能についてしっかりと検討していく必要があります。最近では、一年間のエネルギー収支を実質ゼロ以下にする「ZEH」の家や、優れた気密性や断熱性能によって、一年を通じて家庭用エアコン1台で快適に過ごすことができる「高気密高断熱」の家など、さまざまな住宅ラインナップが登場しています。

こうした省エネ性能について、それぞれのライフスタイルに合わせて考えることも光熱費を抑えるためには必要です。

 

②  耐久性やメンテナンスを考える

戸建住宅の場合、耐久性が高く、メンテナンスがあまり必要のない素材などを用いることで、住宅の補修やリフォーム費用を抑えることができます。

 

③  マイホームを検討する際は維持費のシミュレーションも忘れずに!

マイホームの購入を検討する際には、住宅ローンの支払額だけでなく、維持費や毎月掛かるランニングコストについても、しっかりとシミュレーションをしておくようにしましょう。


■まとめ

マイホームの購入を考える際は、どうしても土地代や建物費用、建設費用などの初期費用だけを比較・検討しがちです。いざ暮らし始めてみると、維持費や毎月の光熱費が予想以上に掛かってしまうことがあります。マイホームを購入する際は、初期費用や諸経費、入居後に必要となる維持費やランニングコストなども踏まえて、しっかりとシミュレーションするようにしましょう。