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2023/07/25
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#睡眠 #疲労回復

睡眠の質を上げる方法10選!
原因やコツを知って質の高い睡眠を取ろう

「朝起きても疲れが取れない」「夜中に何度も目が覚める」といった睡眠の悩みを持つ人は少なくありません。睡眠は心身の疲労を回復するため、睡眠不足や睡眠の質の低下は健康へ悪影響を及ぼす恐れがあります。睡眠の質が下がると日常生活にも支障をきたすため、質の高い睡眠を取るようにしましょう。

本記事では、睡眠の質が下がる原因や質の高い睡眠を取る方法を解説します。睡眠に関する悩みをお持ちの人は、ぜひ参考にしてください。

睡眠の質を上げる方法10選!<br />
原因やコツを知って質の高い睡眠を取ろう

■睡眠の質が下がる原因とは?

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睡眠の質が下がると、早く寝床に就いたとしても心身の疲れを回復できません。集中力や判断力が低下するため、日常生活に支障をきたす恐れもあります。睡眠の質が下がる主な原因は次の3つです。

 

◎生活習慣

質の高い睡眠は、規則正しい睡眠習慣がもたらします。体には体内時計があり、ホルモンの活動や生理的な活動を調節して睡眠に備えています。週末に夜更かししたり、朝遅くまで寝ていたりすると、体内時計が乱れて睡眠の質が下がってしまうのです。

また、寝る前までスマホを見る習慣も睡眠の質が低下する原因の一つです。スマホから発せられるブルーライトは、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌に影響を与えます。メラトニンは体を覚醒した状態から睡眠へと切り替える働きがあり、暗くなる夜間に分泌量が増えます。寝る前までスマホを見てブルーライトを浴びていると、メラトニンの分泌が抑制されるため、寝つきが悪くなってしまうのです。

また、寝る前のカフェイン摂取や飲酒も睡眠の質を低下させる原因です。お酒を飲むと早く寝つけるため、寝酒が習慣になっている人もいらっしゃるでしょう。アルコールの入眠作用は3時間程度で切れます。その後は代謝されてできるアセトアルデヒドの覚醒作用で、浅い眠りが増えてしまいます。アルコールは睡眠の質を低下させるため、寝る前の飲酒はやめておきましょう。

 

◎ストレス

ストレスも睡眠の質を低下させる原因です。普通であれば日中は交感神経が優位に、就寝時は副交感神経が優位に働くものです。しかし、ストレスが原因で自律神経のバランスを崩すと、交感神経が働いて眠れなくなったり睡眠の質を下げたりする原因になります。眠れないからといって「早く寝なきゃ」と焦るとそれがストレスになり、ますます眠れなくなってしまいます。

 

◎寝室の環境

寝室の環境が快適な睡眠を妨げることがあります。暑すぎたり寒すぎたりする部屋では睡眠の質が低下します。明るさや騒音も快眠の妨げになるので、窓の外の光や騒音が気になるときは、遮光カーテンや防音カーテンをつけたほうがよいでしょう。


■睡眠の質を上げる方法10選

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寝つきがよく、朝までぐっすり眠れて、寝起きはすっきり目覚められるのが質の良い睡眠です。ここからは、睡眠の質を上げる方法をご紹介します。

 

1.毎日同じ時刻に起きる

体には体内時計があり、日中は活動モード、夜間は休息モードに切り替わるようリズムをつくっています。しかし、生活が不規則だと体内時計が乱れるため、睡眠の悩みを引き起こしてしまうのです。

睡眠の質を上げるためには、就寝時間と起床時間を毎日一定にしましょう。夜更かししたり、休日に昼まで寝ていたりしては、体内時計の乱れにつながります。平日も休日も就寝時間と起床時間をずらさないようにしましょう。

 

2.眠れないときはリラックスする

就寝の2〜3時間前の時間帯は、一日の中でも寝つきにくい時間帯といわれています。不眠の悩みを持つ人は、睡眠時間を気にして早めに寝床に就こうとする傾向がありますが、かえって寝つきが悪くなります。

「今日は眠れるだろうか」と不安に思うと緊張が高まり、ますます眠れなくなるものです。眠れないときは、いったん寝床から出て本を読んだり音楽を聴いたりしてリラックスして、眠気を覚えてから寝床に就きましょう。

 

3.昼寝し過ぎない

昼寝のし過ぎも体内時計の乱れにつながるので注意が必要です。午後の眠気には短時間の昼寝が有効ですが、30分以内にしておきましょう。

 

4.睡眠に適した環境づくりをする

寝室の温度や湿度は寝つきや睡眠の深さに影響します。寝室に適した室温の目安は、夏が25〜28℃、冬が18〜22℃で、湿度は50〜60%です。寝具は吸湿性や放湿性が良いものを選びましょう。

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5.太陽の光を浴びる

別名「幸せホルモン」と呼ばれる「セロトニン」は、太陽の光を浴びると活性化します。セロトニンは睡眠ホルモン「メラトニン」を分泌するための材料となるため、睡眠の質を上げるためにはセロトニンを日中にたくさんつくっておくことが大切です。

セロトニンがつくられるのは朝から日中にかけてなので、午前中は太陽の光をたっぷり浴びましょう。朝日を浴びると体内時計がリセットされるため、夜になると自然と眠気が訪れます。

 

6.就寝の1時間前までには入浴を済ませる

睡眠時は深部体温が1度下がります。手足など体の表面から熱を放散して、体内の体温を下げていくときに眠気を感じるのです。

入眠の準備には、入浴が効果的です。ぬるめの湯船につかって体を温めると副交感神経が優位になってリラックスできます。血行が良くなって体の表面が温まると、入浴後に熱を放出して体温が下がりやすくなります。就寝の1〜2時間前に入浴すると、ちょうどよいタイミングで深部体温が下がるため、寝つきが良くなるでしょう。

 

7.就寝の3時間前までに食事を済ませる

食べ物を消化するまでには3時間ほどかかります。夕食から就寝までの時間が短いと、体は消化を優先するため、内臓の休息時間が短くなることで眠りが浅くなります。快眠のためには早めの夕食が理想的です。就寝の3時間前までには食事を済ませておきましょう。夕食の時間が遅くなる場合は、消化の良いものを少量食べるのがおすすめです。

 

8.就寝の3時間くらい前に軽く運動する

軽い運動は体の緊張を解きほぐすため、睡眠の質を向上させます。ウォーキングなど無理なくできる運動を習慣にしましょう。就寝の3時間くらい前に運動して脳の温度を上げると、就寝時は脳温が低下するので快眠につながります。ただし、寝る直前に運動すると体が興奮状態になるため、直前の運動は避けましょう。

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9.就寝1時間前からはスマホを見ない

スマホやパソコンのブルーライトは睡眠ホルモンのメラトニンの分泌に影響するため、睡眠の質を低下させてしまいます。就寝1時間前からはスマホを見ないようにしましょう。

 

10.夕方以降のカフェインは控える

カフェインには覚醒作用があります。カフェインの血中濃度は摂取後30分〜2時間程度で最大になり、半減するのに2〜8時間かかるといわれています。個人差はありますが、カフェイン摂取がスムーズな入眠を阻害することがあるため、できるだけ夕方以降は控えておきましょう。

カフェインを含む飲み物にはコーヒー、紅茶、玉露、煎茶、ほうじ茶、烏龍茶などがあります。また、チョコレートもカフェインを含むため、夜は食べ過ぎないように注意したほうがよいでしょう。夜の飲み物は麦茶、ルイボスティーなど、カフェインを含まない飲み物がおすすめです。コーヒーを飲む習慣がある人は、デカフェにしておきましょう。


■「終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)」をするのもひとつの手段

睡眠の質が低下しているのは、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害を抱えている恐れもあります。睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に何度も息が止まる病気です。呼吸が止まると血液中の酸素濃度が低下するため、目が覚めて再び呼吸します。しかし、眠るとまた呼吸が止まるということを繰り返すため、深い睡眠が取れません。

【参考】厚生労働省「e-ヘルスネット

 

家族から酷いいびきや無呼吸を指摘されたり、日中の眠気が酷かったりする人は、睡眠時無呼吸症候群の疑いがあるので専門医療機関の受診を検討しましょう。

「終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)」とは、1泊入院して睡眠時無呼吸症候群の重症度や原因、治療法を調べる検査です。睡眠中の脳波、眼球運動、血液中の酸素量、心電図、気管内の空気の流れ、眼やあごの筋肉の動き、胸部や腹部の動きなどを調べるためにセンサーを装着して一晩中記録します。

この検査は眠らないとできないため、当日は昼寝しないようにしておきましょう。夕方以降はカフェインを含む飲料を控えておく必要があります。解析に時間を要するため、通常は次回診察日に結果や今後の治療法が伝えられます。症状に合った治療を受けるためにも、睡眠時無呼吸症候群が疑われるときは早めに受診しましょう。


■まとめ:睡眠の質を上げて快適な毎日を送ろう!

睡眠で大切なのは時間より質といわれます。毎日を生き生きと快適に過ごすには、睡眠の質を上げることが大切です。質の高い睡眠を得るには、食事や入浴の時間、寝室の環境や寝る前の過ごし方などが関係しています。

午前中にしっかりと太陽の光を浴びて、体内時計をリセットすることも快眠を得るためのポイントです。休日だからといって昼ごろまで寝ていたり、長時間の昼寝をしたりすると体内時計が崩れて寝つきが悪くなるため、普段と変わらない時間に起きましょう。

早めに布団に入っても疲れが抜けない人や、寝つきが悪くて困っている人は、本記事でご紹介した睡眠の質を上げる方法を試してみてください。