睡眠の質が下がると、早く寝床に就いたとしても心身の疲れを回復できません。集中力や判断力が低下するため、日常生活に支障をきたす恐れもあります。睡眠の質が下がる主な原因は次の3つです。
◎生活習慣
質の高い睡眠は、規則正しい睡眠習慣がもたらします。体には体内時計があり、ホルモンの活動や生理的な活動を調節して睡眠に備えています。週末に夜更かししたり、朝遅くまで寝ていたりすると、体内時計が乱れて睡眠の質が下がってしまうのです。
また、寝る前までスマホを見る習慣も睡眠の質が低下する原因の一つです。スマホから発せられるブルーライトは、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌に影響を与えます。メラトニンは体を覚醒した状態から睡眠へと切り替える働きがあり、暗くなる夜間に分泌量が増えます。寝る前までスマホを見てブルーライトを浴びていると、メラトニンの分泌が抑制されるため、寝つきが悪くなってしまうのです。
また、寝る前のカフェイン摂取や飲酒も睡眠の質を低下させる原因です。お酒を飲むと早く寝つけるため、寝酒が習慣になっている人もいらっしゃるでしょう。アルコールの入眠作用は3時間程度で切れます。その後は代謝されてできるアセトアルデヒドの覚醒作用で、浅い眠りが増えてしまいます。アルコールは睡眠の質を低下させるため、寝る前の飲酒はやめておきましょう。
◎ストレス
ストレスも睡眠の質を低下させる原因です。普通であれば日中は交感神経が優位に、就寝時は副交感神経が優位に働くものです。しかし、ストレスが原因で自律神経のバランスを崩すと、交感神経が働いて眠れなくなったり睡眠の質を下げたりする原因になります。眠れないからといって「早く寝なきゃ」と焦るとそれがストレスになり、ますます眠れなくなってしまいます。
◎寝室の環境
寝室の環境が快適な睡眠を妨げることがあります。暑すぎたり寒すぎたりする部屋では睡眠の質が低下します。明るさや騒音も快眠の妨げになるので、窓の外の光や騒音が気になるときは、遮光カーテンや防音カーテンをつけたほうがよいでしょう。