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2023/09/10
住まい
#間取り #注文住宅

注文住宅の間取りはどう決める?
間取りの決め方を解説

注文住宅は、既に間取りが決まっている分譲建売住宅や分譲マンションとは異なり、間取りを自由に決められるのがメリットです。しかし、いざ注文住宅を建てようと考えた時に、「どのような間取りが最良なのかよくわからない」と、悩む人も多いはずです。

ここでは、間取りの重要性や注文住宅の間取りを決める際のポイント、間取りを決める流れについてご紹介します。

注文住宅の間取りはどう決める?<br />
間取りの決め方を解説

■間取りの重要性

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注文住宅は、間取りによって、生活動線など暮らし方が大きく変わります。念願の注文住宅を建てたにもかかわらず、なんだか暮らしにくい……と感じる人は少なくありません。こうした暮らしにくさの原因の一つとして、間取りの失敗が挙げられます。

例えば、洗濯機が置いてある場所と洗濯物干し場が離れていると、洗濯した物や乾かした物を持って何度も移動することになり、ムダな労力を使うことになってしまいます。

「洗濯機は浴室横の洗面スペース、洗濯物干し場は日当たりのよい2階のベランダ」と、なんとなくイメージで間取りを考えてしまうと、移動だけで毎日の家事ストレスが増えることになるかもしれません。「暮らしやすさは間取りで決まる」といっても過言ではありません

 

◎間取りによって暮らしやすさが変わる

間取りを工夫することで、ストレスフリーで快適な毎日を過ごすことができます。例えば、洗濯機置き場と洗濯物干し場を近くに配置するとします。

① 洗濯物を選別し、洗濯機に入れる

② 洗濯機を回す

③ 洗濯機から洗濯物を取り出す

④ 洗濯物を干す

⑤ 乾いた衣類を取り込む

このように作業がスムーズになり、家事の時短につながります。洗濯をはじめ、毎日の家事や家での行動を考えて間取りを決めることで、暮らしやすさは格段に向上するでしょう。

 

◎間取りはライフスタイルで変化する

家事や家での行動は、家族の構成や年齢などによって異なります。こうしたライフスタイルの変化は、間取りにも影響を及ぼします

例えば、子どもがまだ幼いころは、両親と一緒に遊んだり、就寝したりすることが多いため、専用の部屋は必要ない方も多いでしょう。しかし、子どもの成長とともに、それぞれのプライベートスペースを用意する必要が出てきます。その後、子どもが独立すると、夫婦二人だけの生活となり子ども部屋は必要なくなるでしょう。このように、家族構成や年齢といったライフスタイルによって、求められる間取りも変化します。

注文住宅を建てる際には、新築時の家族構成だけではなく、将来的なライフスタイルも考慮して、間取りを考えることも大切です。


■注文住宅の間取りを決める際のポイント

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注文住宅の間取りを決める際のポイントは、以下のとおりです。

 

<動線>

間取りを考える上で重要なポイントの一つは、家の中での動線です。動線には、家事動線、生活動線、来客動線があります。

 

①  家事動線

「家事動線」とは、家事をする際に移動する経路のことです。この動線が長いと、移動のための時間が余計にかかるため、家事がしづらくなります。

2022年7月に実施された『第7回全国家族動向調査』によると、30歳以上の妻の場合、全体のおよそ2割が平⽇の家事時間が 6 時間を超えていることがわかりました。この結果から、毎日の家事のために長時間を費やしていることがわかります。

こうした家事時間を短縮し、家事ストレスを軽減するためには、家事動線を配慮した間取りづくりはとても重要です。

【参考】国立社会保障・人口問題研究所 2022年社会保障・⼈⼝問題基本調査第7回全国家族動向調査 結果概要 国立社会保障・人口問題研究所

 

②  生活動線

「生活動線」とは、生活する上で、家の中を移動する際の経路のことです。朝起きて顔を洗う、トイレに行く、食事をする、外出する、帰宅する、入浴をする……といった生活に欠かすことのできない行動をするために、家族は家の中を移動します。

例えば、朝起きてからの行動を考えてみます。

①       寝室から洗面室やトイレに移動

②       トイレをしたり、顔を洗ったりする

③       部屋に戻って洋服を着替える

④       ダイニングで朝食をとる

⑤       部屋に戻って、身支度を整えるなどの準備をする

⑥       玄関で靴を履いて出かける

短時間の中で、部屋を行ったり来たりしていることがわかります。生活動線を工夫すると、室内をスムーズに移動できるため、朝の身支度などの時間短縮につながります。

このように、生活動線を工夫すると、ムダな時間が短縮でき、毎日に余裕が生まれるでしょう

 

③  来客動線

来客動線とは、家で暮らしている家族以外のお客さまが訪れた際に通る経路のことです。家には、友人やご近所の人、一緒に暮らしていない両親や兄弟姉妹家族が遊びにくることがあります。例えば、玄関からリビングなどに来客を招き入れた際に、キッチンや寝室などが丸見えになったり、トイレを来客が使用する際に、室内干しをしている洗濯物や脱いだままの衣類が見えてしまったり、といった間取りの場合、お互いに気まずい思いをしてしまうことは少なくありません。また、両親や兄弟姉妹家族が泊りがけで遊びに来た際に、トイレと浴室の脱衣スペースが近く、誰かが入浴しているとトイレに行きづらい、というシーンもあります。

間取りを考える際には、家事動線や生活動線だけでなく、来客動線もしっかりと考えておく必要があります

 

<採光・通風>

家を建てる際に、もっとも注意したいのが採光や通風です。明るく、風通しの良い室内ではとても快適に過ごせます。しかし、日当たりの良すぎる部屋は、真夏に室温が上昇しやすく、室温が下がりにくい、というデメリットがあります。また、一方向にだけ窓を大きく開いた間取りは、風通しが悪くなりがちで、湿気がこもりやすく、カビやダニなどが発生しやすくなりがちです。

間取りを考える際には、敷地の方位や周辺の建物を考慮し、採光や通風についても、しっかりと検討する必要があります。

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<プライバシーの確保>

快適に心地よく暮らすためには、プライバシーの確保は重要です

 

①  外部環境からのプライバシーの確保

外部から家の中が見えてしまう……というのは、やはり落ち着かないものです。カーテンなどで外部からの視界を遮ることはできますが、できれば、道路や周辺の建物から家の中が見えないような間取りにすることで、安心して暮らせます。

 

②  家族間のプライバシーの確保

家族間でも、お互いのプライバシーは尊重したい、と考える人は少なくありません。コロナ禍以降、在宅勤務のため家の中でも静かに集中して作業ができるスペースを設けたい、と考える人も増えています。

それぞれの個室を設けることも一つの方法です。しかし、限られた敷地の中で個室が多くなると、それぞれの占有空間が狭くなるだけでなく、家族がお互いの気配を感じづらくもなります。

家族がそれぞれにほどよい距離感を保ちながら、お互いの気配を感じながら暮らすことのできる間取りを工夫することが、毎日の暮らしの中では必要です。

 

<部屋数を優先しない>

間取りを考える時に、まずは部屋数を決める、という人も少なくありません。例えば、夫婦二人と子ども二人の四人家族の場合、夫婦の寝室と子ども部屋が二つで、LDKに浴室やトイレということから「3LDKに決まり!」と、部屋数を決めてしまいがちです。

ただ、子どもが小さい間や、子どもの独立後は、子ども部屋は不要になる方も多いでしょう。また、来客が多ければ、リビングだけでなく、来客用のスペースも必要になるかもしれませんし、さらに、将来的に高齢になった両親と同居する可能性もあるかもしれません。

そのため、部屋数を優先するのではなく、今の暮らし方や将来的なライフスタイルのことまでしっかりと考えて、間取りを決めるのが良いでしょう。


■注文住宅の間取りを決める流れ

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ここでは、注文住宅の間取りを決める流れについて解説します。

 

【Step1】ライフスタイルを見つめ直し、家族で希望をしっかり話し合う

間取りを決定する一番の要素は、そこに暮らす家族のライフスタイルです。家族構成や年齢はもちろん、毎日、家の中ではどのように過ごしているのか、などを見直します。

「家でどう過ごしているのか、よくわからない」という場合は、家族それぞれが朝起きてから寝るまでの行動を紙にまとめてみると良いでしょう。家族の希望をまとめることで、今住んでいる家での不満点がわかり、より具体的な希望内容が見えてきます。

例えば、広いキッチンが欲しい、という希望があったとします。ただ「広い」というだけでなく、具体的に「どのような」キッチンが良いのかを考えて、今のキッチンの不満点を挙げていきましょう。

・今使っているキッチンは作業スペースが狭く、使用中のお鍋やボウルをダイニングテーブルに一時置きしなければならない

・収納スペースが小さいため、調味料や調理小物がキッチンの上に出しっぱなしになっている

 

上記のような不満点が挙がれば家族にとって必要なキッチンは、「収納力と作業スペースのあるキッチン」となります。また、「キッチンが狭くて、夫婦が並んで作業ができない」という不満なら、大人二人以上が並んで作業ができる空間と動線のあるキッチンとなるでしょう。このように、現状と希望を具体的にまとめて、家族でしっかりと話し合いをしてください。

この他にも、趣味の部屋が欲しい、将来的にはサロンを開きたい、子どもと並んで使えるスタディスペースが欲しい……などの希望についてもまとめておくと良いでしょう。

 

【Step2】事前に情報を収集する

家族の希望がまとまってきたら、情報を集めましょう。最近は、インターネットで多くの情報を得ることができるだけでなく、間取りプランをウェブ上で作成できるハウスメーカーもあります。この他にも、住宅情報誌や建築雑誌、実際に家を建てた人の感想なども参考となるでしょう。

また、モデルハウスや住宅展示場などを見学に行くのはおススメの方法です。実際の家を見ることで、より具体的に間取りをイメージできます。さらに、専門家に相談できるため、より多くの情報を得ることができるでしょう。

 

【Step3】用途ごとに大まかにゾーニングする

情報を収集し、具体的な間取りがイメージできたら、間取りを考えていきます。まずは希望する空間を大まかにゾーニングします。

例えば、1階はLDKや浴室など、家族が使うパブリックスペースとして、2階はそれぞれの個室があるプライベートスペースにする、というのがよくあるゾーニングです。

 

【Step4】細かい間取りを考える

大まかなゾーニングができたら、細かい間取りを考えましょう。

 

①  動線を考慮する

間取りを決める上で、動線を考えることはとても重要です。家事動線や生活動線、来客動線を考慮して、間取りを決めます

最近人気なのは、浴室と洗面スペース、キッチンを一直線に配置するゾーニングです。料理や後片付けをしながら洗濯をしたり、入浴後の子どもの着替えを手伝ったりする際に、スムーズに移動ができるメリットがあります。

この他、外出から帰った際の行動を考えて、間取りを決めることも少なくありません。玄関に、ベビーカーを置けるスペースやコート、鞄などをかけておく場所を作る。外出から帰ったら、すぐに手洗いなどができるように洗面台をつくるなど。また、玄関から洗面まで、リビングなどを通らずに出入りできる間取りなども増えています。このように家事や毎日の行動から間取りを考えると、暮らしがとても便利なものになります。

家を建てる敷地条件から、外部からの視界、採光や通風も考慮して、玄関や窓などの位置を決める必要もあります。

 

②  ライフスタイルの変化を考慮する

ライフスタイルは、家族構成や年齢などにより変化し、家もそれに伴い変化する必要があります。子どもの成長や独立、将来、高齢となった時の暮らし方なども考慮し、間取りを考えていくとよいでしょう

例えば、子ども部屋などは、子どもが幼いころは、プレイスペースとして使えるひと続きの大きな空間としておき、成長とともに、間仕切りで個室にできるフレキシブルなスペースにしておくというのも一つの方法です。子どもが独立した際には、間仕切りをなくして、広々とした空間に戻すことも可能となり、趣味スペースとして、また、子どもに家族ができた際には、遊びに来た孫たちのプレイスペースとしても活用することができます。

間取りを考える際には、現状だけではなく、将来的な暮らし方についてもしっかりと検討し、どのような空間づくりにするのかを決めておくと良いでしょう。

 

【Step5】収納スペースを考える

間取りがある程度決まったら、収納スペースについて考えます。家は長く暮らすほど、物が増えていくものです。そのため、収納スペースは十分確保する必要があります

「部屋の面積を大きくしたいし、いらないものはすぐに捨てればいい」と、収納スペースをできるだけ小さくする人も少なくありません。しかし、結局はモノが増え、収納に収まり切れずに、収納家具を購入して部屋に置くことになりがちです。

こうした収納家具が増えれば、部屋が狭くなってしまうだけでなく、移動の際に邪魔になったり、地震などの災害の際には転倒する危険性もあります。

収納スペースを十分にとることで、長く暮らしていても、部屋にモノがあふれることなく、スッキリと生活することができます。


■間取りを決める際には専門家に相談を!

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間取りを決める際には、専門家に相談すると良いでしょう。家族のライフスタイルや希望に応じた最適な間取りを提案してくれることはもちろん、これまでの経験などから、家族だけでは思いつかなかったプランも提示してもらえます。

 

☆間取りを考える際には、住宅展示場に行ってみる!

間取りを考える際には、情報収集のために、住宅展示場を訪れるのも一つの方法です。実際の家を体験できるのはもちろん、事前に予約してから見学に行くと、担当者が資料などを用意してより詳しい説明をしてくれるだけでなく、間取りについての相談にも乗ってもらえます。

埼玉県で家の購入を検討しているのなら、ぜひ埼玉総合住宅展示場を訪れてみましょう。家に関する情報収集はもちろん、ご家族と一緒にふらっと立ち寄ってみるのも良いですね!

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■まとめ

注文住宅の間取りを考える際には、家族のライフスタイルや希望だけではなく、「毎日、家でどのように過ごしているのか」といった日々の行動などを考慮する必要があります。

後悔しないための間取りづくりのためには、部屋数を優先して考えるのではなく、家事動線や生活動線など家の中での家族の経路、さらには敷地条件、将来的なライフスタイルの変化なども考慮して、間取りを決めるようにしましょう。