続いて、ベランダのていねいな掃除を場所別にご紹介いたします。
<フェンス(手すり)>
フェンスは水拭きだけで問題ありませんが、幹線道路の近くなどでは排ガスによる油汚れが付くことがあるため、定期的に掃除しましょう。
◇用意するもの
● 雑巾、古い歯ブラシなど
● 重曹(じゅうそう)、小さじ、スプレーボトル、40~60度くらいの湯
● セスキ炭酸ナトリウム(落ちない場合)
◇掃除の手順
油汚れは水拭きだけでは十分に落とせないため、重曹を使いましょう。小さじ1/2杯の重曹を1カップの湯に溶かし、スプレーボトルに入れて吹き付けてから雑巾で汚れを拭き取ります。溝やすき間に入った汚れは、歯ブラシなどでこすり取ってください。
重曹で落ちない場合は、セスキ炭酸ナトリウムがおすすめです。便利なスプレー式のほか、水に溶かして使うタイプもあります。ただし、セスキ炭酸ナトリウムは天然素材やアルミニウムなどに使用できないため、商品の説明書やベランダの素材を確認してから作業してください。
<サッシ(窓枠の部分)>
サッシは、室内よりもベランダに出て掃除する方が簡単です。サッシを掃除すると床に汚れが落ちるため、床の掃除の前に取り組むことをおすすめします。
◇用意するもの
● 古い歯ブラシまたはサッシ用のブラシ
● 掃除機、サッシ用の吸い口(あれば)
● 空のペットボトル容器、水
◇掃除の手順
はじめに、乾いた状態で汚れを取り除きます。歯ブラシまたはサッシ用のブラシか、サッシ用の吸い口を掃除機に取り付けるなどして、溝にたまったホコリや砂などを除去しましょう。次に、少量の水を流しながらブラシで汚れをかき出します。仕上げとして、乾いた雑巾で水分を拭き取ると掃除の跡が目立ちません。なお、アルミニウム製のサッシは、セスキ炭酸ナトリウムの使用を控えてください。
<排水口>
見落としがちなベランダの排水口も、定期的に掃除しましょう。排水設備を共有している集合住宅では、大量の水を流せないので注意してください。
◇用意するもの
● ゴム手袋
● ほうきとちり取り
● 雑巾またはキッチンペーパー
● 古い歯ブラシまたはスポンジ
● 重曹スプレー、セスキ炭酸ナトリウム
● 空のペットボトル容器またはバケツ、水
◇掃除の手順
ゴム手袋を着用し、乾いた状態で排水口のゴミやホコリなどをほうきで集めて処分します。排水口にカバーが付いているときは、ゴミを集めたあとに外してください。雑巾などで排水口の汚れを拭き取り、残った汚れを歯ブラシなどでこすり落とします。こびりついた汚れには、少量の水や重曹スプレーなどを使用しましょう。カバーを外したときは、同様に汚れを落としてから元の位置に戻します。最後に、ペットボトルやバケツから水を流して終了です。
<床>
床はもっとも汚れている部分なため、最後に作業しましょう。集合住宅では水の扱いに注意してください。
◇用意するもの(状況に合わせて)
● ゴム手袋
● ほうきとちり取り
● 雑巾
● 古い歯ブラシ、先端がゴムのブラシなど
● デッキブラシ、高圧洗浄機など
● 重曹スプレー、セスキ炭酸ナトリウム
● 中性洗剤、カビやコケ取り用の薬剤など
● 新聞紙
● 空のペットボトル容器またはバケツ、水
◇掃除の手順
棚やプランター、ウッドパネルなどを置いている場合は、別の場所に移動してから作業を開始してください。ゴム手袋を着用し、乾いた状態のまま床のゴミやホコリなどをほうきで集めて処分します。汚れが気になる場所は、重曹スプレーなどを使用してこすり落としましょう。一戸建てで水を流せる環境であれば、デッキブラシや高圧洗浄機なども使用できます。ただし、いずれも強くこすると床の塗料がはげることがあるため、状況を確認しながら作業しましょう。
コケやカビが発生している場所は、市販の薬剤を使用すると簡単です。熱に弱いコケは湯をかければこすり落とせますが、床の素材を傷めないように温度を調節してから使用してください。室外機の下は、ぬらした新聞紙をちぎったものをほうきで押し込み、ホコリとともにはき出す方法がおすすめです。なお、ウッドパネルは重曹やセスキ炭酸ナトリウムを使用できないため、中性洗剤を水でうすめたものを使って汚れを落としてください。
仕上げとして、集合住宅の床は雑巾で水拭き、一戸建ての床は水拭きまたは水を流して終了です。