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2021/06/27
暮らし

家づくりが始まる「地鎮祭」の基礎知識

土地を確保し新築住宅を建てることが決まったら、その次に準備をするひとつに「地鎮祭(じちんさい)」があります。地鎮祭は、住宅だけでなくビルやマンションなどを建築する際にも執り行われる、安全を祈願する建築前の儀式と言えますが、最近では特に実施しない施主もいるようです。古くから続く伝統儀式としての地鎮祭ですが、なぜ行うのか?また具体的にどんな準備が必要なのか?今回は、家を建てる前に行われる地鎮祭についてご紹介します。

家づくりが始まる「地鎮祭」の基礎知識

地鎮祭とは

地鎮祭とは、住宅を建てる土地を含め周辺の地域を守っている氏神様に、その土地での繁栄と建築工事中の安全を祈願する儀式です。これは古くから建築業界に浸透している慣習ですが、義務ということではないので、施主の考え方で変わってくるものなのです。他にも、住宅建築に関連する儀式のひとつに「上棟式(じょうとうしき)」または「棟上げ式(むねあげしき)」というものもありますが、こちらは工事が棟上げまで完了した時に執り行うもので、ここまで安全に建築工事を進めてくることができたことへの感謝と、引き続き完成までの無事を祈る儀式です。

地鎮祭はやっぱり大安が一番

では具体的に地鎮祭のやり方についてご紹介します。一般的には、その地域の氏神様を祭る神社の神主さんに来てもらうケースが多いようです。地元の神社や神主さんの手配については、ハウスメーカーの担当者と相談するといいでしょう。実施日については、結婚式と同様、吉日とされている「大安、友引、先勝」の午前中に行うのが良く、逆に「仏滅、先負、赤口」や「三隣亡」は避けた方が良いとされています。ただ、この吉日も施主の考え方しだいで、実際に工事の日程や関係者の都合によっては、吉日を選べないという場合もあるかもしれません。

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当日施主が準備するもの

儀式を行うにあたって施主側が準備するものはといえば、基本的には儀式で使う「お供え物」と「初穂料(玉串料)」だけで大丈夫でしょう。儀式で使う「笹竹」や鍬入れを行う「白木の鍬」に「砂」などは、ハウスメーカーや神主さん側で用意してもらえます。最近はお供え物の米、奉献酒、塩、3種類以上の海の幸や野菜、果物などもハウスメーカーや神主さん側が用意し、施主が準備するものは初穂料のみというケースも増えています。

地鎮祭の費用

さて、気になる費用ですが、当然ながら建てる建物の大きさやそれに伴う建築工事の規模に比例する傾向にあります。また、その地域によっては独自の相場がある場合もあるので、こちらについても予めハウスメーカーの担当者に確認しておく必要があるでしょう。

初穂料は、ご祝儀をのし袋に収めて祭壇に奉納される場合が多いのですが、一般的に、一軒家の場合の相場は3~5万円程度と言われ、こちらも結婚式のご祝儀同様に奇数の数字が好まれることが多いようです。では、総額としてはいくらくらいかかるのか。まずお供え物と初穂料(玉串料)で3~5万円程度。場合によっては祭壇の設置やテントなどの資材のレンタル料が3~5万円。そして直会(なおらい)に2~3万円。さらにご近所の挨拶回りの手土産が500円~1000円×戸数分と、大体10~15万円程度といったところでしょうか。但し、これはあくまでも一般的な目安なので、実施に際しては、ハウスメーカーの担当者とよく相談してください。

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ご近所への挨拶回りも忘れずに

式が終わると今度は近隣の方への挨拶回りをするのが定番となっています。工事期間中の騒音や工事車両の出入りなどで、ご近所に迷惑をかけてしまう場合もあるかもしれません。工事のスケジュールなどの質問をされることも多いですし、何か問題があった場合の窓口として、建築会社に立ってもらうためにもこの時の挨拶には、施主と共に工事関係者やハウスメーカーの担当者、現場監督などに同行していただくのがベストでしょう。


まとめ

家を新築する場合にだけ執り行なわれる地鎮祭。古くから建築業界の慣習として続いている儀式ですが、最近では実際に家を建てる施主の考え方によって変わってきています。地鎮祭の意味を理解した上で、費用や規模などについてはハウスメーカーの担当者と相談し、満足のいく形で家づくりをスタートさせたいものです。