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2023/11/05
住まい

エコ住宅とは?
エコ住宅の種類、メリットと注意点、補助金などまとめて解説!

最近話題の「エコ住宅」ですが、どのような家なのかよくわからない……と感じている人も少なくありません。ここでは、エコ住宅とはどのような家なのかということや、エコ住宅の種類、メリットと検討する上での注意点をはじめ、エコ住宅を建てる際に活用できる補助金などについて、ご紹介します。

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エコ住宅の種類、メリットと注意点、補助金などまとめて解説!

■エコ住宅とは?

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エコ住宅とは、住宅性能を向上させることで、家庭で使用する消費エネルギーを抑えた「人と環境にやさしい」住宅のことです。それでは、エコ住宅とはどのような家なのかを説明します。

 

<エコ住宅とはこんな家!>

「エコ」や「省エネ」という言葉から、暑くてもエアコンをつけるのを控えたり、まめに使っていない部屋の明かりを消したり……といった「我慢を強いられる」イメージをなんとなく想像する人も少なくないでしょう。

「エコ住宅」は、そのような「我慢を強いられる」ことなく、1年を通じて快適な室温で、健康的に過ごせるように作られた家です。建物自体の気密性や断熱性、耐震性や耐火性といった住宅性能を高めることで、光熱費を抑えながら安心して暮らすことができます。また、エコ住宅では、エネルギーの消費量やCO2の排出量を抑えることができるため、環境にもやさしい家になります。

 

<エコ住宅と省エネ住宅の違い>

「エコ住宅」のほか、「省エネ住宅」という言葉を耳にすることも多いですが、各省庁により定義や名称が異なります。各省庁の定義に違いはあるものの、エコ住宅も省エネ住宅も住む人が快適で、健康的に過ごせること、光熱費を抑えることができる家という点に違いはありません。

 

○エコハウス

「エコハウス」は、環境省によって定義されています。地域の気候風土や敷地の条件、住まい方に応じて自然エネルギーが最大限に活かされることと、さらに身近に手に入る地域の材料を使うなど、環境に負担をかけない方法で建てられることがエコハウスの基本です。

エコハウスは、次の8つの環境基本性能が実践され、生活する上で必要なエネルギーを最小限に抑えた快適な住宅を指します。

①  断熱

②  気密

③  日射遮蔽

④  日射導入

⑤  蓄熱

⑥  通風

⑦  換気

⑧  自然素材

自然・再生可能エネルギーの活用や周辺環境、材料、工法、デザインなど、地域の特色を生かした住宅であることがエコハウスには求められます

環境省|エコハウス 21世紀環境共生型住宅のモデル整備による建設促進事業|エコハウスとは

 

○省エネ住宅

経済産業省では、省エネ性能の高い住宅を「省エネ住宅」とし、次の3つを対策の柱としています。

①  断熱

②  日射遮蔽

③  気密

夏涼しく冬暖かな空間である「快適さ」、光熱水道代が節約できる「経済性」、寒暖差により引き起こされるヒートショックのリスクが少ない「健康的」、結露による建物の腐敗や劣化を抑制する「耐久性」を実現した家のことを「省エネ住宅」としています。

省エネ住宅 | 家庭向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト (経済通産省資源エネルギー庁)


■エコ住宅の種類

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住む人が快適で、健康的・経済的に暮らすことができるエコ住宅には、いくつかの種類があります。

 

<長期優良住宅>

長期優良住宅とは、長年にわたり、安心・安全に、快適に暮らすことができる家のことです。2009年に制定された「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」で『長期にわたり良好な状態で使用するための措置がその構造及び設備について講じられた優良な住宅』と定義されています。耐震性や省エネルギー性、劣化対策などの基準を満たすことで、長期優良住宅と認定されます。

【参照】長期優良住宅認定制度パンフレット(一般社団法人住宅性能評価・表示協会)

長期優良住宅の普及の促進に関する法律 | e-Gov法令検索

 

<認定低炭素住宅>

認定低炭素住宅とは、CO2の排出を抑えるための対策がされた家のことです。2013年に制定された『都市の低炭素化の促進に関する法律(エコまち法)』に基づく認定基準は次のとおりです。

①  省エネ基準を超える省エネ性能を持ち、かつ、低炭素化に資する措置を講じていること

②  都市の低炭素化の促進に関する基本的な方針に照らし合わせて適切であること

③  資金計画が適切なものであること

この①~③をすべて満たすことで、低炭素住宅として認定を受けることができます。

【引用】エコまち法に基づく低炭素建築物の認定制度の概要(国土交通省)

 

<ZEH(ゼッチ)住宅>

ZEH(ゼッチ)とは、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称です。高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を持ち、太陽光発電のように再生可能なエネルギーを自家発電することで、1年を通じて家で使うエネルギーが実質的に「0(ゼロ)」になる家を「ZEH住宅」といいます。

高気密・高断熱の住宅性能と高効率な設備、そして、再生可能設備を導入した住宅仕様がZEH住宅の特徴です。

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に関する情報公開について - 省エネ住宅 | 家庭向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト (meti.go.jp)

 

<LCCM(エルシーシーエム)住宅>

LCCM(エルシーシーエム)とは、「ライフ・サイクル・カーボン・マイナス」の略称です。住宅建設時のCO2排出量も含め、家を解体・廃棄するまでのライフサイクルを通じてのCO2の収支をマイナスにする家を「LCCM住宅」といいます。

建設時から家を解体して資材を廃棄するまでの間、多くのCO2が排出されます。こうしたCO2の排出量をできるだけ抑えるとともに、太陽光発電などでエネルギーを作り出してCO2収支をマイナスにするのが、LCCM住宅です。

LCCM住宅では、ZEH住宅の仕様に加え、建設や解体時に排出されるCO2を抑える取り組みが求められます。

 

<性能向上計画認定住宅>

性能向上計画認定住宅とは、国土交通省が定める『建築物省エネ法』の基準に適合していることが認定された家です。性能向上計画認定の認定基準は以下のとおりです。

●建築物のエネルギー消費性能が、省エネ基準を超え、かつ、建築物のエネルギー消費性能の向上が経済産業省令・国土交通省令で定める基準に適合するものであること

●建築物エネルギー消費性能向上計画が適切であること

●資金計画がエネルギー消費性能の向上のために適切なものであること

【参照】住宅:長期優良住宅のページ (国土交通省)

【参照】性能向上認定とは | 一般社団法人 住宅性能評価・表示協会 (hyoukakyoukai.or.jp)


■エコ住宅の5つのメリットと注意点

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エコ住宅には、メリットが多くありますが、建てる際には、いくつか気を付けておきたい点があります。

 

<エコ住宅の5つのメリット>

エコ住宅には、5つのメリットがあります。

 

① 寒暖差の少ない快適な住空間で健康的に過ごせる

エコ住宅は、すぐれた住宅性能に加え、高効率の設備や太陽光発電などシステムの導入によって、1年を通じて省エネで快適に過ごせます。高気密・高断熱などのすぐれた住宅性能は、外気温の影響を受けないため、家中どこにいても、寒暖差の少ない快適な住空間を実現します。室内の寒暖差により引き起こされる「ヒートショック」のリスクを軽減するなど、住む人が健康的に過ごせます。

 

② 光熱費が抑えられる

エコ住宅は、基本的にエネルギー消費を抑えるようになっているため、光熱費が比較的安くすみます。

 

③ メンテナンスの回数が少なくなる

長期優良住宅や認定低炭素住宅をはじめとしたエコ住宅では、劣化対策を講じることが条件の一つとなります。建物そのものの寿命が長くなるため、メンテナンスの回数が少なくてすみます。

 

④ 自然災害の際の停電に対応できる

ZEH住宅などのエコ住宅は、太陽光発電などの再生可能エネルギーのシステム導入が求められます。発電システムを導入することで、台風などの自然災害の際に、停電があった場合でも、電気の供給がストップしても、ある程度は家の中で快適に過ごせます。

 

⑤ 条件を満たせば、補助金が活用できる

エコ住宅は、条件を満たし、認定を受けることで、補助金や税の特別処置の対象となります。

 

<エコ住宅の注意点>

メリットが多いエコ住宅ですが、建てる際には、いくつかの注意点があります。

 

◎建築費用が高くなる傾向がある

エコ住宅は、高気密・高断熱をはじめとしたすぐれた住宅性能を有することと、建物劣化に対する対策を講じること、高効率の住宅設備や再生可能エネルギーを活用したシステムの導入などが必要となります。そのため、一般的な住宅に比べ、建築費用が高くなる傾向があります。

 

◎信頼できる施工業者に依頼する必要がある

エコ住宅には、長期優良住宅や認定低炭素住宅、ZEH住宅やLCCM(エルシーシーエム)住宅、性能向上計画認定住宅といった、いくつかの種類があります。エコ住宅は、住宅性能が認定基準を満たす必要があるため、ノウハウを持った信頼できる施工業者に依頼してください。

ZEH住宅の場合、ZEHを建てることを認定されたハウスメーカーや工務店である「ZEHビルダー」が設計・建築する建物であることが、認定条件の一つとなります。

業者選定の際には、「ZEHビルダー」の認定を受けているかどうか、また、これまでのエコ住宅での実績などを比較するのも一つの方法です。


■エコ住宅で活用できる補助金や税の特別措置がある

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エコ住宅を新築する際には、補助金や税の特別措置を受けることができます。

 

<長期優良住宅の場合>

長期優良住宅の認定を受けると、補助金や所得税、登録免許税、不動産取得税、固定資産税などの減税、住宅ローンの金利引き下げなどの制度が活用できます。

【参照】認定優良住宅に対する税の特例(国土交通省)

 

<認定低炭素住宅の場合>

一定の認定低炭素住宅の新築または取得を行った場合は、所得税などの特例処置が受けられます

【参照】住宅:認定低炭素住宅に関する特例措置 - 国土交通省 (mlit.go.jp)

 

<ZEH住宅・LCCM住宅の場合>

ZEH住宅やLCCM住宅については、国土交通省と経済産業省、環境省が連携し、支援事業の取り組みが進められています。条件を満たすことで、補助金を受けられます。

【参照】ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス推進に向けた取り組み

【参照】住宅:ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)、LCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)住宅関連事業(補助金)について - 国土交通省 (mlit.go.jp)

 

<そのほかの補助金>

国土交通省では、高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業が行われています。エネファームやエコキュートなど高効率の給湯器を導入した際に補助金が受けられます。交付期間は、予算上限に達すると終了です。

【参照】事業概要|給湯省エネ事業(国土交通省)

自治体の補助金も活用できるため、エコ住宅を検討している場合は、補助金の申請に詳しいハウスメーカーに相談してアドバイスをもらうとよいでしょう。


■エコ住宅について詳しく知りたいなら、住宅展示場へ行こう!

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エコ住宅は、毎日を快適に、健康的に過ごせる上、光熱費を抑えることができるように建築された家です。エコ住宅には、いくつかの種類があり、認定基準が詳細に決められているため、実績が豊富な信頼できるハウスメーカーに相談するとよいでしょう。

エコ住宅について詳しく知りたいなら、住宅展示場に行くのがおすすめです。専門スタッフにエコ住宅について相談しながら、実際の家を体験することができます。

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■まとめ

「エコ住宅」とは、ただ単にエネルギー消費を抑えるだけでなく、暮らす人が快適に、健康的に過ごすことができる家のことです。エコ住宅は、すぐれた住宅性能により、「夏は涼しく、冬は暖かい」住空間を実現することで、省エネを実現するとともに、ヒートショックなどのリスクを軽減する快適な家なのです。

住宅を建てる際には、条件を満たすことで、エコ住宅の認定を受けることができ、補助金を活用することもできます

エコ住宅を検討するなら、実績が豊富な信頼のできるハウスメーカーや工務店を選ぶようにしましょう。