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2023/12/11
住まい

住宅ローンで毎月10万円の返済はきつい?
返済額の決め方や返済がきつくなる理由、返済額の目安について解説!

家を建てる際に、ほとんどの人が住宅ローンを利用しますが、長期にわたり返済をしていくことに不安を感じる人も少なくないでしょう。

今回は、住宅ローンの返済額の決め方や返済がきつくなってしまう理由と返済額の目安についてご紹介します。

住宅ローンで毎月10万円の返済はきつい?<br />
返済額の決め方や返済がきつくなる理由、返済額の目安について解説!

■住宅ローンで毎月10万円返済する場合、どのくらい借りられる?

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まずは、毎月10万円を返済すると仮定して、どのくらい借りられるのかを解説していきます。

 

<住宅ローンで毎月10万円返済する場合、どのくらい借りられるのか>

住宅ローンを毎月10万円返済するとして、どのくらい借りることができるのかをまとめてみました。

毎月の返済額10万円程度で、頭金なし・ボーナス返済なし・固定金利1.5%と仮定した場合の借入可能額と返済額は以下の通りです。

返済期間

借入可能額(目安)

総返済額

15年

1,610万円

およそ1,800万円

25年

2,500万円

およそ3,000万円

35年

3,266万円

およそ4,200万円

上表からわかるように、返済期間が長くなるほど借入可能額は高くなります。ただ返済期間が長いほど利息も多くなるため、総返済額も増えていきます。

<借入額は同じでも、条件によって、返済額は変動する>

上表ではおよそ3,200万円を35年ローンとして、毎月10万円を返済する場合、1,000万円近くを利息として支払うことになります。総返済額は、借入する金融機関や金利タイプによって変動します。

返済額が変動する要因は、「返済期間」「返済方法」「金利タイプ」の違いによります。

 

①  返済期間

返済期間とは、借入時に「何年で返済するのか」と設定する期間のことです。この期間をどのくらいにするのかによって、総返済額が大きく変わってきます。

住宅ローンの返済期間の平均は、国土交通省の調査によると、注文住宅(住宅建築における借入金)が32.8年、分譲戸建住宅が32.7年です。返済期間は、借入時だけでなく、完済時の年齢なども考えて検討する必要があります

例えば、返済期間を退職後の年齢まで含めて設定する場合、支払いをどうするのかということを事前に考えたうえで、資金を準備しておかなければなりません。返済期間を決める際には、無理なく支払える期間を設定するようにしましょう。

【参照】令和4年度 住宅市場動向調査報告書|国土交通省

 

②  返済方法

住宅ローンには、「元利均等返済」と「元金均等返済」の二つの返済方法があります。同じ返済期間で住宅ローンを組んだ場合は、元利均等返済が総支払額より多くなる場合があります。

●元利均等返済

「元利均等返済」とは、元金と利息を合わせた総支払額を均等に分け、毎月同じ額を返済する方法です。完済まで同じ額を返済していくことになるため、返済計画を立てやすいというメリットがあります

●元金均等返済

「元金均等返済」とは、毎月「借入金の元金を返済回数で均等に割った金額」と「元金に応じた利息」を支払う返済方法です。返済回数が進むほど、元金が少なくなるため、それに応じた利息も減っていきます。そのため、完済に近づくほど返済額が少なくなるというメリットがあります

 

③  金利プラン

住宅ローンの金利プランには、「固定金利型」「変動金利型」「固定金利選択型」の3種類があります。どのタイプを選ぶかは、借入金額や返済期間、ライフプランなどに合わせて検討するとよいでしょう。

●固定金利型

「固定金利型」とは、契約時の金利が完済するまで変わらないタイプです。金利が一定であるため、返済計画が立てやすいメリットがあります。変動金利型の金利より高く設定されているため、変動金利型に比べて、金利負担が大きくなることがあります。

●変動金利型

「変動金利型」とは、市場金利の動向に合わせて定期的に金利が変動するタイプです。市場金利が下がると借入金利も下がるため、返済額が少なくなりますが、市場金利が上昇すると借入金利も上がるため、返済額が増えることになります。

●固定金利選択型

「固定金利選択型」とは「固定金利型」と「変動金利型」を組み合わせたもので、一定期間の間、金利を固定できるタイプです。固定期間は2~10年ほどで、期間は金融機関により異なります。固定期間中は契約時に決められた金利のままですが、固定期間後は変動金利となります。


■住宅ローンで毎月10万円返済はきつい?

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家の購入を検討する際に、住宅ローンでの毎月の支払額はいくらになるだろうかと、最初に考える人も多いことでしょう。住宅ローンを利用する場合、「毎月10万円の返済はきついのだろうか」という疑問にお答えします。

 

<家賃の月10万円と住宅ローンの毎月10万円返済は同じではない>

「家賃として毎月10万円を支払ったうえでも生活できている。だから、同じ額を住宅ローンに回せば、財産にもなるし、その方がいいはず」と、考える人もいることでしょう。現在支払っている家賃は、住宅ローンの返済額の目安になります。しかし、家を購入した場合、必要なお金は毎月支払う住宅ローンだけではない、ということを覚えておかなければなりません。

例えば、毎日使うお湯が出なくなったシーンを考えてみます。賃貸住宅に住んでいてお湯が出なくなった場合は、まずは管理会社に連絡をします。管理会社は、給湯器の修理や交換のための手配をしてくれます。故意に壊した場合を除いて、費用は管理会社が支払います。

しかし、持ち家の場合、こうした修理費用や交換費用、あるいはメンテナンスのための保証契約の費用などは、すべて自分で支払わなければなりません。

給湯器をはじめとした住宅設備や部材などには「耐用年数」があるため、定期的にメンテナンスやリフォームを行うことになります。そのため、持ち家の場合は毎月支払う住宅ローンのほかに、メンテナンスやリフォームの費用をあらかじめ準備しておくことも必要です。

 

<戸建住宅購入後に必要なランニングコスト>

戸建住宅購入後に必要なランニングコストはいくつかありますが、大きくは以下の3つです。

 

○水道・光熱費

これまでの家と比べると敷地面積が広くなったり、部屋数が多くなったりすると、水道代や光熱費などが高くなる傾向があります。しかし、エコハウスの場合、「これまでの家より光熱費が安くなった」というケースも少なくありません。住宅性能を計画段階でしっかりと検討したうえ、光熱費のシミュレーションをすることで光熱費は抑えることができます。

○固定資産税

固定資産税とは、土地や家屋・減却資産などに対して課される税金です。所在地により異なりますが、土地や家屋の所有者が、毎年市町村に対して支払います。

○火災保険

火災保険とは、火災や自然災害による建物や家財の損害を補償する保険のことです。住宅ローンを契約する際には、借入期間中の火災保険への加入が必須条件になっているものがほとんどです。そのため、火災保険に加入していないと、住宅ローンの契約ができないことがあります。

○修繕・リフォーム費用

家には寿命があり、定期的に設備などの修繕やリフォームなどのメンテナンスを行う必要があります。そのための費用を事前に準備しておくとよいでしょう。リフォームローンを利用することもできますが、毎月のローンの返済額が増えることになります。

<今後必要となる費用についても考えておく必要がある>

ランニングコストのほかに、生活する上で今後必要となる費用についても考えておく必要があります。

 

①  子どもの教育費

子どもが成長するにしたがって、学校教育費など学校に支払う費用のほか、塾や習い事の月謝や進学に備えた学資保険などの費用が必要となります。

②  医療費

将来的に必要となる可能性のある医療費や生命保険についても、検討しておく必要があります。

③  老後資金

老後資金とは、食費や住居費・医療費だけでなく、旅行や趣味のために使う費用など、老後に必要となるすべての費用のことです。「老後2,000万円問題」とよくいわれますが、老後資金として2,000万円が必要というわけではありません。しかし、ライフプランから、老後資金を準備しておくことも大切です。

 

<住宅ローン毎月10万円返済がきついと感じる理由>

実際に住宅ローンを返済し始めると、毎月の返済がきついと感じるケースも少なくありません。その主な理由について、ご紹介します。

 

①  世帯年収から考えると、無理な返済計画を立ててしまった

まずはそもそも、世帯年収から考えると毎月10万円の支払いに無理があった場合、返済がきつくなってしまいます。

②  年収が上がることを想定して、返済額を決めてしまった

「今は少しきついけど、そのうち給料が上がれば……」と考えて、返済額を決めたものの、予想していたように給与が上がらない、あるいは、転職やなんらかの理由で年収が下がってしまったケースなど、年収が上がることを想定して返済額を決めた場合、返済がきつくなる可能性があります。

③  毎月のランニングコストや今後必要な費用について考えていなかった

光熱費や保険料、固定資産税をはじめとしたランニングコスト、子どもの教育費用や医療費など、今後必要となってくる費用について考えていなかった場合、返済がきつくなることがあります。

④  病気や老後について、具体的に考えていなかった

住宅ローンを契約する際には、老後資金についてあまり考えていなかったため、定年後に住宅ローンがきつくなってくることがあります。

 

<収入と生活費のバランスを考えることが重要>

住宅ローンを契約する際は、今の生活と毎月の返済だけでなく、子どもの成長や自分たちの老後のための費用についてしっかり考えておくことは重要です。

転職などにより世帯収入が下がってしまったり、病気のために予想外の高額な支出が続いたりする可能性もあります。

将来的なライフプランを考えて、余裕のある返済計画を立てることが大切です。


■住宅ローンの返済額は「返せる額」をしっかり考える!世帯年収から考える返済額の目安とは?

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夢のマイホームを手に入れても、住宅ローンの返済がきつくて、あれこれ我慢をしなければならない……というのでは、毎日の暮らしを楽しむことができません。そのため、住宅ローンは「返せる額」で、余裕のある返済計画を考えていく必要があります。

ここでは、世帯年収から返済額の目安について解説していきます。

 

<返済額は「額面」で考えない>

世帯年収から、毎月の返済額を決めることになります。しかし、気をつけておきたいのは、「額面」ではなく「手取り額」で返済額を考えることです。

額面年収600万円の場合、税金や社会保険料などを天引きした手取り額は、およそ460万円です。年収600万を12か月で割ると、額面では月50万円ですが、年金や社会保険などを引くと、手取り額は月およそ38万円となります。結果、毎月10万円を住宅ローンとして返済すると、毎月28万円でやりくりしなければなりません。

扶養家族の人数やボーナスの支給額により毎月の手取り額は変わりますが、この「手取り額」をもとに返済額を考えるようにしましょう

 

<住宅ローンの毎月の返済額の目安は「手取り額20%」>

賃貸住宅の場合、手取り額の約30%が家賃の目安となります。これと同額の返済額を設定してしまうと、ランニングコストや今後必要な費用などがかかるため、実際には返済がきつくなってきます。

住宅ローンの毎月の返済額は、「手取り額の約20%」程度を目安とすると良いでしょう。

 

<優遇処置を利用する>

家を新築すると、国や自治体の助成金や住宅ローン減税などを受けることが可能です。

助成金には次のようなものがあります。

①  こどもエコすまい事業

②  ネット・ゼロ・エネルギーハウス実証事業

③  LCCM住宅整備推進事業

④  地域型住宅グリーン化事業

こうした助成金を利用する際には、それぞれの要件を満たす必要があるため、計画段階からしっかりと計画していきましょう。

住宅ローン減税について、2024年1月以降に建築確認を受ける新築住宅は、原則として省エネ基準に適合する必要があります。この基準を満たしていない場合、住宅ローン減税が受けられません。

【参照】

住宅:令和5年度 支援事業一覧 |国土交通省

住宅:住宅ローン減税 |国土交通省

 

<専門家に相談する>

住宅ローンの返済額を決めるときには、今の家計を見直し、将来的なライフプランを考えていくことが大切です。「自分たちでは、よくわからない」「返済額を決めたけれど、返していけるのかが不安」という場合は、専門家に相談するとよいでしょう。

金融機関や住宅金融支援機構の住宅ローン相談会やセミナーに参加するのも一つの方法です。また、住宅展示場のイベントでは、住宅ローンについてのアドバイスをしてもらえるため、家の建設プランだけでなく、資金面についても相談してみましょう。


■住宅展示場で、専門家による資金計画や住宅ローンの相談会に参加しよう!

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家を検討し始めたら、住宅展示場に足を運んでみましょう。住宅展示場では、専門家による家づくりや住まいづくりに役立つセミナーや相談会なども開催されていて、ファイナンシャルプランナーや税理士による資金計画や住宅ローンについてのセミナー・相談会に参加することができます

埼玉総合住宅展示場ナビでは、HP上でローンシミュレーションが行えます。

【参照】ローンシミュレーション | 埼玉総合住宅展示場ナビ

 

埼玉県総合展示場ナビはこちら埼玉総合住宅展示場ナビ

埼玉にある6つの展示場の見学予約はこちら展示場選択


■まとめ

住宅ローンの返済額を決める際には、世帯年収やこれまでの家の収支やライフプランから、「返済可能な額」を設定することが重要です。住宅ローンを検討する際に、自分たちだけでは不安がある場合は、事前にシミュレーションを行ったり、専門家に相談したりすることも大切です。

住宅展示場では、専門家によるセミナーや相談会も開催されています。家を検討し始めたら、実際の家を見学しながら資金計画や住宅ローンについて相談できる住宅展示場に行ってみましょう。