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2021/06/27
暮らし

先人に学ぶ、夏の暑さに負けない「涼しい家」

冷房設備が無かったその昔、家を建てる場合は、夏の暑さに合わせて建てる方が良いとされてきました。それは冬の寒さ対策には、厚着をしたり、ストーブなどの暖房を使うことである程度は調節することが可能なのに比べ、夏の暑さだけはしのぐことが難しかったからです。そのため日本の家屋は、冬の寒さよりも夏の暑さを重視した「涼しい」家づくりがされてきました。せっかく建てた家が冬は暖かいけど夏は暑いとなれば、四季を通じて快適な住宅とは言えません。今回は、夏を涼しく過ごすための家について、昔から伝わる先人の知恵を交えてご紹介します。

先人に学ぶ、夏の暑さに負けない「涼しい家」

夏を涼しく過ごすエコ住宅

空調設備の性能向上や断熱機能の発達などにより、四季を通じて快適で機密性の高い住宅が増えていますが、近年の地球温暖化や気候変動など自然環境が変化する中、できるだけCO2を排出しない地球環境に配慮した、エコで冷暖房費もかからない家づくりが注目され始めています。

伝統的な日本家屋には夏を涼しく過ごすための工夫が施されています。例えば、屋根の庇(ひさし)は長く、部屋の外廻りには縁側がありますが、これなどは、夏の直射日光が部屋に入らないようにするための工夫なのです。また、襖(ふすま)を全て開ければ、各部屋がつながる和室の構造も、風通しを良くするためなのです。さらに、方角による建て方の工夫も住宅を建てる際には大いに参考になるでしょう。入射角の高い夏の陽射しを想定して南側の軒を深くしたり、南側に背の高い落葉樹を植えて日陰を作り、直射日光を避けたり、さたに方角によっては木の種類を変えたりします。これら先人の知恵を参考にしながら家を建てる場合は、合わせて遮熱効果のある建材などを使用することで、夏の暑さ対策はもちろん、四季を通じて快適な住宅ができると思います。

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断熱効果を上げる屋根材

他には、例えば東西にある窓を少な目にしたうえで、熱伝導率の低いペアガラスなどで窓の断熱性を高めたり、屋根・外壁の仕上げ材を淡い色にし蓄熱量を抑えたりします。また、太陽の熱がこもってしまう屋根裏では、風の抜ける方向に通気口をつけたり、屋根裏専用の換気扇をつけたりすることで、2階の部屋に伝わる熱気をカットすることができます。場合によっては換気口に高低差をつけて、暑い空気が上空に抜けるような自然換気の流れを作る方法も考えられます。夏の陽射しは、屋根面からの熱の進入量が最も多くなります。できるだけ屋根からの進入量を減らすためには、反射率の高い仕上げ材を使って、屋根の熱エネルギーを逃がすことが効果的です。色は黒より白、白よりもアルミのような反射色、これだけでも随分反射率は違ってきます。ちなみに材料はカラーベストやガルバリウム鋼板より、瓦葺きの方が断熱効果は高くなるといわれています。

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湿度調節は自然素材で

調湿効果のある自然素材を使うことも、湿気による蒸し暑さを軽減する効果があり、これも暑さ対策として有効です。湿気が多い時は吸い込み、乾燥するときは吐き出す調湿効果のある「しっくい」や「無垢のフローリング」などの自然建材は、部屋の空気を程よく快適に保つ効果があります。このように先人の知恵も拝借しながら、最新の住宅設備を設置することで四季を通じて快適な住宅を目指したいものです。


まとめ

夏の暑さを抑えることに重点が置かれていた伝統的な日本の木造住宅。暮らしの中から生まれたその知恵は現在にも受け継がれ、自然を利用したエコ住宅がいま注目されています。これからの家づくりでは、昔からの良き知恵も参考に、さらに最新の断熱技術や空調設備、調湿建材などを併用しながら、四季を通じてより快適な家づくりを目指しましょう。住宅展示場では自然環境に対応した各ハウスメーカーの最新のモデルハウスを自由に見学することができます。