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2024/04/08
住まい

オール電化ってどう?
後悔する前に知っておきたいメリット・デメリット、新築の際に気を付けておきたいポイントを解説

新築住宅を建てる際に、オール電化にしたいと思っている人もいるでしょう。

本記事では、建ててから後悔しないようにオール電化のメリットとデメリットのほか、建てる際に気を付けておきたいポイントや費用の目安についてもご紹介します。

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後悔する前に知っておきたいメリット・デメリット、新築の際に気を付けておきたいポイントを解説

■オール電化とは?

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年々、需要が高まりつつあるオール電化ですが、まずは「オール電化とはどのような家なのか?」ということをご紹介します。

 

【オール電化ってどんな家?】

オール電化とは、生活する上で使用する全てのエネルギーを電気でまかなう家のことです。エアコンやテレビなどの家電や照明機器だけでなく、給湯や暖房、調理など全ての住宅設備や機器は、電気をエネルギー源としたものを用いることになります。

 

【オール電化の住宅設備】

オール電化の主な住宅設備をご紹介します。

 

<給湯>

お湯を供給する設備には、ガスを用いるガス給湯器や灯油を用いて温水を作るボイラー、電気を用いる電気温水器・電気給湯器などがあります。オール電化では、電気温水器や電気給湯器を導入することになります。最近では、空気を圧縮する際に発生する熱を利用してお湯を作る「エコキュート」を導入する家が増えています。

<暖房>

冬場の暖房方法の一つに、床を暖めて、その伝導熱と輻射熱で部屋全体を暖める床暖房や床下暖房があります。オール電化では、電気パネルや電気給湯器で作ったお湯を用いた床暖房、エアコンなどを用いた床下暖房を採用することになります。

<調理器具>

オール電化では、調理器具も電化対応のものを用いることになります。オール電化でよく採用されているのは、IHクッキングヒーターです。最近のIHクッキングヒーターは、魚焼きグリルが搭載されたものもあるため、とても便利になっています。


■オール電化のメリットとデメリット

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オール電化で家を建てた後に後悔しないために、メリットとデメリットを知っておきましょう。

 

【オール電化のメリット】

オール電化の主なメリットは、次の通りです。

 

<光熱費の基本料金を一本化できる>

光熱費として、ガス代と電気料金を支払っているという人は少なくありません。オール電化にすると、ガスを用いないため、ガス代が発生しません。そのため、ガス代の基本料金も支払う必要がなくなります

 

<光熱費を安く抑えられる傾向がある>

資源エネルギー庁の『エネルギー白書2022』によると、家庭で消費されるエネルギーの中でも「給湯」が27.8%、「暖房」が25.1%と家庭における消費エネルギーの半分以上を占めていることがわかっています。

オール電化向けの料金プランは、夜間時間帯の電気単価が安く設定されています。オール電化にすることで、夜間に給湯に用いるお湯を作ったり、暖房の蓄熱をしたりすることで費用を安く抑えられます

【参照】『エネルギー白書2022』-資源エネルギー庁

 

<クリーンで安全な室内環境を実現できる>

オール電化では、家の中で火を使うことがないため、燃焼にともなう二酸化酸素が発生しません。そのため、クリーンな室内環境を実現できます。また、不完全燃焼による一酸化炭素中毒のリスクが軽減するため安全性が高くなります。

 

<停電時でもタンクにあるお湯が使える>

台風や地震などの災害時には、エコキュートや給湯器のタンク内のお湯を生活用水として使用できます。

【オール電化のデメリット】

オール電化の主なデメリットは、次の通りです。

 

<設備の初期費用が高額になる傾向がある>

ガス併用住宅のガス設備に比べて、オール電化の住宅設備の方が初期費用は高くなる傾向があります。

 

<昼間の電気消費量が多いと電気代が高くなる>

オール電化向けの電気プランでは、夜間時間帯の電気単価が安く設定されています。しかし、昼間に多くの電力を消費する場合は、電気代が高くなる傾向があります。

オール電化で家を新築する際には、気密性や断熱性などの住宅性能も併せて検討すると良いでしょう。エネルギー効率の高い高気密・高断熱の家なら、昼間のエアコンの消費電力を抑えられます。

 

<IH対応調理器具しか使えない>

オール電化では、調理器具としてIHクッキングヒーターを用いることがほとんどです。しかし、IHクッキングヒーターではIH対応の調理器具しか使えません。調理器具を購入する際には、IH対応のものか確認が必要です。

 

<停電時に設備が使えなくなる>

オール電化の場合、停電時には住宅用設備が使えなくなるデメリットがあります。


■オール電化の費用相場

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オール電化にする場合、初期費用が高額になる傾向があります。ここでは、オール電化にする際の主な住宅設備の費用の目安について説明していきます。

※費用はあくまでも目安ですので、実際の価格と異なる場合があります。

 

<給湯器>

エコキュートなど電気給湯器の費用の目安は、およそ40~80万円です。性能や容量などにより費用が異なりますが、家族構成やライフスタイルに合わせて、タンクの容量や追い炊きが必要か、給湯のみでよいかなどの機能面から機種を選ぶようにしましょう。

 

<床暖房>

床暖房の費用については、あくまでも目安としてですが、10畳で50~100万円程度です。床から部屋全体を温める床暖房のほか、家庭用エアコンを用いて床下から温める床下暖房があります。床下暖房であれば1台当たり6~7万円程度ですが、断熱工事や二重床を設置するなどの費用が別途かかります。

 

<IHクッキングヒーター>

IHクッキングヒーターの費用の目安は、ビルトインタイプで10~40万円程度です。ビルトインタイプのほか、据置型のテーブルコンロもあります。しかし、新築の際には、スタイリッシュでお手入れがしやすいビルトインタイプがおすすめです。


■オール電化で注意しておくポイント

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オール電化の注文住宅を新築する際に、注意しておくポイントは次の通りです。

 

① 今まで使っていた調理器具が使えない可能性がある

オール電化の場合、調理器具としてIHクッキングヒーターを導入するケースがほとんどです。IHクッキングヒーターでの調理の際は、IH対応の調理器具を用いる必要があります。そのため、これまで使っていた調理器具が使えず、全部買い替えないといけないということもあります。

 

② オール電化でも火災リスクはあるためメンテナンスをしっかり行う

「オール電化は火を使わないから安心」と考えている人も多いことでしょう。しかし、漏電や調理器具の間違った使用方法による火災はオール電化でも発生します。

揚げ物調理の際の油にも注意が必要です。油は370℃を超えると、火がないところでも自然発火する可能性があるため、IHクッキングヒーターでも揚げ物調理には注意が必要です。

コンセントの差込口にたまったホコリも火災の原因になるため、日ごろのメンテナンスはとても大切です。コンセント回りや空気清浄機のフィルターなど、こまめにお手入れするようにしましょう。漏電チェックなど、目に見えない場所の点検やメンテナンスは、専門業者に依頼すると良いでしょう。

 

③ 太陽光発電や蓄電池などのシステムの導入を検討する

オール電化では、停電の際には電気が使えないため、停電時に対応する備えもしっかり考えておくことが大切です。家を新築する際には、太陽光発電や蓄電池などのシステムも導入すると、災害時などの停電の際でも電気を使えるようになります。

 

④ ペースメーカやICD(埋め込み型除細動器)を入れている人は、IH炊飯器やIH調理器の使用に注意が必要

IH調理器は火を使わず、コイルに電流を流して磁界を発生させて鍋などを温めるものです。

IH調理機器だけに限りませんが、発生した電磁波がペースメーカやICDなどの医療機器の誤作動を引き起こす可能性が指摘されています。ペースメーカやICDを入れている人は、使用時には係り付けの医療機関に事前に相談するようにしましょう。

【参照】ペースメーカ・ICDをご使用中のみなさまへ|一般社団法人日本不整脈デバイス工業会

 

⑤ 将来的にガス機器の導入を検討しているならガス管の工事をしておく

オール電化で家を新築する場合、基本的に敷地内にガス管の埋設工事を行わないことがほとんどです。そのため、後々ガス機器を導入しようとしても、ガス管が埋設されていないために取り付けができないケースや、工事ができても高額な費用がかかることになります。

現時点では安全性を重視して火を使わないIHクッキングヒーターを採用し、将来的にガス機器への変更を考えている場合は、ガス管の引き込み工事だけはしておくとよいでしょう。


■オール電化を検討しているなら住宅展示場に行こう

家の新築をオール電化にするか悩んでいるなら、住宅展示場に行ってみるとよいでしょう。実際にオール電化のモデルハウスを見ることで、オール電化での暮らしをイメージしやすくなります。

事前に予約をして行くと、オール電化について専門のスタッフが詳しく説明してくれるだけでなく、初期費用やランニングコストのシミュレーションをしてくれるハウスメーカーや工務店もあります。

埼玉県総合展示場ナビはこちら埼玉総合住宅展示場ナビ

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■まとめ

オール電化は家の中で火を使わないため、室内環境をクリーンに保つなど多くのメリットがあります。初期費用はガス併用の場合より高くなる傾向はありますが、料金単価の安い夜間時間帯にお湯を作っておけば、光熱費を安く抑えることも可能です。ただ、昼間に電気の使用量が多くなる場合は、光熱費が高くなりがちです。

オール電化を考えるなら、気密性や断熱性などの住宅性能も併せて検討するようにしましょう。