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2024/04/15
住まい

注文住宅の坪単価の相場は?
比較する際のポイントや坪単価を安く抑える方法を解説します。

注文住宅を新築する際、「家を建てるのにいくらかかるのか」ということは、とても気になるところです。比較サイトなどでもよく見られる「坪単価」は、注文住宅を建てる際の費用の目安になるだけでなく、ハウスメーカーや工務店を選ぶ際のポイントとして考える人も少なくありません。

ここでは、注文住宅の坪単価の費用相場や比較する際のポイント、家を建てる際に坪単価を安く抑える方法についてご紹介します。

注文住宅の坪単価の相場は?<br />
比較する際のポイントや坪単価を安く抑える方法を解説します。

■坪単価の費用相場

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家の建築費用を比較する際、その目安の一つとされているのが坪単価です。この坪単価の意味と、坪単価を比較する上でのポイントについて解説します。

 

【坪単価とは?】

坪単価とは、家を建てる際の1坪あたりにかかる建築費用のことです。「坪」とは、日本で昔から使われている面積の単位の一つで、1坪はおよそ3.3平方メートル、2畳サイズをひと回り大きくしたくらいの広さ*だと考えればわかりやすくなります。

坪単価の計算方法は、建物の建築費用を建物全体の床面積で割ると算出できます。例えば、床面積が165平方メートルで、建築費用が3,000万円の家を建てたとします。165平方メートル≒50坪なので、3,000万円÷50坪=60万円となります。

*畳は関東で使われる江戸間サイズ(880×1,760㎜)の場合。

 

【坪単価の費用相場】

国土交通省の2022年度「建築着工統計調査」によると、新築一戸建ての1平方メートルあたりの工事費予定額の平均値は、20万円となっています。これを坪単価に換算すると、20万円×3.3平方メートル≒66万円です。

2022年度「フラット35利用者調査」によると、注文住宅の場合、全国平均で建築費用が3,715.2万円、建築面積が122.8平方メートルとなっています。122.8平方メートル÷3.3≒37.2坪、3715.2万円÷37.2坪≒99.9万円です。

このことから、坪単価は66万円~100万円が目安としての相場といえます。坪単価の計算方法には、明確な決まりが存在しません。坪単価は、あくまでも目安と考える方がよいでしょう。

【参照】

建築着工統計調査 住宅着工統計 年度次 2022年度 | 国土交通省

2022年度フラット35利用者調査|住宅金融支援機構

 

【坪単価に含まれる費用】

坪単価は、建築費用を床面積で割って算出します。一般的に、建物の建築費用である「本体価格」を延床面積で割って計算されるため、坪単価に含まれる費用は「本体価格」のみです。しかし、なかには「本体価格」に「付帯工事」と呼ばれる費用を含めて坪単価を計算している会社もあります。この場合は、水道やガスの配管工事、電気工事、土地の調査費や改良工事、外構工事の費用なども坪単価に含まれます


■坪単価を比較するときのポイント

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家を建てる際には、まずは、どのハウスメーカーや工務店に依頼をするのかを考えましょう。インターネットの比較サイトでは、坪単価での費用比較もよく見られます。ここでは、坪単価を比較するときのポイントについて解説します。

 

【施工面積と延床面積の違い】

床面積を表すものには延床面積、建築面積、施工面積、あるいは施工床面積といったものがありますが、一般的に坪単価の算出は「延床面積」をもとにします。

延床面積とは、2階建てなら1階と2階、3階建てなら1~3階の全ての床面積の合計のことです。施工面積とは、実際に施工、つまり工事をする面積のことを指しますが、玄関ポーチや中庭、バルコニー、塀などの外構部分なども含まれます。施工面積をもとに坪単価を算出していることがあるため、坪単価を比較する際には確認するようにしましょう。

 

【会社ごとに坪単価の算出方法が異なる】

床面積の違いだけでなく、会社ごとに坪単価の算出方法にはいくつかの違いがあります。例えば、家を新築する際には欠かすことのできない水道やガスの配管工事や電気工事などの工事費用が本体価格に含まれているか、いないかの違いです。こうした工事費用が本体費用に含まれている場合は、坪単価が高くなります。

ライフラインの引き込み工事のほか、地盤調査や改良工事費用、エクステリアなどの外構費用、エアコンや照明などの設置費用などは「付帯工事」と呼ばれています。この「付帯工事」費用が本体価格に含まれているのか、あるいは、本体価格とは別の「付帯工事費」として計算されるのかは、事前に確認するようにしましょう。

 

【構造や工法の違い】

注文住宅の構造は、木造、鉄筋造、鉄筋コンクリート造に大きく分けられます。坪単価は、「木造<鉄筋造<鉄筋工ンクリート造」と高くなっていきます。

例えば、鉄筋コンクリート造になると坪単価が100万円以上になることもあります。坪単価を比較する際には、建物の構造についても確認するようにしましょう。

比較的費用が安いとされる木造の場合でも、国産のブランド木材や天然由来の素材などをふんだんに用いると費用は多くかかります。

 

【住宅性能の違い】

住宅性能の違いが坪単価に反映されることがあります。例えば、住宅の耐震等級は1~3の3段階に分けられます。一般的な住宅は「耐震等級1」で、等級が上がるほど地震に対する強度が高くなり、建築費用も高くなる傾向があります。

耐震だけでなく「制震」「免震」性能を備えた住宅ラインナップも登場していますが、性能が高くなるほど、坪単価も上がります。

このように、住宅性能の違いによって坪単価が変動します。住宅性能についても、しっかりチェックするようにしましょう。

 

【住宅設備の違い】

給湯器やキッチン、浴室をはじめとした住宅設備には、一般的によく用いられるスタンダードクラスのものから性能の高いハイグレードクラスのものまで、多彩なラインナップがあります。採用されている住宅設備のグレードの違いによって、坪単価が変わってきます。坪単価を比較する際には、どのクラスの住宅設備が採用されているのかを確認するようにしましょう。

 

【坪単価を比較する際には、金額だけを見ないこと】

家を建てる時に候補として考えているハウスメーカーや工務店を比較する際に、目安の一つとなるのが坪単価です。しかし、坪単価の金額だけを比較するのではなく、構造や性能、採用されている設備の違いなどもしっかり見てから比べることが大切です。


■坪単価を安く抑える方法

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ここでは、坪単価を安く抑える方法について紹介していきます。

 

<「総2階」建ての家にする>

坪単価を抑えるためには、1階と2階の面積が同じ「総2階」建ての家にする方法があります。

「総2階」は、パッと見ると箱型、あるいは箱形を横にいくつか組み合わせたような形状となった家のことです。1階と2階の面積を同じにすることで、外周を同じにできるため、コストダウンが可能となります。

 

<建物の形状をシンプルにする>

建築物は、凹凸が多い、あるいはR型になっているなど、形状が複雑になるほど、費用が高くなる傾向があります。そのため「総2階」建てのように、建物形状をシンプルにすると費用を安く抑えることもできます。

 

<空間を細かく区切らない>

構造や工法によっても異なりますが、空間を細かく区切らない大空間となる間取りにするのも坪単価を抑えるための方法の一つです。

部屋数が増えるほど壁やドアも増えるため、工事費が高くなってしまいます。例えば、扉を一つ減らすだけで、10万円程度コストカットが可能となります。

細かく空間を区切ると、意外に使い勝手も悪くなります。家事動線や生活動線を考慮した上で、オープンな広い空間づくりを検討してみましょう。

 

<窓や扉を多く設けない>

ドアも同様に、窓や扉の数が多いほど、坪単価は高くなる傾向があります。窓や扉を多く設けないのも、坪単価を抑える方法の一つです。

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<屋根形状を工夫する>

屋根は、形状によって費用が大きく変わってきます。日本でも古くから用いられている「切妻」や「寄棟」は、中心部分が一番高くなった形状の屋根です。和洋のどちらの建物にも合うため、多くの家屋で採用されています。

最近人気が高まりつつあるのが、「片流れ」と呼ばれる屋根です。この「片流れ」は名前の通り、一方が高く、もう一方が低い傾斜屋根の形状をしています。「片流れ」の屋根にすると「切妻」や「寄棟」に比べ費用が安く、太陽光発電パネルが搭載しやすいというメリットがあります

 

<ハウスメーカーや工務店の標準仕様の設備や建材を採用する>

ハウスメーカーや工務店は、「標準仕様」とされている設備や建材などを持っていることがあります。自社開発のオリジナルのものや、それぞれの会社で大量に仕入れた設備や建材などは、通常より安い価格に設定されていることもあるため、こうした設備や建材を採用することで坪単価を抑えることも可能です。

 

<セミオーダースタイルを採用する>

最近の注文住宅では、いくつかのプランからセレクトする「セミオーダースタイル」の注文住宅も増えています。

この「セミオーダースタイル」では、プランを考える手間が省けるだけでなく、フルオーダーの注文住宅に比べて、費用を安く抑えられる傾向があります

坪単価を安く抑えたいと考えるなら、こうした「セミオーダースタイル」を検討してみるのも一つの方法です。

 

<住み始めてから家を完成させる>

坪単価の算出方法は会社ごとに異なります。テラスや外構工事などが建築費用に含まれる場合は、こうした費用が坪単価に反映されます。そこで、テラスや庭などは、住み始めてから完成させるようにすると坪単価が安く抑えられます。


■坪単価を比較するなら住宅展示場へ行こう

坪単価を比較する際には、金額だけでなく、その内容についてもしっかりと検討していくことが重要です。しかし、こうした作業は時間も手間もかかります。

ハウスメーカーや工務店のモデルハウスが多数ある住宅展示場にいくと、実際の家を見られるだけでなく、同時にいくつもの家を比較できます。事前に予約をして住宅展示場にいくと、担当スタッフに相談できるため、より詳しく内容を比較検討できます。

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■まとめ

家を建てようと考え始めた時、費用面が一番気になると考える人も少なくありません。候補となるハウスメーカーや工務店を比較する際には、坪単価だけでなく、坪単価の計算方法や住宅性能などの違いもしっかりと確認するようにしましょう。後で後悔しないように、納得できる家づくりをしましょう。