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2024/04/22
暮らし

遮光カーテンとは?
効果や等級の違い、選び方を紹介

部屋の窓には自分の好みに合ったおしゃれで、かつ機能性に優れたカーテンを設置したいものです。カーテンには、室内を隠すこと以外にも、さまざまな機能を備えたものがあります。その1つに遮光カーテンがありますが、遮光カーテンはどういうものでどんな効果があるのでしょうか。

日々の暮らしをより豊かにしてくれるアイテムの一つであるカーテン。今回は遮光カーテンについてご紹介します。

遮光カーテンとは?<br />
効果や等級の違い、選び方を紹介

■カーテンのある室内での快適な暮らし

カーテンの重要な役割といえば、プライバシーを保護することです。カーテンのない窓だと外から部屋の中が丸見えになってしまい、防犯面からも不安です。通行人からの視線を遮ることに加え、外への室内の光の漏れを防ぐことも、安心して室内で過ごすためのカーテンの大切な役割となります。

安全面での役割を持ちつつ、カーテンは部屋を彩るインテリアとしても大切な要素となっています。カーテンは部屋に占める面積が大きくなることが多いため、存在感があります。カーテンの色や柄、素材などによって、部屋の雰囲気をガラリと変えることができるためより楽しめます。


■遮光カーテンとは?

カーテンの中には、遮熱や遮音、防炎などさまざまな機能を備えたカーテンがあります。遮光機能が備わっているカーテンのことを遮光カーテンと呼びます。

外の光を遮って室内を暗くしたり、室内の明かりを外に漏らさないようにしたりする遮光機能がそなわったカーテンが、遮光カーテンです。遮光カーテンには、生地に黒い糸を織り込んだものや生地の裏側に合成樹脂をコーティングしたもの、縫製で裏地を付けたものなどがあります。


■遮光カーテンの魅力

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太陽光などを適度に遮ってくれる遮光カーテンの魅力をご紹介します。

 

<良質な睡眠環境をつくれる>

日中のまぶしい日差しはもちろん、夜間の街灯の明かりなども遮り部屋を暗くしてくれるので、しっかりと睡眠をとることができます。朝はゆっくり起床する方や夜勤で日中に睡眠をとる方、子どもの昼寝などの際には特におすすめです。

<紫外線を防ぐ>

強い日差しとともに紫外線もカットしてくれるため、家具や床、畳、カーペットなどの日焼けや色あせを防いで、経年劣化を遅らせる効果が期待できます。お肌も紫外線から守られることもポイントです。

<熱や冷気の流れを遮断する>

遮光カーテンの生地は、通常の生地よりも高密度で厚手の場合が多いため、熱や冷気を通しにくくします。そのため、夏は外からの熱を遮り、冬は室内の温かい空気を逃さず、断熱・保温の効果を発揮してくれます。そのため冷暖房の効率が上がり、電気代節約にもつながるでしょう。

<プライバシーを守る>

部屋の中の光を外に漏れにくくする効果があるため、外から部屋の中が見えにくくなります。夜間に部屋の電気をつけていても、外からは部屋の中にいる人影が見えづらくなり、道路に面した部屋で過ごす方にとっては、安心感が得られることでしょう。


■遮光カーテンの3つの等級

遮光カーテンは、遮光率99.40%以上の遮光性を有するとカーテン用生地、縫製カーテン及び布製ブラインドに「遮光」マークを表示でき、その遮光のレベルにより1~3級のランクに分けられています。3つの等級の特徴について解説いたします。

【参考】一般社団法人 日本インテリア協会 「NIF機能性表示マーク」

 

[遮光1級]

遮光率

遮光の度合い

99.99%以上

人の顔の表情が識別できないレベル

遮光率が一番高いとされるのが、遮光1級です。昼間カーテンを閉めると真っ暗に近い状態になり、部屋の中の人の表情が分からなくなるほどです。

遮光1級のカーテンの中でも遮光率100%のカーテンのことを、「完全遮光」カーテンと呼ぶ場合があります。生地の裏側に樹脂などでコーティングしたり、特殊な加工が施されていたりするものが多く、徹底的に光を遮ります。

遮光1級は、NIF法(遮光カーテンの遮光性評価方法)によって、さらに5段階に分類されています。

表記

状態

遮光1級(A++)

生地からほとんど光を感じない

遮光1級(A+)

生地からわずかに光を感じる

遮光1級(A)

生地から光を感じるが、生地の織り組織や色は分からない

遮光1級(B)

生地から光を感じ、生地の織り組織や色も分かる

遮光1級(C)

生地全体は薄明るく見えるが、人の表情が識別できない暗さ

出典:遮光1級のカーテン及び布製ブラインドを5段階に分類

このように、さらに細かく5段階に分けられていますが、最も低いランクのCであっても遮光1級のカーテンなので、「顔の表情が分からない暗さ」は確保できます。

【参考】

一般社団法人 日本インテリア協会「表示基準、試験方法及び判定基準」

一般社団法人 日本インテリア協会「遮光カーテンの遮光性評価方法 NIF法」

[遮光2級]

遮光率

遮光の度合い

99.80%以上

99.99%未満

人の顔あるいは表情が分かるレベル

遮光2級のカーテンになると、部屋は暗くなりますが、ほんのりと明るさを取り入れられるようになります。部屋が真っ暗になることが苦手な方や、そこまで真っ暗にならなくてもよいという方におすすめの等級です。遮光1級のカーテンよりも色や柄などカーテンのデザインの選択肢が広がります。

 

[遮光3級]

遮光率

遮光の度合い

99.40%以上

99.80%未満

人の表情は分かるが、事務作業には暗いレベル

薄い暗がり程度の暗さになります。まぶしさは抑えてくれますが、ある程度の光を通します。非遮光性カーテンよりも遮光性の効果は残しつつ、やわらかい光を部屋に取り入れたい方におすすめです。遮光3級のカーテンも、遮光1級のカーテンと比べると種類が豊富なので、お気に入りのカーテンを探す楽しさが増すことでしょう。


■【部屋別】遮光カーテンの選び方

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遮光カーテンは、遮光のレベルにより3つの等級に分かれていることを解説いたしましたが、では実際、どの部屋にどの等級の遮光カーテンを設置すれば最適なのでしょうか。

遮光カーテンを選ぶ際のポイントは、設置する場所と用途、ライフスタイルについて考慮することです。いくつか例を挙げながら部屋別にご紹介します。

 

[寝室]

しっかりと部屋が暗くなり、昼夜問わずぐっすりと眠りたい方は、遮光1級カーテンを選びましょう。強い日差しだけでなく、車のライトやお店の明かりなど街の光にも悩まされることが減ります。遮光100%の完全遮光カーテンならば、防音性にも優れているため、車の走行音や話し声などの外の音にもある程度効果を発揮します。外からの視線が気になり落ち着いて眠れない方にも、遮光1級カーテンは安心して部屋で過ごせるアイテムとなります。

朝、寝過ごすことが心配な方や、朝日を感じながら自然に目覚めたい方には、遮光2級もしくは3のカーテンがおすすめです。

 

[リビング]

リビングでホームシアターを楽しみたい方には、遮光1級カーテンをおすすめします。ご近所に室内の音が漏れて迷惑をかけないか気になる場合は、完全遮光カーテンを設置することで、防音効果により屋外への音漏れを軽減できるでしょう。

リビングは家族が集まり、過ごす時間が長い場所でもあります。なるべく飽きのこない上質なカーテンを選ぶことも重要です。デザイン性と機能性の両方を求めるならば、遮光2級カーテンがよいでしょう。リビング内の大切な家具や家電を日焼けから守るには、遮光2級以上のカーテンを選んでください。

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[子ども部屋]

朝日を浴びたほうが目覚めやすくなり、すっきりと起きられるようになるので、ある程度部屋に光を取り入れましょう。子ども部屋は、2級や3級など遮光等級が低めのカーテンがおすすめです。ほどよい光を取り込むことで、子どもの生活リズムが整えられるでしょう。カーテンの色やデザインは、子どもの好みに合わせて選んであげてください。


■遮光カーテンを選ぶ際の注意点

遮光カーテンを使用することで、質の良い睡眠がとれたり、外からの視線を気にせず過ごせたりとリラックスできる環境が整います。さまざまなメリットをもつ遮光カーテンですが、遮光性が高いカーテンほどしっかりと光を遮断するので、日中カーテンを使うと部屋の中が暗くなりすぎることがあります。部屋で家事や仕事などをして過ごすときは、電気をつける必要があります。

遮光カーテンは生地が厚手のもの、無地で黒やブラウンなどの暗めのデザインのものが多く重量感があり重い雰囲気の部屋になりがちです。非遮光のカーテンと比べると、遮光性が高くなるほど色や柄のデザインの選択肢は狭められてしまいます。


■遮光性を高めるコツ

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さまざまな効果を発揮してくれる遮光カーテンですが、使用状況により遮光性能にいくらか差が出てきます。ここでは遮光性をより高めるコツについてご紹介します。

 

<カーテン生地の色>

色はダーク系のカーテンが光を通しにくいため、より高い遮光性を求めるならば、同じ遮光1級のカーテンでも黒やネイビー、ダークブラウンといった暗く濃い色のカーテンを選びましょう。そこまで真っ暗にならないほうがよいという方には、光を通しやすい白やオレンジなどの薄く淡い色のカーテンが適しています。

生地の素材や色により見え方にも違いが出てきます。カーテンを選ぶ際は、実際にサンプルを見たり触ったりしてお選びください。

 

<カーテン丈を長めに>

窓をしっかりと覆う大きめのカーテンにしてください。小さめのサイズにしてしまうと上下や両サイド、カーテンの合わせ目から光が漏れてしまいます。せっかくの遮光カーテンの効果が低下してしまいます。カーテンの丈は、窓枠の下からプラス15cm以上は確保しましょう。

 

<トップカバーを取り付ける>

窓をすっぽりとカーテンで覆っても、カーテンレールの隙間から光が漏れる可能性があります。上部からの光漏れを防ぎたい場合は、トップカバーを取り付けましょう。トップカバーは、カーテンレールの上に設置するアイテムです。カーテン上部からの光漏れを防止し、断熱性や保温性もアップします。

 

<リターンタイプのカーテンにする>

カーテンレールの両サイドも光が漏れやすい場所です。横幅を長めに縫製したカーテンをレールのサイドまで回し、カーテンの横の隙間を覆う方法です。トップカバーと同様、遮光性のみならず断熱性や保温性もアップします。


■日々のお手入れ

遮光カーテンをきれいに保ちながら長く使うには、日々のお手入れが大切です。洗濯表示を確認した上で、洗濯可能なら年に1回を目安に洗濯して汚れやカビを落としましょう。

普段は、カーテンやカーテンレールのホコリを払ったり、掃除機で吸い取ったりして汚れを付着させないようにします。


■遮光カーテンを上手に使って、おしゃれで心地よい空間をつくろう

遮光カーテンを設置すると光が遮られるため、まぶしさや暑さを軽減させることができます。厚生労働省は熱中症予防の対策として、遮光カーテンの使用を推奨しています。

このようにさまざまな機能をもつ遮光カーテンは、そこに住む人を守り、部屋を快適な空間に保ってくれることでしょう。部屋の目的や雰囲気に合うように、ぜひお気に入りの遮光カーテンを見つけてください。

【参考】厚生労働省「熱中症予防のための情報・資料サイト」