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2021/07/04
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オフィスで働く人の約9割は水分不足?~集中力や作業効率が落ちる原因にも

サントリー食品インターナショナル(株)は、2019年5月9日~12日 に全国の20~69歳のオフィスで働く男女1,600人を対象に、「オフィスで働く人の働き方と水分摂取に関する調査」を実施しました。その結果、約9割が一日に摂取すべき水分が不足していることがわかりました。

オフィスで働く人の約9割は水分不足?~集中力や作業効率が落ちる原因にも

水分不足は集中力や作業効率に影響

成人が一日で必要な水分量は約2000ml~2500mlで、不足すると脱水症状を引き起こし、さらに熱中症になってしまうこともあります。脱水状態は集中力がなくなる、疲れやすいなどの影響を及ぼすため、作業効率の低下につながることが考えられます。

3食しっかり食べた場合は、食事から1000mlほどの水分を摂取できますが、食事量が足りないと水分不足になる可能性があります。オフィスで働く人で独身の場合は、朝食を食べない人もけっこういるようです。そして昼食はパンやカップ麺などの軽食で簡単に済ませ、夕飯にはがっつり食べる、といったパターンの人が多いようです。これでは水分がどれほど摂取できているか大いに疑問です。

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ギリギリの水分状態は健康に不安

さらに、この調査によると、オフィスで働く人の約9割が、水の摂取量は500mlペットボトル2本以下とのこと。「飲料としての水」の摂取量の目安は一日1200ml以上であることから、働く人の約9割が「水」不足ということになります。こうなると自宅で大量に水分を摂るしかないと思われるかもしれませんが、人は2~3時間の周期で水の損失、補給を繰り返してバランスを保っています。しかし、オフィスでは会議や仕事に追われ、食事や水分補給が遅れ、水分が足りない状態が長くなりがちです。そのため現状では、多くのオフィスワーカーが日中、脱水に近づき、夜の食事と水分で、なんとか補正しているというギリギリの状態で健康を保っていると考えられます。このようなことが続けば、やがて大病を患うことにもつながりかねません。

水分不足が招く病にはあの大病も

水分補給が不十分である場合に起こる病気に熱中症がありますが、熱中症は通常、次の3つに分類されます。

・熱疲労(ねつひろう)/血液量が追いつかない状態となり、脱力感、めまい、失神などが起こります。

・熱痙攣(ねつけいれん)/体内の塩分濃度が薄まることで起こる筋肉の痙攣(けいれん)。

・熱射病(ねっしゃびょう/異常な体温上昇によって中枢神経障害を起こした状態。死亡率が高くなります。

 

さらに、熱中症以外にも起こり得る危険な病気として、次の2つがあります。

〇脳梗塞(のうこうそく)

脳梗塞とは、脳血管が塞がったり狭くなったりして脳に酸素や栄養が行かず、脳に障害が起こる病気です。日本人の死亡原因で常に上位にあり、助かった場合でも後遺症が残ることが多い疾患です。脳梗塞は夜間から早朝にかけて多く発症します。これは就寝中の水分不足が考えられるため、寝る前にコップ1杯の水を飲むことをお勧めします。

〇心筋梗塞(しんきんこうそく)

心筋梗塞は、冠動脈の血流量が下がって心筋が壊死、または壊死に近い状態になる病気です。脳梗塞と同様に日本人の死亡原因のうち多くを占める疾患です。動脈硬化が脱水症状を起こすと、発症しやすくなりますので、積極的に水分補給してください。

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室内でも起こる脱水と熱中症

水分不足によって脱水から熱中症を発症することは良く知られていますが、脱水や熱中症は屋内においても起こることがあります。しかも日中だけでなく夜間も発症することがあるため注意が必要です。

〇日中の室内

暑い日に窓を閉めたままでエアコンをかけずにいると、汗の蒸発が遅れ、体温が下がりにくくなるため、脱水状態になりやすくなります。特に高齢者や子どもは気づかないうちに熱中症にかかりやすいので注意が必要です。

〇夜の室内

日中に建物にこもった熱が夜間に放熱されて室温が上がります。若い人でも脱水になりやすく、寝ている時に脱水から熱中症へと進むことがあります。エアコンは高めの温度設定でつけっぱなしにするか、長めのタイマー設定をお勧めします。

水分補給のタイミング

〇就寝中

一般に睡眠中は500〜600 mℓの水分が失われますので、コップ1杯(200 mℓ)程度の水を寝る前に飲んでおきましょう。

〇エアコンをつけた室内

のどが乾いたと感じたら、すでに2%の水分を失っていると考えられます。エアコンをつけた室内でも、のどが渇く前に水分摂取を心掛けましょう。

〇運動時

運動前にコップ1杯の水分補給をして、さらに運動中も15~30分ごとに水分補給をしましょう。一回に200~250mlを補給することで体温の上昇を抑え、発汗した水分を補うことができます。

〇飲酒後

お酒やビールを飲んだら、通常より多めの水分を摂る必要があります。寝る前や目が覚めた時にコップ1杯の水を飲みましょう。

〇運転中

窓を閉めてエアコンを使用した車内では、汗が蒸発しにくいため、脱水が進みます。運転前に水分補給するか、500mlペットボトルを購入しておきましょう。


まとめ

これからの時期、気温の上昇にともない体から失われる水分は多くなります。歩くだけでも汗の量は増えるので、脱水症や熱中症予防のためには、昼夜問わずこまめに水分補給をすることが大切です。自分の健康は自分で守る気持ちで水分補給をする習慣を身につけて、これからの暑い季節を乗り切りましょう。

※参考:

https://www.suntory.co.jp/softdrink/news/pr/article/SBF0867.html