TOPICS
トピックス
2024/07/15
暮らし

部屋干しの衣類が臭うのはなぜ?
原因や対策、予防方法を解説

雨が多い時期の洗濯は、部屋干しが多くなります。そのため、部屋干しの衣類についた特有の嫌なニオイに悩まされている方もいるのではないでしょうか。衣類に嫌なニオイがつくと、洗い直しても簡単には取れません。

本記事では、部屋干しの衣類が臭くなる原因や対策、嫌なニオイを予防する方法を解説します。部屋干しした洗濯物のニオイにお困りの方は、ぜひ参考にしてください。

部屋干しの衣類が臭うのはなぜ?<br />
原因や対策、予防方法を解説

■部屋干しのニオイの原因

②-2AdobeStock_698094439.jpeg

洗濯物を部屋干しすると、なぜ臭いニオイが発生するのでしょうか。主な原因として次の2つが挙げられます。

 

<雑菌の繁殖>

天日干しは乾くのが早いうえに、日光消毒の効果が期待できるといわれています。一方、部屋干しは、乾くまでにどうしても時間がかかります。湿ったままの時間が長いことで洗濯物に付着した汚れに雑菌が繁殖し、嫌なニオイが発生するのです。

<洗濯槽のカビ>

洗濯槽の裏側は、衣類の汚れや解け残った洗剤カスを栄養にして、カビが繁殖しやすい環境になっています。定期的に掃除しなければ、カビが繁殖して洗濯物に移り、ニオイの原因になります。


■部屋干しでニオイがついた場合の対策

②-3AdobeStock_457623768.jpeg

部屋干しした洗濯物に嫌なニオイがついてしまうと、洗い直しても簡単には取れません。ここでは、洗濯物にニオイがついてしまったときの対策を解説します。

 

<熱湯で消毒する>

雑菌は熱さに弱いため、熱湯で消毒します。大きめの鍋に40度~60度のお湯を入れ、30分ほど煮て消毒しましょう。それでもニオイが取れない場合、酸素系漂白剤を入れると消毒効果が大きくなります。ただし、アルミ製の鍋は変色しやすいため、ステンレスかホーローの鍋を使いましょう。また、衣類の素材には熱に弱いものもあるため、必ず洗濯表示を確認してから行ってください。

<乾燥機を使う>

乾燥機は高温で乾燥させるため、雑菌を死滅させられます。ニオイが気になる衣類は、洗濯してすぐに乾燥機で乾かしましょう。乾燥機を使う場合も洗濯表示の確認が必要です。乾燥機の使用は衣類が縮んだり型崩れしたりする場合があるため、お気に入りの洋服は避けておくことをおすすめします。

<アイロンをかける>

部屋干しのニオイが気になる衣類にアイロンをかけて、雑菌を死滅させる方法もあります。アイロンの設定温度は60度以上にします。スチーム機能は水分が衣類に残るおそれがあるため、使わないようにしましょう。アイロンをかけてもよい素材かどうか、洗濯表示を確認してから行ってください。


■部屋干しのニオイを予防する11の方法

洗濯する前から洗濯物を干すときまでの、部屋干しのニオイを予防する方法を解説します。

 

1.洗濯槽に洗濯物をためておかない

洗濯物を次に洗濯するまで洗濯機の中にためておくと、洗濯槽のカビや雑菌が洗濯物に移ってしまう恐れがあります。洗濯物は、通気性のよい洗濯カゴに入れておきましょう。こうすることで湿気がたまりにくくなり、カビの繁殖を抑えることができます。

2.洗濯槽を定期的に掃除してきれいに保つ

洗濯槽は湿気がたまりやすく、洗剤カスなどカビの栄養分も多いため、カビが繁殖しやすい環境です。きれいに見えても裏側にカビが繁殖している可能性があります。定期的に洗濯槽クリーナーなどで掃除しておきましょう。つけ置きすると汚れが浮き出てくるため、洗濯槽の汚れをきれいに除去できます。洗濯後は洗濯機のフタを開けておき、中を乾燥させることもカビ予防に効果的です。

3.洗濯機に詰め込みすぎない

洗濯機に洗濯物を詰め込みすぎるとしっかり回らないため、なかなか汚れが落ちません。汚れが落ちていないと雑菌が繁殖して、ニオイの原因になります。洗濯機の容量は9kg、10kgなど「kg」での表示ですが、実際の洗濯物の重さはわかりにくいため、一度に洗う量は洗濯機の7割を目安にしておきましょう。

4.部屋干し用洗剤を使う

洗剤の中には部屋干し用もあります。部屋干し用洗剤には、通常の洗剤より除菌・抗菌成分が多く含まれています。部屋干しは天日干しのように、紫外線による殺菌効果を期待できません。除菌効果や抗菌効果が高い部屋干し用洗剤を使うことで、菌によるニオイの発生を予防できます。

5.洗剤は適量を使う

洗剤の量が少なすぎると汚れがきれいに落ちずに菌のエサになりますが、入れすぎると洗剤が残り、雑菌が繁殖する原因になります。ニオイを予防するためには、適量を使うことも大切なポイントです。洗剤に記載されている適量を確認して使いましょう。

6.すすぎに風呂の残り湯を使わない

節水のためにお風呂の残り湯を洗濯に使用する方もいるでしょう。しかし、残り湯は皮脂などの汚れや雑菌を含んでいるため、洗濯に使用すると衣類に付着してニオイの原因になります。残り湯を使う場合は洗うときだけにして、最後のすすぎには水道水を使いましょう。

7.できるだけ水分を取り除く

部屋干しで発生するニオイは、乾燥までに時間がかかることが原因です。脱水時に、より水分を取り除けるよう工夫して、ニオイを予防しましょう。

脱水の前に一旦洗濯機を止め、乾いたバスタオルを入れてから脱水をスタートすると、タオルが水分を吸い取ります。洗濯物に残る水分がより少なくなり、乾きやすくなります。タオルの繊維が衣類について気になる場合は、ネットに入れて洗濯するとよいでしょう。また、2回脱水すると洗濯物の水分をしっかり切ることができるため、早く乾燥させられます。ただし、洗濯物の素材によっては傷んだりシワになったりするため、デリケートな素材は1回目の脱水で取り出しておきましょう。

②-4AdobeStock_753400604.jpeg

8.乾きやすいように干し方を工夫する

洗濯物の干し方を工夫することで、より早く乾かせます。部屋干しは、次のような干し方を意識しましょう。

● 間隔を空けて干す

● アーチ状に干す

● できるだけ重ならないように干す

洗濯物を詰めて干すと風が通らないため、なかなか乾かずにニオイの原因になります。最低でもこぶし1つ分の間隔を空けて干しましょう。また、外側は長くて乾きにくいもの、内側は短くて乾きやすいものを干してアーチ状にすると、空気の流れが生まれて乾きやすくなります。できるだけ重なる部分がないように干すことも、早く乾かすポイントです。厚みのある生地は、太めのハンガーを使って重なりを減らしましょう。乾きにくいフード部分は、ピンチハンガーで持ち上げると重なりを減らせます。

9.風通しのよい場所に干す

部屋干しする場所は、家の中でも風通しのよい場所を選びましょう。できるだけ早く乾かすことで、雑菌やカビの繁殖を抑えられます。部屋干しにおすすめなのは、部屋の中央や浴室などです。

部屋の中央は空気の通り道で風が通りやすいため、洗濯物をできるだけ早く乾かせます。浴室には換気扇があるため、空気の流れを作ると洗濯物が早く乾きます。浴室は突っ張り棒を設置しやすいため洗濯物を干しやすく、来客があっても目につきません。

一方、避けた方がよい場所はカーテンレールです。ハンガーをかけやすい場所ですが、部屋干しには適していません。カーテンは意外と汚れていることが多いため、カーテンレールに干すと、洗ったばかりの洗濯物に汚れが付くおそれがあります。また、カーテンに洗濯物の水分がつくため、カビの原因にもなります。さらに洗濯物の重みにより、カーテンレールが曲がる可能性もあります。カーテンレールは手軽に干しやすい場所ですが、部屋干しに使うのは避けましょう。

②-5AdobeStock_502927017.jpeg

10.サーキュレーターを活用する

サーキュレーターで空気を循環させると洗濯物が早く乾くため、部屋干しのニオイ予防におすすめです。扇風機も風をあてられますが、空気を循環させることが目的のサーキュレーターの方が、洗濯物を早く乾かす目的には向いているでしょう。

サーキュレーターを活用して効率よく洗濯物を早く乾かすには、干し方に工夫が必要です。風の通り道を作るように、間隔を空けて干しましょう。サーキュレーターは洗濯物の下に置き、首振り機能を使ってまんべんなく風が当たるようにします。洗濯物が多いときは、横に設置して首振り機能を使うと全体に風を送れます。

11.エアコンや除湿器を利用する

部屋干しすると室内の湿度が高くなります。窓を開けると湿気を外へ逃がすことができますが、雨が室内に入るような激しい雨天の場合は換気が困難です。そんな時は、エアコンの除湿機能や除湿器を使って室内の湿度を下げましょう。サーキュレーターと組み合わせると、より早く洗濯物を乾かすことができます。


■まとめ

部屋干しで衣類が臭くなりやすいのは、乾くまでに時間がかかって菌が繁殖しやすいことが原因です。また、洗濯槽のお手入れ不足でカビが繁殖している場合も、ニオイの原因になります。一度臭いニオイがついてしまうと、菌を除去しなければニオイはなかなか取れないため、手間がかかります。

部屋干しする際は、できるだけ早く乾くように、ご紹介したニオイの対策や予防方法を取り入れて、部屋干しの嫌なニオイを防ぎましょう。