カビの胞子は目には見えませんが、空気中に漂っており、快適な場所を見つけると、あっという間に成長して繁殖します。意外にも押入れは、カビが生える条件が整いやすい場所といわれています。カビの生えやすい条件は下記の3点です。
<温度>
カビが生育可能な温度は0℃~40℃と範囲が広く、なかでも20℃~30℃の環境で急速に増殖が進みます。カビは、人間と同じ居住環境に居心地の良さを感じるといえます。押入れは、通常扉を閉めている状態です。そのため、押入れ内の空気の流れが少なくなり、空気がこもりやすくなります。このような押入れは、カビにとっては適温が維持されやすい環境となるのです。
【参考】
<湿度>
カビは空気中から水分を取り込んで生育するため、湿気がある場所を好みます。湿気が多くなればなるほど、カビは活発に繁殖活動を行い、湿度が60%を超えると、カビは生育し始め、75%以上になると爆発的に繁殖の速度が上がります。布団の使用後に、すぐ押入れに収納すると、布団の湿気が押入れ内の湿度を高めてしまいます。空気が滞留してより湿気がこもりやすくなった押し入れは、カビにとっては繁殖できる格好の場所となります。
<栄養分>
ホコリや皮脂などの汚れ、食べかす、虫の死骸、木材、畳などがカビの好む栄養となります。汗や皮脂などが付いた布団、着用したまま洗濯していない衣類などを押入れにしまうことで、カビの栄養源が豊富にある場所となってしまいます。