日焼け止めは塗るだけでよいので手軽ですが、ドラッグストアなどではさまざまな商品が販売されているので、どれを選べばよいのか悩む方も多いでしょう。日焼け止めの種類やタイプ別の特徴などを解説します。
【日焼け止めの種類】
日焼け止めには大きく分けて「紫外線散乱剤」と「紫外線吸収剤」の2種類があります。それぞれ次のような特徴があります。
●紫外線散乱剤:太陽からの紫外線を反射・散乱させて肌を日焼けから守る
●紫外線吸収剤:紫外線を吸収して熱に変換させ、肌を日焼けから守る
紫外線散乱剤は肌に塗ると白っぽくなりやすいですが、肌への負担は比較的軽いため、肌が弱い方でも使用できます。一方、紫外線吸収剤は白浮きしにくく、汗で崩れにくいなどのメリットがありますが、紫外線散乱剤に比べると肌に負担がかかります。
肌が弱い方や敏感肌の方は、紫外線散乱剤を選んだ方がよいでしょう。「紫外線吸収剤不使用」「ノンケミカル」などの表示があれば、紫外線散乱剤を使用した日焼け止めです。
【日焼け止めのタイプ】
日焼け止めにはさまざまなタイプがあります。使用感の好みや容器の使いやすさなどで選びましょう。
<クリームタイプ>
クリームタイプの日焼け止めは、保湿力が高いことが特徴です。汗で落ちにくいウォータープルーフタイプもあります。
<乳液タイプ>
乳液タイプも保湿力があります。クリームタイプに比べると伸びやすいため、広範囲に塗りやすいでしょう。
<ジェルタイプ>
ジェルタイプは軽くさっぱりした使い心地で、べたつきにくいことが特徴です。伸びがいいので塗りやすいですが、紫外線吸収剤を使っているものも多いため、肌が弱い方は注意が必要です。
<スプレータイプ>
スプレータイプは手を汚さずにつけられることや、背中など手が届きにくいところに塗りやすいことがメリットです。髪にもつけられますが、顔に塗るときは直接スプレーせずに手にスプレーしたものを塗りましょう。手軽に塗れて便利ですが、塗りムラができやすいことがデメリットです。
<パウダータイプ>
パウダータイプは低刺激の商品が多いため、肌の弱い方や子どもの肌におすすめです。日焼け止め効果だけでなく、汗やテカリを抑える効果も期待できます。
【SPFとPAが表す意味】
日焼け止めには、SPF値とPA値が記載されています。SPFとPAの数値は、高ければ高いほどよいというわけではなく、シーンや季節などに合わせて選ぶことが大切です。また、いくらSPF値やPA値が高い日焼け止めでも、時間が経てば汗や擦れで落ちてきます。2〜3時間に1回は塗り直しましょう。
<SPF>
SPFとはSun Protection Factorの略で、肌に炎症を起こす紫外線「UV-B」に対する防止効果を示します。UV-Bは波長が短く、表皮にダメージを与えます。肌が真っ赤に焼ける「サンバーン」や肌が黒くなる「サンタン」を引き起こし、シミやそばかす、乾燥の原因にもなります。
SPFの数値は、何も塗らない場合に比べてUV-Bによる炎症をどのくらい長く防止できるかを表すものです。最高値は50で、50以上はSPF50+と表示されます。数値が高いほどUV-Bへの防御効果が高いです。ただし、数値が高い日焼け止めは肌への負担も大きくなるといわれているため、使うシーンに適した日焼け止めを選ぶのがよいでしょう。利用シーンの目安としては以下のようになります。
●SPF10~20:短時間の散歩や買い物などの日常生活
●SPF20〜40:屋外での軽いスポーツ、レジャーなど
●SPF40~50:炎天下でのお出かけ、マリンスポーツなど
●SPF50+:炎天下で長時間活動するとき、スポーツ、レジャーなど
<PA>
PAとはProtection grade of UVAの略です。UV-Aは波長が長くて肌の真皮層にまで届くため、急激なダメージは与えないものの、シミやシワ、ハリ・弾力の低下の原因になります。
PAは効果の度合いが+で表示され、PA+~PA++++までの4種類があります。生活シーンや季節、外出時間の長さに合わせて選びましょう。利用シーンの目安は以下のとおりです。
●PA+:短時間の散歩や買い物などの日常生活
●PA++:屋外での軽いスポーツ、レジャー
●PA+++:炎天下でのスポーツ、レジャー、マリンスポーツなど
●PA++++:紫外線が非常に強い場所や長時間炎天下で過ごすとき