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2024/08/26
住まい

V2Hとは?
仕組みや種類、メリットや導入時の注意点、設置目安費用や活用できる補助金、設置の流れについて解説します!

新築注文住宅を建てようと情報を集めていると、「V2H」という言葉を目にすることがあります。「V2Hって何?」と思った人も多いのではないでしょうか。

今回は、V2Hとはどういうものなのか、特徴やメリット、導入時の注意点・費用、活用できる補助金などについて紹介します。

V2Hとは?<br />
仕組みや種類、メリットや導入時の注意点、設置目安費用や活用できる補助金、設置の流れについて解説します!

■V2Hとは?その仕組みや種類についても解説

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V2Hとは、大きな容量を持つ車載バッテリーを家庭用の蓄電池として活用できるシステムのことです。このV2Hについて、特徴や種類を解説していきます。

 

【V2Hとは?】

V2Hとは「Vehicle  to Home」の略語で、クルマ(Vehicle)から 家(Home)に電気を供給することを意味しています。電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)の車載バッテリーに蓄えた電力を家に放電することで、家庭用電力として使えるシステムがV2Hです。

停電時には、非常用電源として活用できるだけでなく、単価の安い夜間電力を車載バッテリーに蓄えておいて日中に使うことで電気代の節約にもつながります。太陽光発電を設置しているなら、余剰電力を車載バッテリーに充電しておくことで、効率よく電気を使えるメリットもあります。

 

【V2Hの仕組み】

V2Hは専用の機器を設置することで、EVやPHEVへの充電はもちろん、車載バッテリーに蓄えておいた電力を家庭用として使えるようになります。

 

【V2Hの種類】

V2H機器にはいくつかの種類がありますが、大きくは「非系統連系型」と「系統連系型」の2つのタイプにわけられます。

「非系統連系型」は、電源を切り替えていずれかの電力のみを使用するものです。EVやPHEVからの給電中は、電気会社から送られてくる電力などの他の系統の電気を使えません。「系統連系型」は、車載バッテリーや電力会社から送られる電力、太陽光発電でつくられた電気など、複数の系統の電力を同時に使用することが可能です。

「非系統連系型」と「系統連系型」ともに、太陽光発電と連携可能なものがあります。太陽光発電と連携することで、余剰電力をうまく活用できます。


■V2Hのメリットと導入時の注意点

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ここでは、V2Hのメリットと導入時の注意点を解説します。

 

【V2Hの5つのメリット】

V2Hには、停電時にご自宅で電気が使える、電気代の節約につながるなどのメリットがあります。

① 非常用電源として活用できる

台風や地震などの自然災害の際には、停電が発生することがあります。V2Hを導入すると、停電時にもご自宅に電力が供給できるため、しばらくの間はいつもと同じように電気を使えます。

② EVやPHEVの充電時間が短縮できる

ガソリン車とは異なり、EVやPHEVは充電時間が長くかかります。V2Hで充電すると充電時間が短縮できます。

③ 電気代を削減できる

電気単価の安い夜間時間帯などにEVやPHEVを充電し、昼間は車載バッテリーに蓄えた電力を家庭用として使うことで電気代を削減できます。

④ 太陽光発電や家庭用蓄電池と連携することにより効果的に運用できる

昼間に太陽光発電で創った余剰電力でEVやPHEVの車載バッテリーに充電することで、さらに効果的な運用が可能になります。

⑤ 補助金が活用できる

V2Hを導入する際、要件を満たすことで国や自治体の補助金を活用できます。たとえば埼玉県内で新築注文住宅を建てる際には、経済産業省だけでなく、埼玉県の補助金が申し込めます。

 

【V2Hを導入する際の注意点】

V2H を導入する際に気をつけておきたいポイントをご紹介します。

◆V2H の対応車種が限られている

V2H を導入する際に注意したいポイントの一つは、対応する車種が限られていることです。

今乗っている車が対応車種であれば問題ありませんが、対応車種でない場合は、新たに対応車種を購入する必要があります。自家用車を買い替えるタイミングでV2Hを導入するのも方法の一つです。また、V2H対応車種がCEV補助金の対象となっているものもあるため、補助金の活用も併せて検討してみるとよいでしょう。

【参照】R5年度補正CEV補助金のご案内_CEV補助金_CEVの補助金交付を行う次世代自動車振興センター (cev-pc.or.jp)

◆EVやPHEVの車載バッテリーが劣化しやすい傾向がある

EVやPHEVの車載バッテリーは、充電回数が多いほど劣化しやすい傾向があるといわれています。しかし、最新車種の車載バッテリーは、容量はもちろん耐久性能も向上しています。V2Hの導入の際に、EVやPHEVの購入を検討しているなら、車載バッテリーについて詳しく確認するようにしましょう。

初期費用が多くかかる

V2Hは導入費用が多くかかります。毎月かかるランニングコストと削減が期待できる電気代とのバランスを考えながら、V2Hの導入を検討しましょう。

設置の際に一定の条件がある

V2Hの設置には、設置スペースの広さや設置場所などをはじめ、一定の条件があります。新築注文住宅を建てる際に、V2Hの導入を検討しているなら、駐車スペースの広さやV2H機器の設置場所などを確保したプランにしておきましょう。


■V2H設置時の費用の目安

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V2H設置時の費用の目安について解説します。

 

<V2Hの設置費用の目安>

V2Hは、コンデンサなどの電子部品の開発・製造・販売を行っているニチコン株式会社が2012年に世界で初めて販売を開始したシステムです。設置費用については、メーカーや機器の種類などにより大きく異なりますが、既存住宅での導入の際には、80~200万円程度が費用の目安といわれています。最近では、パナソニックなどの住宅設備会社やオムロンなどの電気機器メーカーからもV2Hシステムが販売されており、今後、価格が変動する可能性もあります。

 

<補助金を活用すればV2Hの費用が抑えられる>

V2Hは、要件を満たすことで、国や自治体の補助金が活用できます。補助金を活用することで、V2Hの設置費用を安く抑えられます。活用できる補助金は以下の通りです。

●経済産業省:令和5年度補正予算・令和6年度当初予算「クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金」

【補助額】最大45万円

【受付期間】2024年8月19日~9月下旬 ※予算に達し次第受付終了となります。

●埼玉県;【令和6年度】家庭における省エネ・再エネ活用設備導入補助金

【補助額】1件につき10万円 ※ただし、蓄電池に対する補助金については、太陽光発電の設置が条件となります。

【受付期間】2025年1月31日まで ※予算額の範囲を超えた場合は受付を終了することもあります。

【参照】

令和5年度補正予算・令和6年度当初予算「クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金」|経済産業省

一般社団法人次世代自動車振興センター (cev-pc.or.jp)

【令和6年度】家庭における省エネ・再エネ活用設備導入補助金 - 埼玉県


■新築注文住宅におけるV2Hの導入の流れ

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V2Hの導入の流れについて解説します。

 

【新築注文住宅ならV2Hの導入がおすすめ】

V2H導入の際には、駐車スペースと設置機器との距離をはじめ、機器の設置やメンテナンススペースを確保する必要があります。

既存住宅の場合、駐車場が建物から離れている、スペースが確保できないなどの理由で、V2H機器が設置できず、システムが導入できないケースがあります。しかし、新築注文住宅の場合は、プラン段階でスペースを確保して設置できるほか、設置工事や電気配線工事などもほかの工事と併せて行えるため、費用を抑えられる傾向があります。

また、V2Hは住宅設備の一つであるため、住宅ローンに組み込むことが可能です。V2H導入には高額な費用がかかるため、住宅ローンを活用することで、V2H導入のための資金をあらかじめ用意する必要もなくなります。

 

【新築注文住宅におけるV2Hの導入の流れ】

新築注文住宅を建てる際にV2H導入を行うと、ほかの住宅設備と同様に、全体のプランと合わせて検討できます。V2H導入の流れは以下の通りです。

 

① 設置するV2H機器を決める

プラン時にほかの住宅設備と合わせて、V2H機器を選択します。最新モデルには、暮らしをより便利にするための多彩な機能が搭載されているものもあります。ライフスタイルや予算などから、新しい生活に合わせた機器を選ぶとよいでしょう。

太陽光発電を設置する場合は、連携タイプの機器を選ぶと太陽光発電をうまく活用できます。

② 設置する場所を決める

V2H機器が決定したら、設置場所を検討していきます。機種によって本体のサイズや重量が異なるほか、据置型や壁掛けタイプなどがあります。また「EVから〇m以内」「分電盤から〇m以内」 といった条件があるため、ハウスメーカーや工務店の担当者、設計士と情報を共有しながら、プランニングを進めていきます。

③ 工事請負契約を締結する

全体のプランと費用が決まったら、工事請負契約を締結します。この際に仕様書などが提示されるため、希望するV2H機器が記載されているかを確認しておきましょう。また、補助金の申込を行うなら、着工前に交付申請をする必要があるため、このタイミングで忘れずに交付申請を行うようにしましょう。

④ 工事開始

工事が始まったら、進捗状況を定期的に確認し、計画通りに進んでいるかどうか確認しましょう。何か問題が発生した場合には、すぐに担当者と連絡を取り合い、対応策を協議しましょう。

⑤ 引き渡し

工事が完了したら、引き渡しです。引き渡し時には、V2H機器をはじめ、住宅設備についての取扱方法をヒアリングし、実際にご自身で操作ができるかを確認しておきます。また、操作が分からなくなった時などの問い合わせ先のほか、保証やアフターメンテナンスの内容もしっかりと確認しておきましょう。


■エコハウス・スマートハウスを検討しているなら住宅展示場に行こう

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新築注文住宅を建てる際に、「家を建てるなら、住む人にも環境にもやさしい家にしたい」と、エコハウスやスマートハウスを検討しているなら、住宅展示場に足を運んでみましょう。

住宅展示場に行くと、実際のエコハウスやスマートハウスを見学できるほか、事前に予約してから行くと担当者からより詳しい説明を聞くことができます。

V2Hに力を入れているハウスメーカーや工務店も増えてきています。住宅展示場に行く際には、事前にいくつかのハウスメーカーや工務店の予約しておくと、それぞれの家づくりや住まいに対する考え方などを比較しやすくなります。

埼玉県総合展示場ナビはこちら→埼玉総合住宅展示場ナビ

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■まとめ

V2Hは、販売が開始されてからまだ新しいシステムですが、今注目されている住宅設備の一つです。V2Hを導入することで、より効率的にエネルギーを活用して電気代が節約できるだけでなく、災害時などの停電の際には、非常用電源として使えるなど、多くのメリットがあります。

新築注文住宅を建てる際には、V2Hの導入を検討してみましょう。