プロのカメラマンがよく実践するのが、ここぞと思える場所を探したら、そこへ何度も足を運んで、異なる時間や季節ごとに撮り続けるという方法です。カメラの角度や露出なども変えて、とにかくたくさん撮ってみると、中には驚くような美しい写真が撮れることがあります。これは時間がかかりますが、これから紹介する方法を試してみると、それほど時間はかからずに美しい写真が撮れるかも知れません。
私だけの絶景写真を撮る方法~SNSや写真投稿サイトにも効果
最近は自分で撮影した風景写真をSNSで紹介したり、写真投稿サイトにあげたりと、お気に入りの風景を楽しんでいる方が増えているようです。しかし、一般的な絶景地はすでに多くの写真がネットなどで紹介されているので、普通に撮っても誰も興味をもってくれないでしょう。そこで今回は、有名な場所でなくても、自分だけの絶景の場所の探し方や写真の撮り方についてご紹介します。
日時を変えて同じ場所を撮り続ける
早朝の霧と光で幻想的な写真に
早朝は光と霧が調和して幻想的な風景を創り出すことが多くあります。前日に雨が降った翌朝、川や池の近くの森林では、水蒸気が森の中に立ち込め、そこに朝日の優しい光が射し込むと、そこ一面は幻想的で美しい空間に変わります。また、池や川の水面付近に発生する川霧も絶景といえるでしょう。温かい水面に冷たい空気が流れ込んで湯気のような霧が現れる現象で、初冬によく見られます。
絶景の場所はいつでも絶景というわけではなく、季節や時間、気候などによって変化し、絶景となるタイミングがあります。それは景勝地も同じで、季節や時間、見る場所などで異なる景色となります。撮影に出かける時には、天気予報アプリなどでその地域の気候を調べておくと、グッドタイミングでベストショットが撮れるかも知れません。
マジックアワーやブルーアワーを狙う
カメラマンの世界では日の出後と日没前の10分程の時間帯のことを「マジックアワー」とか「ゴールデンアワー」と呼びます。太陽からの光線が日中より赤く、金色に輝いて見えることからそのように呼ばれるそうです。また、日の出前と日没後に空が濃い青色に染まるわずかな時間帯のことは「ブルーアワー」とも呼ばれています。そして、このマジックアワーやブルーアワーの時間帯こそが絶景が見られる千載一遇のチャンスなのです。
これらの時間帯では、街の風景も全体的に赤や青の色合いが増しますが、意識しなければその変化には気づきません。できれば高い場所からその地域を見渡してみると、赤や青に染まった街の風景や空を眺めることができると思います。写真に撮ってみると、全体的に黄色くなったり青っぽかったりするので、わかりやすいでしょう。最近は日昇日没時間を教えてくれるアプリなどもあるので、活用してみても良いでしょう。
梅雨や晩秋の朝焼け・夕焼けはいつでも絶景
夕焼けや朝焼けはいつ見ても絶景です。朝方と夕方は赤やオレンジなどの波長の長い光が多く、その光が大気中の水蒸気で散乱されて空が赤く染まって見えるのです。そのため霧がかった日や雨が降った翌日は、大気中に水蒸気が増えるため夕焼けが出やすくなります。季節的には雨の多い梅雨や晩秋に多く見られます。夕焼けが現れそうだと思ったら、高い場所を見つけて、街と空が赤く染まった一枚の絵画のような風景が狙えるかも知れません。
冬は雪景色の街も絶景
雪の積もった朝はあらゆる所に絶景が出現します。まだ陽が昇らない早朝に外に出てみると、目の前には白い衣装につつまれた家並みが出現。車も人もいない、静まり返ったモノクロームの街は不思議な世界を見せてくれます。日中の強い日差しとは異なり、夜と朝の隙間に現れる灰色のおぼつかない色合いの街並みは、その瞬間にしか味わえない絶景空間といえます。
地元の路地や緑道、田畑、寺社は隠れた絶景
日本では街や村がいつまでも美しい姿を残し続けるのは困難でした。田畑や森林には住宅や商業施設、マンション等が建ち並び、ごちゃごちゃした街に生まれ変わるのが時代の流れだったからです。とは言え、いまでも街を歩けば、古くから継承されてきたと思える味わいのある建物や場所はまだ残っています。例えば、地元の人しか知らない路地や緑道、田畑などは、写真にするととても素敵な場所に見えます。季節ごとに風景が異なり、同じ場所とは思えないカットが撮れることがあります。地元にも意外と隠れた絶景ポイントがあるかも知れません。
まとめ
写真を撮るといえば、景色や風景が中心になると思いますが、有名な絶景ポイントだけではなく、季節や時間によっては身近な場所にも狙えるポイントはたくさんあります。また、写真を撮るとなると、やはり人を被写体にすると素敵な瞬間がたくさん撮れると思います。特に子どもの写真、それも笑顔いっぱいの写真は最高ですね。
住宅展示場では、年間を通じて季節イベントを多数開催していますので、街の風景を撮影しに出かける時には住宅展示場に立寄って、イベントに参加する家族や子どもたちの写真を撮影してみてはいかがでしょう。きっと素敵な写真が撮れると思います。