ほとんど毎日使用する洗濯機だからこそ、汚れも溜まりやすいものです。溜まった汚れが嫌な臭いを放つようになりますが、洗濯機から漂う嫌な臭いにはいくつかの種類があります。代表的な臭いは、「カビの臭い」「雑巾のような生臭い臭い」「洗剤カスの臭い」「下水やドブのような臭い」の4種類です。
次に、これらの4種類の悪臭がなぜ洗濯機から漂ってくるのかをそれぞれ解説します。
毎日の暮らしから出る洗濯物をまとめて洗ってしてくれる洗濯機は、もはや日々の生活には欠かせません。しかし、洗濯機に汚れたものを入れて稼働させているにもかかわらず、洗濯機自体のお手入れは後回しになりがちではないでしょうか。一見、きれいに見える洗濯機ですが、不快な臭いが漂うようになってきたら、すでに汚れが蓄積している可能性があります。
本記事では、洗濯機から嫌な臭いが発生する原因や、臭いに気づいたときにすぐにできる対処法、嫌な臭いを予防するコツについてご紹介します。汚れた洗濯機で衣類を洗うことのないよう、臭いの原因を突き止めて、清潔な洗濯機を使いましょう。
ほとんど毎日使用する洗濯機だからこそ、汚れも溜まりやすいものです。溜まった汚れが嫌な臭いを放つようになりますが、洗濯機から漂う嫌な臭いにはいくつかの種類があります。代表的な臭いは、「カビの臭い」「雑巾のような生臭い臭い」「洗剤カスの臭い」「下水やドブのような臭い」の4種類です。
次に、これらの4種類の悪臭がなぜ洗濯機から漂ってくるのかをそれぞれ解説します。
洗濯機が臭うのは、洗濯機のどこかに原因となる汚れがこびりついているためです。何の臭いで、どの部分から放たれる臭いなのかを確認しましょう。
洗濯機のフタを開けたときカビのような臭いがしたら、洗濯槽の裏側にカビが発生している可能性があります。洗濯槽の内側はきれいに見えるため、その裏側にカビが生えている状態は想像しづらいかもしれません。カビは、温度が0℃~40℃という広い範囲で生育が可能で、ジメジメとした湿度の高い場所を好みます。ホコリや皮脂などの汚れ、食べかす、溶け残った洗剤などがカビの栄養源になるため、洗濯後に残った汚れがカビの増殖を進めてしまいます。洗濯槽はカビの発生する条件が揃いやすく、カビにとっては快適な繁殖場所になります。
洗濯を終えた後、ホコリなどが入らないように洗濯機のフタを閉めている方も少なくないのではないでしょうか。洗濯機の内部では、空気の通り道がなくなることで、湿気と熱がこもり、残された汚れを栄養としてカビが活発に繁殖活動を始めてしまいます。もし洗濯した衣類に黒っぽいワカメのようなカスが付いていたら、それは洗濯槽にカビが生えている可能性あります。その場合は、早急にチェックしてカビを取り除くことが大切です。
洗濯機から雑巾のような生臭い臭いがしたら、菌が繁殖している可能性があります。洗濯前の土や汗、皮脂などの汚れが付いた衣類や、濡れた洗濯物を洗濯機に長時間放置していると、雑菌が繁殖しやすくなります。雑菌はカビと同様、温度・湿度・栄養という条件が揃うと急速に繁殖し始め、しかも増殖するスピードはカビよりも速いといわれています。
洗濯槽のお手入れが不十分だと、洗濯槽の裏側には日々の洗濯により、たくさんの菌が集まって構成されたバイオフィルム(キッチンの排水口などに見られるヌメリ)が付着していきます。臭いの原因となる菌が、このバイオフィルムの中で洗剤カスなどの栄養を得てどんどん増えていきます。このような洗濯機で洗濯をすると、衣類にも菌をつける恐れがあるため注意が必要です
溶けきれなかったり、すすぎで流しきれなかった洗剤や柔軟剤は、カビや雑菌と混ざり合って嫌な臭いを発生させます。もともとは良い香りだった洗剤や柔軟剤が、溶け残って蓄積されることで洗剤カスとなり、不快な臭いのもとになります。
下水やドブのような臭いが洗濯機から漂ってきたら、洗濯機の排水口が原因かもしれません。下水道からの臭いを防ぐために取り付けられている「排水トラップ」に問題があり、排水口と排水ホースが汚れていたり、髪の毛やホコリなどで詰まっていたりする可能性があります。
洗濯機から発せられる嫌な臭いを放っておくと、不快な気分になるだけでなく、きれいになるはずの洗濯物もカビや菌などの汚れに汚染されてしまい、不衛生な状態になる恐れがあります。洗濯機自体を長持ちさせるためにも、たまった汚れを徹底的に取り除きましょう。
洗濯機の嫌な臭いを消し去るには、洗濯機の内側を掃除するのが最も有効な方法です。見えない、手の届かない場所のカビや雑菌、洗剤カスを「洗濯槽クリーナー」を使ってきれいさっぱり取り除きましょう。薬剤を使用するため、換気をしながら作業を行ってください。
市販の洗濯槽クリーナーには、「塩素系」と「酸素系」の2種類があり、塩素系のクリーナーは特にカビに強く、カビや菌を溶かして落とす力がとても優れています。全自動洗濯機(縦型)にもドラム式洗濯機にも使えます。ただし、刺激が強いため取り扱いには十分注意が必要です。一方、酸素系のクリーナーは、発砲の力で洗濯槽の汚れをはがして落とします。カビや菌、洗剤カス、ホコリなどのさまざまな汚れに対して洗浄力を発揮します。塩素系特有のツンとした臭いもなく使いやすい点が魅力ですが、クリーナーによってはドラム式洗濯機では使用できない場合があるため、確認してからご使用ください。
糸くずフィルターや排水フィルターは、洗濯時や排水時に出たゴミが溜まるため、そのままにしておくとカビが生えたり、洗浄力が弱まったり、排水がうまくできなくなったりする原因になります。糸くずフィルターは洗濯のたびに、排水フィルターは週1回を目安にお手入れを行ってください。
乾燥フィルターは、乾燥時に出た糸くずなどのわた状のゴミが溜まります。フィルターが目詰まりしたまま運転させると、乾燥時間が長くなり無駄な電力消費につながります。溜まったゴミは臭いの原因にもなるため、乾燥運転のたびにお手入れをしましょう。
洗剤や柔軟剤を注ぎ入れる洗剤トレイ(洗剤投入口)は、清潔なイメージがあるかもしれませんが、洗剤カスやカビが付きやすく意外にも汚れやすい場所です。取り外して水洗いをしてください。カビには、消毒用エタノールを吹きかけて殺菌します。その後は十分に乾燥させましょう。
億劫になりがちな排水口の掃除ですが、嫌な臭いを消し去りスッキリさせるために、汚れを徹底的に除去しましょう。
安全のため、必ず洗濯機の電源を切り、電源プラグを抜いた後に、排水口から排水ホースを取り外しましょう。ホース内に残っている水を受けるためのバケツを用意しておくと便利です。
通常、下水の臭いが上がってくるのを防ぐために取り付けられている「排水トラップ」が、排水口にしっかりと設置されているか確認しましょう。水が排水トラップ内に溜まることで、下水からの臭いを遮断してくれる重要な部品です。もし未設置の場合は、業者に相談するとよいでしょう。
次に、排水トラップに水が溜まっているか、もしくは減っていないか確認をします。排水トラップに水を注ぎ足すことで、洗濯機から漂う下水の臭いが消える場合もあります。
排水口内のパーツを順番に外して、古い歯ブラシなどで洗います。排水口や排水ホースの中に溜まっているゴミや髪の毛なども取り除きます。
もとの状態に排水口のパーツを取り付けてから、排水トラップにゆっくりと水を注ぎます。最後に、排水口に排水ホースをしっかり取り付けます。
洗濯機を掃除しても嫌な臭いが取れなかったら、相当頑固な汚れがこびりついているか、ほかに原因があるかもしれません。その場合は専門の業者に相談してみましょう。市販のクリーナーでは落とし切れなかった汚れや、家庭では掃除が難しい細かい部分の汚れを洗浄してくれます。
洗濯機がきれいになり、臭いの悩みも消え去ったら、再び嫌な臭いに苦しむことのないよう日々の予防を心掛けましょう。洗濯機から臭いが出るようになってからのお手入れには、時間と手間が余計にかかってしまうため、日々のちょっとした心掛けで臭いの発生を防ぎましょう。
洗濯した後は、洗濯機の中には水分が残っていてカビや菌が繁殖しやすい環境になります。湿気を飛ばして洗濯機の内部を乾燥させるために、洗濯機の使用中以外は、できるだけフタを開けておきましょう。同時に、洗濯機が置かれている部屋の窓やドアを開けて換気をすると湿度が下がりやすく、カビを抑制できます。「槽乾燥」の機能がある場合は、稼働させるとより効果的です。
汚れた衣類を直接洗濯機の中に入れることで、洗濯物をためておくためのスペースも取られず、洗濯する際も、多少手間が省かれ楽になるかもしれません。しかし、濡れたタオルが湿度を上げ、皮脂や汚れがカビや菌を発生させ、不快な臭いを生み出します。汚れた洗濯物は洗濯カゴにためておき、洗濯するときに洗濯槽内に入れてください。湿った衣類やタオルは、洗濯する直前までハンガーで吊るしておくと、生臭い臭いが付きにくくなります。
洗剤は溶け残ると洗剤カスとなり、カビ・菌の繁殖や詰まり、嫌な臭いの原因となります。洗剤を多めに使えば洗浄力が高まるような気がしますが、水に溶ける量は決まっているため、無駄になるだけでなく、溶け残って汚れとなってしまいます。洗濯洗剤や柔軟剤は、記載されている使用量を目安にして適量を投入しましょう。
お風呂の残り湯を使うと水の節約になったり、お湯洗いで汚れ落ちがよくなったりするため、残り湯を使用されている方もいると思います。しかし、残り湯の中の雑菌がお湯と一緒に洗濯槽に入るため、洗濯槽に雑菌を増やすことになります。洗濯槽の汚れと臭いのことを考慮すると、洗濯には残り湯は使用しないことがおすすめです。もし残り湯を使用する場合は、「洗い」のみにし、「すすぎ」は水道水で行うようにしてください。
適量の洗剤を使用しているのに、衣類や洗濯槽に洗剤や柔軟剤が残ってしまうようならば、「すすぎ」の回数を増やしてみてください。「すすぎ」が不十分だと、繊維の奥に入り込んだ洗剤がそのまま残ってしまう可能性があります。安心して衣類を身に付けるためにも、しっかりと「すすぎ」を行って、付着した洗剤をきれいに流しましょう。
洗い終わっても濡れたままの衣類をそのまま洗濯機に放置していると、洗濯機の中はカビや菌にとって最適な空間になります。あっという間にカビや菌が発生し、嫌な臭いも生まれてしまいます。洗濯が終了したら、きれいになった洗濯物をできる限り早めに取り出して、干すようにしてください。
嫌な臭いを放つくらい汚れが溜まっていると、洗濯機の洗浄効率も悪くなります。臭いも汚れもひどくならないように、定期的に洗濯機を掃除しましょう。嫌な臭いの原因になるカビや菌を繁殖させないために、月に1回程度は洗濯槽クリーナーの使用をおすすめします。そして、洗濯機を清潔に保つには、毎回洗濯機をしっかりと乾燥させることがポイントです。
洗濯洗剤と水で洗浄されているため、きれいなイメージのある洗濯機。しかし、洗濯機から嫌な臭いがしてきたら、もうその洗濯機は汚れている可能性があります。その場合は、衣類を洗濯する前に、洗濯機の汚れ落としに取り掛かりましょう。不快な臭いがどこから来るのかを突き止め、臭いの原因となっている汚れを落とします。
普段からの手軽にできるお手入れや対策によって、嫌な臭いは予防できますので、さっそく取り入れてみてください。