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2024/09/15
暮らし

床下収納の上手な使い方は?
活用するメリットや注意点を
解説

床下収納は、モノをスッキリと収納できる大変便利な収納スペースです。しかし、実際のところ、何を収納してよいのか今ひとつ分からない、せっかくの床下収納を有効活用できているのかと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、床下収納に適したモノや、床下収納を上手に使うためのポイントをご紹介します。床下収納に入れるモノには、向いているモノと不向きなモノがあります。ご自宅の床下収納の中に不向きなモノが入っていないか、そして、床下収納を有効に使えているかどうか確認してみましょう。

床下収納の上手な使い方は?<br />
活用するメリットや注意点を<br />
解説

■床下収納とは?

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床下収納とは、建物の床下に設けられた収納スペースのことです。一般的には、床の一部分を切り取って、プラスチック製の収納ボックスをはめ込み、フタをかぶせます。フタは床材と同じ材質で作られることが多いため、見た目にも不自然さはあまり感じられないつくりとなっています。

木造住宅の場合、建築基準法により「地面から床の上面まで45cm以上確保する」ことが定められているため、床下には空間が存在します。大部分がデッドスペースとなるこの床下が収納場所となり、有効に利用できることが大きな特徴です。

【参考】e-Gov 法令検索「建築基準法施行令 第二十二条一」


■床下収納にはどんなタイプがあるの?

床下収納の多くは、キッチンや洗面所などの水回りに設置されますが、和室など居室にも設けられます。設置する場所や使い勝手により、床下収納は主に次の3つのタイプから選ばれます。

 

【フタが外れるタイプ】

床下収納のフタを取り外せるため、収納物の出し入れがスムーズに行えます。大きさのあるモノでも出し入れしやすいタイプです。ただし、フタを丸ごと取り外すため、モノの出し入れの際にはフタの置き場所が必要となります。

 

【扉タイプ】

フタを扉のように開けるタイプで、片手で簡単に開閉することができます。ただし、扉がつながっている分、収納口が狭くなったり、扉が邪魔になったりして、モノの出し入れに多少の不便さを感じるかもしれません。

 

【スライドタイプ】

床下で、連結した複数の収納ボックスをスライドさせて使うタイプの床下収納です。収納口は1つですが、複数の収納スペースが確保できる点が魅力です。ただし、重いモノを入れたり、モノを多く入れすぎたりすると、スライドさせにくくなるため注意が必要です。


■床下収納におすすめの収納アイテム

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目隠しとなる床下収納には、あれもこれもとモノを入れたくなるものです。どのようなモノなら床下に入れて保管してよいのでしょうか。床下の収納に向いているアイテムがありますので、いくつかご紹介します。

 

<使用頻度が低いモノ>

床下収納のフタは床でもあるので、ある程度の頑丈さと重さがあります。また、床下収納からモノを出し入れする際には、しゃがんで動作を行うこととなります。頻繁に出し入れするとなると腰にも負担がかかり大変です。そのため、頻繁には出し入れしない季節用品や大型調理器具などがおすすめです。

重箱や来客用の食器、ピクニック用のお弁当箱、大鍋、卓上コンロ、かき氷機、ミキサーなど、毎日は使わないけれどたまに使うモノを収納するとキッチン空間もスッキリします。

 

<長期保存ができるモノ>

常温で長期保存ができるストック品も床下収納に適しています。

キッチンの床下収納には、ストック用の未開封の缶詰や瓶詰め、レトルト食品、調味料、ペットボトルなどがおすすめです。洗面所の床下収納は、ストック用の洗剤やシャンプー・ボディーソープ、お掃除グッズなどの日用品の収納に便利です。また、防災用の非常食や簡易トイレ、衛生用品などの防災グッズも床下収納に保管しておけば安心かもしれません。

 

<軽量だけどかさばるモノ>

キッチンペーパーやティッシュペーパー、トイレットペーパーなど嵩張るけれど買い置きが必要なモノは、急に必要になった時でも、軽いので比較的楽に床下収納から取り出せるためおすすめです。


■床下収納に入れてはいけないモノ

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生活空間をスッキリさせるのに重宝する床下収納ですが、入れてしまうと都合の悪いモノもいくつかあります。収納物を無駄にしてしまう可能性もあるため、以下の特徴のあるモノはできるだけ入れないようにしましょう。

 

<腐るモノ>

床下は涼しそうなイメージがあり、野菜類の保管によいのでは、と思う方もいるかもしれません。しかし、床下は生活空間と違って一定の温度に保たれてはおらず、湿度が高くなりやすい場所です。床下収納の内部は空気が淀みやすいため、食品は腐りやすくカビが生えやすい環境にあります。

ジャガイモやタマネギなどの根菜類も、湿気による腐敗やカビが生えてしまう可能性があります。さらに、食品の傷みにより虫が発生する恐れもあるため注意しなければなりません。パスタなどの乾麺や小麦粉などの粉類も湿気の影響が考えられるため、床下への収納はあまりおすすめできません。

 

<賞味期限が短いモノ>

床下収納は、出し入れの頻度が少ないモノを保管しておくスペースなので、賞味期限や使用期限が短めのモノを入れてしまうと、気づいたら期限切れになっていたという残念なことになるかもしれません。普段、あまり視界には入らないため、忘れやすい場所でもあります。期限に余裕のあるものを収納しましょう

 

<日頃よく使うモノ>

普段からよく使用するモノを床下収納に入れてしまうと、毎回のしゃがんで引っ張り出すという動作が苦痛に感じてしまいます。

 

<重いモノ>

重いモノばかりを入れてしまうと、収納ボックスにも体にも負担がかかってしまうため、なるべく避けましょう。収納できる重さにも上限があり、あまりにも重いモノを入れてしまうと収納ボックスが破損してしまう場合があります。モノを取り出す際も、床下から重いモノを持ち上げるとなると、相当の体力が必要になり大変です。


■床下収納のメリットは?

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床下収納の主なメリットとして、以下の3点が挙げられます。

 

◎収納場所を増やせる

特にキッチンや洗面所周りは、何かとモノが増えやすい場所です。床下収納に収納できれば、棚などを増やして生活空間を狭めることなく、スッキリとしたより効率的な生活空間を得られます

 

◎動線や視線の邪魔にならない

モノを収納するために収納家具を増やすと圧迫感が生じ、生活動線の妨げにもなります

床下収納は、普段の生活で使用しないデッドスペースを活用して、嵩張ったり置き場所に困ったりするストック品などをしまえる点がうれしいところです。

 

◎床下の点検口としても利用できる

床下は、水漏れや白アリ、基礎部分のひび割れの発生などの定期的な点検が必要です。その点検口として、床下収納が活躍します。収納ボックスをすっぽり外せばそこが点検口になり、床下に異常がないか確認することができます。床下収納が、大切な自宅を守る入口になります。


■床下収納のデメリットは?

生活をより豊かにしてくれるメリットがある一方で、床下収納にもデメリットとなる点がいくつかあります。

 

●出し入れしにくい

床下収納にモノを収納すると、床よりもさらに低い位置からモノを取り出さなくてはなりません。立った状態で出し入れはできないため、その都度かがむ必要があります。重いモノを出し入れする際は、とりわけ大変さを感じ、床下収納を利用するのが億劫になりかねません。

 

●床に段差ができる

床下収納のフタや枠、取手の部分に金具が使われているため、わずかではありますが、段差が生じてしまいます。そのため、つまずく原因になる可能性があるため、上にマットを敷くなど日頃から注意が必要です。わずかな段差があることで掃除機がかけづらかったり、ホコリが隙間に溜まりやすかったりもします。

 

●湿気が溜まりやすい

キッチンや洗面所に設置された床下収納は、近くに水道管が通っていることから特に湿気が溜まりやすく、カビが生える可能性と隣り合わせの場所です。なかでも梅雨時期は、収納するモノに注意を払う必要があります。カビが生えて、収納したモノがダメになってしまわないために、湿気に弱いモノは避け、湿気に強いモノを選んで保管するよう気を付けなければなりません。


■床下収納を上手に活用するためのポイント

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使い方次第で、床下収納の利便性がより一層高まります。ポイントを押さえて、床下収納を快適に活用しましょう。

 

【上から見て分かりやすく収納する】

フタを開けて、上から見てどこに何があるのか一目で分かるように、収納するモノにラベルを貼っておきましょう。床下収納は頻繁には開けないスペースなので、入れたモノのことを忘れてしまうこともあります。ラベルに「モノの名前」「賞味期限」「使用期限」などを書き込んで貼っておくことで、容易に管理しやすくなります。また、100円ショップなどで買えるファイルボックスや突っ張り棒などで収納ボックス内に仕切りを作れば、種類別に収納でき、取り出しやすくなります。

 

【湿気・虫対策を行う】

大切に保管しているモノをカビや虫が原因で処分することにならないために、湿気対策は必須ともいえるでしょう。近年では、通気口が付いた収納ボックスもあり、湿気対策に配慮されたつくりになっていますが、収納ボックスに新聞紙を敷いたり、除湿剤を入れたりするだけでも効果が期待できます。ずっと入れっぱなしだと効果が薄れてしまうので、定期的に新聞紙や除湿剤を交換することも大切です。

モノを詰め込み過ぎると湿気が溜まりやすくなるため、余裕をもたせた収納を心掛けましょう

 

【出し入れしやすく収納する】

1人で出し入れできないような重いモノは入れないようにしましょう。少しでも楽にモノの出し入れができるように、取手のあるカゴやケース、手提げ紙袋などを活用して収納すると、上部からでも出し入れがしやすくなります。

 

【定期的に掃除をする】

フタの開け閉めの際にホコリが入ってしまうことがあります。湿度が高くなりやすい床下収納にホコリが溜まってしまうと、それがカビや虫の栄養となり、繁殖・増殖の危険が高まってしまいます。定期的にフタを開けて換気をしたり、掃除をしたりしましょう

収納ボックスは取り外しができます。中性洗剤を含ませた柔らかい布で汚れを拭き取り、乾いた布でしっかりと水分を拭き取って乾燥させましょう。


■便利な床下収納を最大限活用しよう

床下収納は、居住空間を狭めることなく多くのモノを収納できるので、とても便利で家の中を広々とスッキリさせてくれます。身の回りがスッキリしていると気分も良くなり、効率がよい、余裕をもった生活が送れることでしょう。

収納するモノに注意して、湿気対策を行った上で、ぜひ床下収納をお役立てください。