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2024/09/29
住まい

新築のお風呂の種類と選び方!
後悔しやすいポイントや注意点を解説

疲れた体を癒やしたり、汗を流してリラックスしたりできるお風呂は、新築住宅を建てる際にこだわりたい空間の1つではないでしょうか。ホッと気持ちが休まるお風呂や、オシャレなお風呂でゆっくりとお湯につかって、一日の疲れを癒やしたいと思う方は多いことでしょう。しかし、いざお風呂を選ぶとなると、どんな種類のお風呂を選んだらよいのか悩んでしまうかもしれません。

そこで今回は、お風呂選びで後悔しやすいポイントとあわせて、お風呂の種類や選び方についてご紹介します。ぜひ参考にして、満足できるすてきなお風呂を完成させてください。

新築のお風呂の種類と選び方!<br />
後悔しやすいポイントや注意点を解説

■浴室の種類

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新築住宅で設置できる浴室の種類について、まず確認してみましょう。大きく分けると3つのタイプの浴室があります。

 

【ユニットバス(システムバス) 】

ユニットバスとは、浴槽・壁・床・天井がセットでつくられる浴室のことです。それぞれのパーツを工場で生産して、現場で組み立てます。これにより工期が短くなり、コストを抑えられる点が大きな特徴です。現在では新築の浴室として、ユニットバスが多く採用されています。

 

<メリット>

壁や床のつなぎ目が少ないつくりになっているため、汚れがたまりにくく掃除がしやすい上に、水漏れの心配もほとんどありません。保温性・防水性が高く、滑りにくい素材など安全性に配慮した工夫も豊富に取り入れられています。工場生産のため、品質や性能が安定していて安心です。

<デメリット>

ユニットバスには規格があり、その規格内で選んでいくことになります。浴槽・壁・床・天井などのデザインや素材を各メーカーは豊富に取りそろえてはいますが、こだわりをもって自由にお風呂をつくりたい方にとっては、不向きなお風呂のタイプかもしれません。

 

【在来工法の浴室】

在来工法とは、浴室の大きさ、形状やデザイン、素材などすべてを自分の好みでつくることができる施工方法のことです。ヒノキ風呂など、オリジナリティあふれるお風呂ができ上がります。職人がお風呂を設置する現場ですべてを作り上げていきます

 

<メリット>

住宅に合わせてお好みのサイズで浴室がつくれる上に、材料も自由に組み合わせて唯一無二のお風呂にすることができます。

<デメリット>

防水工事が必要となるため、ユニットバスと比べて工期も長くなり、材料費を含めた全体の費用もかなり高くなる傾向があります。そして職人の技術が仕上がりに影響を与えます。また、水漏れが起きないよう定期的なメンテナンスをする場合には、その費用がかかってきます。

 

【ハーフユニットバス】

ハーフユニットバスとは、ユニットバスと在来工法の両方の特徴をあわせもった浴室のことをいいます。浴槽や床など浴室の下半分はユニットバスで、壁や天井など上半分は在来工法でつくられます。

 

<メリット>

ユニットバスよりもデザインや素材の自由度が高く、趣向に合った浴室にすることができます。床や浴槽などはユニットバスのつくりになるため、高い防水性をもち、掃除がしやすい点も魅力的です。すべて在来工法でつくるよりも工期は短くなり、費用も抑えられます。

<デメリット>

ユニットバスは床から壁、天井まで一体化されているため、水漏れの心配は在来工法よりリスクは低めですが、ハーフユニットバスは上半分が在来工法であるため、どうしてもつなぎ目ができてしまいます。そのため、水漏れや断熱性が損なわれるリスクが高く、しっかりとした対策が必要となります。在来工法で使用する素材によって費用が大きく変わり、ユニットバスよりも高くなります。


■新築で快適なお風呂をつくるためのお風呂の選び方

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快適なお風呂づくりのためのポイントをご紹介します。満足できるすてきなお風呂をプランニングする際は、以下のポイントに注目してみてください。

 

【北側?南側?お風呂の配置】

一般的には、日当たりのよい南側にリビングやダイニングを、北側には水回りの浴室・洗面所・トイレを配置することが多いようです。

北側は日当たりが悪い場合が多いため、浴室を設置する際は、湿気がこもらないよう少しでも自然光や風を取り込めるように工夫する必要があります。換気が十分に行えない浴室だと、カビや汚れなどによりお風呂の劣化が早まる恐れがあります。光を取り入れるための窓と24時間換気扇を設置することで、湿気がたまりづらい清潔なお風呂にすることができます。

南側にお風呂をもってくる場合は、日当たりのよさで湿気やカビを防げる点と、洗濯物を干すときのスムーズな家事動線が期待できます。日当たりのよい南側に洗濯物を干すスペースが設けられていることが多いため、浴室のそばに洗濯機置き場を設けると、短い移動で洗濯物を干す効率的な流れがつくれます。ただし、南側に浴室などの水回りをもってくることで、明るく快適なリビングやダイニングのスペースが削られてしまう可能性もあるため、その点を考慮した間取りの調節が必要です。

 

【窓の設置】

浴室に窓を設置することでお風呂の印象がずいぶん変わります。射し込む光と風通しのよさにより清潔感や快適さを得られます。窓があることで狭い空間でも圧迫感があまり感じられなくなり、自然光の明るさで開放感も感じることができます。快適性を重視する上で、できるだけ窓は設置したいところです。

 

【お風呂の広さ】

居心地の良いお風呂にするにはある程度の広さが必要になります。新築の住宅をつくるとなると、どうしてもリビングやダイニング、寝室などの広さを優先したくなりますが、適切な広さを確保できるお風呂を検討しましょう。

お風呂の一般的な広さは以下の4種類になります。

●0.75坪   :浴槽・洗い場ともにコンパクトで大人1人の入浴向き

●1坪        :一般的によく採用されるサイズで、畳2畳分の広さ

●1.25坪   :一般的によく採用されるサイズで、洗い場がより広くなっている

●1.5坪     :浴槽・洗い場ともに広くなり、親子での入浴もゆとりがもてる広さ

 

【浴槽の形状と素材の選択】

選べる浴槽の形状や素材はメーカーによってさまざまです。自分好みの素材でつくられた浴槽を選びましょう。

 

<一般的な浴槽の形状>

「ラウンド型」は、曲線的で優しい印象を与えます。浴槽内が楕円形になっているタイプです。「スクエア型」は、浴槽内が四角いため広さがあり、スタイリッシュな印象を与えます。「ワイド型」は、通常の浴槽よりも横幅が広いため、全身を伸ばしてゆったりと入浴できます。親子での入浴にも余裕があります。

また、浴槽内にベンチが付いているタイプもあります。ベンチに座れば半身浴を楽しめ、小さな子どもとの入浴の際にも活躍します。ベンチの分だけ湯量を節約できるのもうれしいポイントです。

 

<一般的な浴槽の素材>

「FRP」は、「繊維強化プラスチック」のことで浴槽では代表的な素材です。軽くて強度が高く、保温性や耐久性にも優れています。デザインやカラーの種類が豊富で、コストも比較的抑えやすいところも魅力です。

「人造大理石」は、つややかな表面と見た目の高級感が特徴の素材です。汚れが付きにくいため掃除がしやすく、デザインも豊富です。FRPよりもコストは少し高めです。

「ホーロー」は、金属にガラス質の物質を焼き付けた素材で、高い蓄熱性をもっています。衝撃にも強く、傷が付きにくく、汚れや雑菌も付きにくいため、長期間美しさを保ちます。上質と重厚感が魅力のホーローは、ほかの素材よりもコストは高めです。

そのほかの主な素材には、「ステンレス」「木」「タイル」などがあります。好みやそれぞれの素材がもつメリット・デメリット、価格などを考慮して選択することが大切です。

 

【重要ポイント!掃除のしやすいお風呂】

最初は光沢があり肌触りもよく美しかった浴室も、毎日掃除をしているにもかかわらず次第にカビが見え出したり、汚れにより床などが変色してきたりしたことがあるのではないでしょうか。

お風呂掃除は結構手間がかかります。特に、こだわってつくったお風呂ほどお手入れは大変になり、癒しの空間であるはずが負担のかかる空間になってしまいかねません。こだわりを取り入れつつも、カビや汚れに強い素材や速乾性のある素材、お風呂掃除を手伝ってくれる機能なども選んでみてはいかがでしょうか。入浴後、スイッチを押すだけで自動で浴槽掃除をしてくれる浴槽などもあり、お掃除が少しでも楽になる工夫がされています。


■理想のお風呂の落とし穴!後悔しやすいポイント

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新築のお風呂をつくる際は、お気に入りのお風呂になるよう、完成を想像しながら作り上げていくことでしょう。しかし、いざ完成して使用してみると、想像したお風呂と違っていたということもあるかもしれません。

ここでは、できるだけ失敗・後悔しないためのポイントをご紹介します。

 

◎お風呂が狭すぎる・広すぎる

浴槽にこだわった分、洗い場が狭くなって、体を洗う際に壁などにぶつかってしまうようなことがあると快適な入浴タイムが台無しです。特に、小さな子どもとの入浴や介護をされる場合などは、洗い場も広い方が利便性は良くなります。一方で、お風呂は広い方が開放的でよいと思い、必要以上に広くし過ぎると掃除やメンテナンスが大変になったり、湯量が増えることで光熱費がかさばってしまうといった悩みが増えるかもしれません。家族やライフスタイルを考えて適切な広さを選びましょう。

 

◎窓の位置とサイズ

窓を設置する際に必ず意識してほしいのは、防犯対策です。道路に面した場所にお風呂を配置する場合は、大きな窓は設置しないように十分注意しましょう。また、すりガラスを採用したり、植栽を行ったりして視線を遮る工夫をする必要があります。しかし、すりガラスにしても入浴時のシルエットが窓に映る可能性もあります。

おすすめは、横長の窓を浴室の高い位置に設置する方法です。大きな窓は開放感も感じられ、景色も楽しめそうなので憧れる設備ではありますが、大きくなればなるほど外気の影響を受けやすく、浴室の温度が下がりやすくなります。小さな窓でも位置の工夫で採光を確保でき、デザインも工夫することでおしゃれで寛げる浴室になります。

 

◎最新機能の付け過ぎ

お風呂も日々進化し、魅力的な機能を付けられるお風呂がたくさんあります。長く使うことを考えると、あれもこれもと最新機能を付けたくなるものですが、必要と考えて付けたのに結局使わなくなり、メンテナンスの負担だけかかるという場合も少なくありません。本当に必要な機能かどうかをしっかり考えて、付ける機能を選びましょう。


■オシャレなお風呂をつくるコツ

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時間をかけて選ぶお風呂だからこそ、満足できるオシャレなお風呂を完成させたいものです。いくつかのポイントを意識することで、よりオシャレさを創り出すことができます。

 

☆照明にこだわる

浴室の照明にもたくさんの種類があり、照明ひとつでお風呂の雰囲気を変えられます。調光・調色機能付き照明で、華やかな雰囲気や落ち着いた雰囲気などに明かりをコントロールできます。ダウンライトや、間接照明のように壁際を照らすウォールライン照明なども癒し空間を演出してくれます。

 

☆色合いを統一させる

寛げるオシャレな浴室をつくるには、色も重要なポイントになります。浴槽・床・壁・天井などに4色5色と多数の色を使ってしまうと、落ち着きのない空間になってしまいます。多くても3色までに抑えて統一感のある浴室をつくりましょう。

ダーク系の色は高級感がありオシャレなのですが、黒色は特に水垢などを目立たせてしまいます。そのため、水垢をあまり気にすることなく高級感を出すには、グレー系やブラウン系で統一すること、または大理石調、木目調などの柄を入れてみてはいかがでしょうか。

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☆お風呂と洗面所に統一感をもたせる

浴室につながる洗面所も同じ雰囲気にすると、流れるような統一感のある美しさが広がります。洗面所から続く高級ホテルのような空間が生まれることでしょう。同じ素材やアイテムを用いてコーディネートしてみてください。

 

☆キレイが続くお風呂にする

せっかくこだわってオシャレなお風呂をつくっても、すぐに汚れてしまうお風呂はオシャレとはいえません。オシャレなお風呂の天敵は湿気です。防水性や速乾性があり、汚れが付きにくく落としやすい素材をなるべく選びましょう。手軽なお手入れで、きれいでオシャレなお風呂をキープしましょう。


■満足できる空間をつくって至福のお風呂時間を楽しもう

お風呂づくりで大切なのは、こだわりを持ちつつも家族構成やライフスタイルに適したお風呂にすることを意識してプランを立てることです。また、ホッとできる空間であるお風呂は、安全で安心できる場所である必要があります。手すりや滑りにくい床材なども検討しましょう。さらに防犯対策にも気を配りましょう。

至福の時間となるお風呂タイム。お風呂づくりは、さまざまな選択肢から選ぶのを楽しみながら、ご自身やご家族にとって極上のお風呂をつくり上げてください。