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2024/10/13
住まい

新築一戸建てにかかる費用は?
税金や維持費、費用内訳を紹介

新築一戸建てを購入するときは、建築費用だけでなく諸費用が発生します。また、家を建てた後には税金や維持費用などが必要です。現金で支払う費用もあるため、どのような費用がいくらくらいかかるか把握しておく必要があります。

そこで本記事では、新築一戸建てにかかる費用について建築費用や諸費用、維持費などの項目別に解説します。また、費用の節約方法についてもご紹介するので、マイホームを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

新築一戸建てにかかる費用は?<br />
税金や維持費、費用内訳を紹介

■新築一戸建ての相場

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新築一戸建ての相場はエリアによって異なりますが、2023年度の全国平均価格は建売住宅が3,603万円、注文住宅が3,863万円、土地付き注文住宅が4,903万円です。前年度と比較すると注文住宅と土地付き注文住宅は増加していますが、建売住宅は減少しています。

エリア別では、以下のようになっています。

 

全国

首都圏

近畿圏

東海圏

その他地域

注文住宅

3,863万円

4,195万円

4,142万円

3,897万円

3,625万円

土地付注文住宅

4,903万円

5,680万円

5,266万円

4,811万円

4,299万円

建売住宅

3,603万円

4,199万円

3,721万円

3,055万円

2,873万円

※【出典】:住宅金融支援機構「2023年度 フラット35利用者調査


■新築一戸建ての建築にかかる費用

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新築一戸建てを建築する際は、主に土地代、建築費用、諸費用がかかります。それぞれの内容や相場を確認していきましょう。

 

【土地代】

注文住宅を建てる場合、土地を持っていない方は土地代が必要です。土地の価格は広さや地域によって異なります。参考までに、2023年度フラット35で土地付き注文住宅融資利用者の土地取得費と建設費の平均価格をご紹介します。

 

全国

首都圏

近畿圏

東海圏

その他地域

土地取得費

1,498万円

2,277万円

1,851万円

1,319万円

915万円

建設費

3,406万円

3,402万円

3,415万円

3,491万円

3,384万円

※【出典】住宅金融支援機構「2023年度 フラット35利用者調査

 

建設費は全国どの地域でも大きな差はありませんが、土地取得費は地域によって大きく変わります。首都圏の家が高いのは、土地代が高いのが要因です。

 

【建築工事費】

建築工事費とは、ハウスメーカーや設計事務所などに支払う費用です。本体工事費、付帯工事費、設計料の3つに分類されます。

 

<本体工事費>

本体工事費とは、建物本体を建てるための工事費用です。駐車場や庭など建物本体以外の費用は含まれていません。部材やデザインによって費用は異なりますが、一般的に、家づくりにかかる全費用の約70~80%を占めるといわれています。内訳は基礎工事、外装工事、左官工事などです。

 

<付帯工事費>

付帯工事費は、建物本体以外にかかる費用のことです。既存建物の解体費、地盤改良工事費、外構工事費、屋外給排水工事費、照明器具工事費などが当てはまります。工法やプランによって費用は異なりますが、総費用の15~20%ほどが目安です。

 

<設計料>

注文住宅を建てる場合は設計料が必要です。設計料には建築設計費や工事管理業務などが含まれます。一般的な費用は、建築工事費全体の10%が目安です。

 

【諸費用】

新築一戸建てを購入すると、土地代や建築費用以外にも税金や手数料など、さまざまな費用がかかります。これらの費用のことを「諸費用」と呼びます。

諸費用は基本的に現金で支払うため、どのような費用がいくらくらい必要か把握して、準備が必要です。新築一戸建てを建築する際の主な諸費用とその内容をご紹介します。

 

<申込証拠金>

建売住宅の購入を申し込むときは、申込証拠金を支払うことがあります。契約に至る場合は手付金の一部になり、金額は2万円~10万円が目安です。ただし、申込証拠金が必要ない物件もあります。

 

<手付金>

売買契約時に売主に支払うお金で、購入代金の5~10%が目安です。物件の購入費に充当されますが、買い主の都合で契約をキャンセルする場合は返金されません。

 

<印紙税>

印紙税とは、売買契約書や住宅ローン契約書などに貼付する印紙代のことです。取引価格によって印紙税は異なります。例えば、契約金額が1,000万円を超え5,000万円以下の場合は2万円、5,000万円を超え1億円以下の場合は6万円の印紙が必要です。

 

<登記費用>

新築一戸建てを購入すると、土地や建物が誰のものか明確にするために登記簿に登録します。住宅ローンを借りる場合は、抵当権の設定登記も行います。抵当権の設定登記とは、金融機関が土地や建物を担保にお金を融資したことを示すものです。その際、登録免許税や司法書士への報酬が必要です。登録免許税は、固定資産税評価額に一定の税率をかけて算出します。税率は登記の種類によって異なります。土地の所有権移転登記は2.0%、新築したときの所有権保存登記は0.4%です。

 

<不動産取得税>

不動産取得税とは、不動産を取得したときにかかる税金です。基本的には、固定資産税評価額×4%で計算しますが、軽減措置があるため、適用要件を満たせば一定の金額が控除されます。新築一戸建ての場合、1戸あたりの床面積が50平方メートル以上240平方メートル以下であれば、固定資産税評価額から1,200万円の控除が受けられます。

 

<住宅ローン借入費用>

住宅ローンを申し込む場合は、融資手数料を金融機関に支払います。融資手数料は、定額制の場合と融資額×2.0%のように定率制の場合があります。ローン保証料とは、保証会社に支払うものです。ローンの返済が滞った場合、保証会社がローン残高分を金融機関に支払います。ただし、返済が免除されるわけではないため、以後は返済先が保証会社になります。

 

<仲介手数料>

売主との間に仲介会社が入っていれば、仲介手数料が必要です。仲介手数料は、400万円超の場合は「売買価格×3%+6万円+消費税」が上限となっています。

 

<火災保険料、地震保険料>

住宅ローンを利用する場合は、火災保険の加入が必須です。地震保険は任意で選べますが、セットで契約するのが一般的です。保険料は建物の面積や構造、補償対象、保険期間、特約の有無などによって異なりますが、5年分を一括で支払うと割安になります。5年一括払いの相場は、火災保険と地震保険のセットで約30~40万円程です。


■新築一戸建ての頭金はどのくらい必要?

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新築一戸建てを購入する際は、頭金をどのくらいにするか悩む方も多いでしょう。頭金が多ければ、住宅ローンの返済額や返済期間を減らせます。最近では頭金0円でも住宅ローンを借りられますが、頭金を用意した場合に比べて総支払額が高くなることに注意しておきましょう。

一般的に、頭金の平均額は住宅購入金額の10~20といわれています。例えば、住宅購入額が3,000万円であれば300万~600万円、4,000万円であれば400万~800万円が目安となります。


■建築後の維持費

新築一戸建てを建てると、建築後に維持費がかかります。維持費を用意できるように、余裕を持った資金計画を立てましょう。

 

【固定資産税・都市計画税】

土地や建物を所有していると、固定資産税が課されます。また、市街化区域内に土地や建物があれば、都市計画税も必要です。税率は地域によって異なることがありますが、一般的には以下の通りです。

●固定資産税:固定資産税評価額×1.4%

●都市計画税:固定資産税評価額×0.3%

 

新築住宅は特例措置があるため、3年間固定資産税が2分の1に減額されます。長期優良住宅の場合は特例措置が5年間適用されます。軽減措置を受けるには、自治体に「固定資産税減額申告書」などの書類を提出する必要があります。

【参考】国土交通省「新築住宅に係る税額の減税措置

 

【火災保険料・地震保険料】

火災保険料と地震保険料は、継続して支払いが必要です。5年分を一括して支払う場合、5年ごとに支払いが発生します。

 

【修繕費】

新築住宅は、年数とともに住宅設備や外装、内装が劣化するため、いずれ修繕費が必要になります。具体的には、外壁塗装、屋根の塗装、水回りの修繕・交換、給排水設備の工事などです。その他にもフローリングの張替えや壁紙の張替え、給湯器やガスコンロの交換工事なども必要になるでしょう。

分譲マンションの場合は、毎月修繕積立金を積み立てることになりますが、一戸建ての場合は、修繕に備えて自分で積み立てておく必要があります。修繕費は高額になるため、年間20万円程度は積み立てておくと、修繕が必要になったときも対応しやすいでしょう。定期的なメンテナンスを行うと、住まいを快適に保つだけでなく、資産価値も保つことができます。


■新築一戸建てにかかる費用を節約する方法

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新築一戸建てを購入するには、さまざまな費用が必要です。諸費用の中には節約できるものもあるため、減らせるものがないか確認しておきましょう。

 

◎ローン保証料を減らせないか検討する

ローン保証料は、住宅ローンの返済ができなくなった際に、肩代わりしてくれるローン保証会社への保証料です。保証料は借入金と返済期間に対して設定されるため、頭金を増やして借入金を減らすと節約できます。また、住宅金融支援機構のフラット35を利用すると保証料が必要ありません。

 

◎火災保険料を見直す

火災保険料への加入は必要ですが、保険会社や補償内容を見直すと節約できる可能性があります。すべての補償がパッケージになったものではなく、必要な補償だけを選ぶと保険料を節約できます。なお、地震保険に関しては、保険会社の違いによる差はありません。


■まとめ

新築一戸建てを建築すると建築費用だけでなく、さまざまな諸費用がかかります。また、住み始めてからは維持費がかかり、年数が経過すると修繕費も必要になります。諸費用がどのくらいかかるか事前に把握しておかないと、予算オーバーしてしまうかもしれません。

一戸建てを購入するときは、建築費用だけでなく諸費用まで含めた無理のない資金計画を立ててから、購入する物件の価格帯を検討しましょう。