注文住宅は、予算によって実現できることに差があります。1,000万円台~4,000万円台の予算別に建てられる注文住宅の特徴を解説します。
【1,000万円台で建てられる注文住宅】
1,000万円台で建てられる注文住宅の広さは、20~30坪程度です。20坪の場合、間取りは2LDKや3LDKが一般的です。一方、約30坪の場合は、3LDKや4LDKの間取りも可能になります。ただし、間取りが多くなると間仕切りの材料費や施工の手間がかかるため、部屋数を少なくした方がコストを削減できます。
1,000万円台の注文住宅は、凹凸の少ないシンプルな家が主流です。凹凸が多いデザインは建物の表面積が増えるため、材料費や足場代が高くなります。
費用を抑えるには、長方形や正方形などシンプルな外観がおすすめです。屋根の形状は、山形の切妻屋根や傾斜が一方向の片流れ屋根にすることで、コストを抑えられます。施工の手間が減るため、人件費の節約が可能です。
水回りは給排水設備や施工に費用がかかるため、できるだけ1カ所にまとめた方がコストダウンできます。2階建てにする場合は、1階と2階で水回りの位置をそろえましょう。
外装・内装の素材や設備にはグレードがあるため、費用を削減するためにはグレードが低めのものを選びましょう。建材は安く仕入れられる普及品を選ぶと費用を抑えられます。
注文住宅には、「自由設計型」と「規格型」があります。規格型は、ある程度決められた間取りの中から選ぶタイプのため、自由に間取りを決められる自由設計型に比べると人件費がかかりません。ただし、規格型でも多くのプランを用意している住宅会社があるため、希望に合った間取りを選べる可能性があります。
1,000万円台での家づくりに実績があるハウスメーカーを選ぶと、希望に合う間取りを実現しやすいでしょう。
【2,000万円台で建てられる注文住宅】
2,000万円台で建てられる注文住宅の広さは、25~35坪程度です。間取りは3LDKや4LDKが一般的です。外観は箱型のシンプルなデザインにするとコストを抑えられます。
予算が2,000万円台であれば、1,000万円台の注文住宅に比べて設備のグレードアップが可能です。しかし、予算オーバーにならないためには、優先順位をつけることが重要です。設備のグレードを高いものにする場合、内装は安価な素材を選び予算配分を工夫しましょう。
2,000万円の予算であればハウスメーカーや工務店の選択肢の幅が広がり、大手のハウスメーカーで注文住宅を建てることも可能です。ただし、大手のハウスメーカーはローコストハウスメーカーや中堅ハウスメーカーに比べて坪単価が高いため、建坪を小さくしたり規格型を選んだりするなど、ある程度の制限も必要になるでしょう。
【3,000万円台で建てられる注文住宅】
3,000万円台の注文住宅は平均的な予算です。広さや設備のグレードも平均的な家を建てられます。3,000万円台の予算で建てられる住宅の広さは、30~40坪程度が一般的です。地域によっては50坪以上の広さも可能になります。間取りは3LDKから5LDK、までとさまざまです。
3,000万円台で家を建てる場合、ある程度希望が実現されます。何もかも希望通りというわけにはいきませんが、広さや設備、デザインなどの希望をかなえることは可能です。予算内で理想の家を建てるには、優先順位を考えて、予算をかけるところと抑えるところを決めることが大切です。
1,000万円台や2,000万円台の家と同じように、シンプルな外観や、部屋を細かく区切らないことでコストを抑えられます。建材や設備は標準的なものを選び、こだわりたい部分のみグレードアップするとよいでしょう。
【4,000万円台で建てられる注文住宅】
4,000万円台の予算があれば、さまざまなプランが実現可能です。住宅の広さは、30坪~40坪程度が一般的です。都心部であればやや狭くなり、地方であれば少し広めの家を建てられます。建物の形状はL字型やコの字型なども選べるため、選択肢が広がるでしょう。
断熱性能や耐震性能が高い家を建てることも可能となるため、快適な暮らしができるうえに、光熱費の削減にもつながります。
ウォークインクローゼットやシューズインクローゼット、浴室暖房乾燥機、タンクレストイレなど、高性能な住宅設備の導入も可能です。ただし、すべての設備をハイグレードにすると予算オーバーになることがあるため、優先順位を決めることが重要です。