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2024/11/10
住まい

注文住宅を建てるのに
いくらかかる?
予算別の相場、費用を抑えるためのポイントを解説

新築住宅を建てるには、どれくらいの費用がかかるか気になる方は多いのではないでしょうか。また、できるだけ費用を抑えて家を建てたいと考えている方もいるでしょう。

注文住宅の費用は高いイメージがあるかもしれませんが、1,000万円台でも建てることはできます。ただし、デザインや建材、設備などにこだわるほど費用は高くなるため、上限はありません。

本記事では、注文住宅の価格別にどのような家が建てられるかを紹介します。予算内で理想の家を建てるには、費用の節約も重要です。注文住宅を建てるうえで費用を抑える方法も解説しますので、理想の家づくりを実現したい方は、ぜひ参考にしてください。

注文住宅を建てるのに<br />
いくらかかる?<br />
予算別の相場、費用を抑えるためのポイントを解説

■注文住宅の相場

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注文住宅の建築費用は、土地の有無によって大きく異なります。住宅金融支援機構の国際・調査部調査グループが発表した「2023年度フラット35利用者調査」によると、2023年度の注文住宅の全国平均価格は3,863万円、土地付注文住宅が4,903万円です。エリア別の相場は以下の通りです。

 

全国

首都圏

近畿圏

東海圏

その他地域

注文住宅

3,863万円

4,195万円

4,142万円

3,897万円

3,625万円

土地付注文住宅

4,903万円

5,680万円

5,266万円

4,811万円

4,299万円

※【参考】住宅金融支援機構国際・調査部 調査グループ「2023年度 フラット35利用者調査」参考に筆者作成。

 

土地を所有している場合、注文住宅の建設にかかる平均費用は3,000万円台後半です。特に、首都圏と近畿圏では、平均費用が4,000万円台前半となっています。


■【予算別】注文住宅の特徴

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注文住宅は、予算によって実現できることに差があります。1,000万円台~4,000万円台の予算別に建てられる注文住宅の特徴を解説します。

 

【1,000万円台で建てられる注文住宅】

1,000万円台で建てられる注文住宅の広さは、20~30坪程度です。20坪の場合、間取りは2LDKや3LDKが一般的です。一方、約30坪の場合は、3LDKや4LDKの間取りも可能になります。ただし、間取りが多くなると間仕切りの材料費や施工の手間がかかるため、部屋数を少なくした方がコストを削減できます。

 

1,000万円台の注文住宅は、凹凸の少ないシンプルな家が主流です。凹凸が多いデザインは建物の表面積が増えるため、材料費や足場代が高くなります。

費用を抑えるには、長方形や正方形などシンプルな外観がおすすめです。屋根の形状は、山形の切妻屋根や傾斜が一方向の片流れ屋根にすることで、コストを抑えられます。施工の手間が減るため、人件費の節約が可能です。

水回りは給排水設備や施工に費用がかかるため、できるだけ1カ所にまとめた方がコストダウンできます。2階建てにする場合は、1階と2階で水回りの位置をそろえましょう。

外装・内装の素材や設備にはグレードがあるため、費用を削減するためにはグレードが低めのものを選びましょう。建材は安く仕入れられる普及品を選ぶと費用を抑えられます。

 

注文住宅には、「自由設計型」と「規格型」があります。規格型は、ある程度決められた間取りの中から選ぶタイプのため、自由に間取りを決められる自由設計型に比べると人件費がかかりません。ただし、規格型でも多くのプランを用意している住宅会社があるため、希望に合った間取りを選べる可能性があります。

1,000万円台での家づくりに実績があるハウスメーカーを選ぶと、希望に合う間取りを実現しやすいでしょう。

 

【2,000万円台で建てられる注文住宅】

2,000万円台で建てられる注文住宅の広さは、25~35坪程度です。間取りは3LDKや4LDKが一般的です。外観は箱型のシンプルなデザインにするとコストを抑えられます。

予算が2,000万円台であれば、1,000万円台の注文住宅に比べて設備のグレードアップが可能です。しかし、予算オーバーにならないためには、優先順位をつけることが重要です。設備のグレードを高いものにする場合、内装は安価な素材を選び予算配分を工夫しましょう。

2,000万円の予算であればハウスメーカーや工務店の選択肢の幅が広がり、大手のハウスメーカーで注文住宅を建てることも可能です。ただし、大手のハウスメーカーはローコストハウスメーカーや中堅ハウスメーカーに比べて坪単価が高いため、建坪を小さくしたり規格型を選んだりするなど、ある程度の制限も必要になるでしょう。

 

【3,000万円台で建てられる注文住宅】

3,000万円台の注文住宅は平均的な予算です。広さや設備のグレードも平均的な家を建てられます。3,000万円台の予算で建てられる住宅の広さは、30~40坪程度が一般的です。地域によっては50坪以上の広さも可能になります。間取りは3LDKから5LDK、までとさまざまです。

3,000万円台で家を建てる場合、ある程度希望が実現されます。何もかも希望通りというわけにはいきませんが、広さや設備、デザインなどの希望をかなえることは可能です。予算内で理想の家を建てるには、優先順位を考えて、予算をかけるところと抑えるところを決めることが大切です。

1,000万円台や2,000万円台の家と同じように、シンプルな外観や、部屋を細かく区切らないことでコストを抑えられます。建材や設備は標準的なものを選び、こだわりたい部分のみグレードアップするとよいでしょう。

 

【4,000万円台で建てられる注文住宅】

4,000万円台の予算があれば、さまざまなプランが実現可能です。住宅の広さは、30坪~40坪程度が一般的です。都心部であればやや狭くなり、地方であれば少し広めの家を建てられます。建物の形状はL字型やコの字型なども選べるため、選択肢が広がるでしょう。

断熱性能や耐震性能が高い家を建てることも可能となるため、快適な暮らしができるうえに、光熱費の削減にもつながります。

ウォークインクローゼットやシューズインクローゼット、浴室暖房乾燥機、タンクレストイレなど、高性能な住宅設備の導入も可能です。ただし、すべての設備をハイグレードにすると予算オーバーになることがあるため、優先順位を決めることが重要です。


■注文住宅の費用を節約する方法

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注文住宅は自由度の高さが魅力ですが、理想の家を建てようとすると予算オーバーになることが少なくありません。しかし、費用の節約方法を知っておけば、理想をかなえやすくなります。注文住宅を建てる際に費用を抑える方法を解説します。

 

<延べ床面積を小さくする>

建築費用は延べ床面積に坪単価をかけて計算されるため、延べ床面積を小さくすれば費用を大きく節約できます。そこで部屋の面積を見直したり、廊下のスペースを削ったりできないか検討しましょう。間取りをコンパクトにすれば、掃除にかかる手間も減らせます。

 

<シンプルな外観にする>

外壁の凹凸が多いと表面積が増えるため、材料費や人件費などが高くなります。シンプルな四角形の外観にすれば、材料費や施工費を抑えられます。

 

<シンプルな形状の屋根にする>

デザイン性の高い屋根は施工に手間がかかるため、費用がかかります。切妻屋根や片流れ屋根などシンプルな形状の屋根を選ぶと費用を抑えられます。また、シンプルな屋根はメンテナンスがしやすいため、将来的にもコスト削減が可能です。

 

<間仕切りを減らす>

間仕切りが多いと建具のコストがかかるため、できるだけ仕切りを減らすことで費用を節約できます。子どもの成長に合わせて、後から簡易的な間仕切りや家具で仕切るようにすれば、子どもが独立した後は、広い空間として使えます。

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<水回りは近くにまとめる>

お風呂やトイレ、キッチンなど水回りをできるだけ近くにまとめましょう。配管をシンプルにできるため、設備費用を抑えられます。

 

<設備のグレードを下げる>

住宅設備はグレードを上げると費用も高くなります。価格が安くても必要な機能を備えている設備は多いため、設備のグレードを下げることを検討しましょう。予算に余裕があれば、こだわりたい設備のみグレードアップしてはいかがでしょうか。

 

<コストダウンを避けるべき場所もある>

理想の家を建てるには、優先順位をつけてコストをかけるところと、抑えるところを決めることが大切です。しかし、コストダウンしない方がよい場所もあります。

具体的には以下の設備が挙げられます。

●耐震性や耐火性に関わる設備

●断熱材に関わる設備

●防犯・セキュリティに関する設備

●屋根や外壁

●水回りの設備

 

安心・安全にかかわる部分のコストダウンは避けましょう。節約したことによって、安心して暮らせなくなったり劣化が早まったりする恐れがあります。劣化が早まると将来的に大きな費用が発生してしまいます。


■まとめ

注文住宅は価格が決まっている建売住宅とは異なり、予算に合わせて費用を調節できます。コストを抑える工夫によって、1,000万円台から注文住宅を建てられます。

注文住宅で重要なのは、優先順位をはっきり決めることです。自由度が高いことが注文住宅のメリットであるため、こだわりたい部分にお金をかけ、節約して問題ない部分は安価な素材や既製品を選べば、予算内で理想の家が建てられるでしょう。

まずは家づくりで何を重視するか、家族で話し合うことから始めましょう。