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2024/11/10
暮らし

壁紙の汚れの原因は?
掃除・お手入れの方法や予防策などをまとめて解説

壁紙が部屋に占める面積は大きいため、壁紙次第で部屋の印象が大きく変わります。清潔感のある壁紙は、心地よさや寛ぎを与えてくれるでしょう。しかし、毎日暮らしていくうちに、壁紙にはホコリやシミなどの汚れが付着してしまいます。そのため部屋全体がくすんでいるように感じて、もとのきれいな部屋に戻したいと思っている方は多いのではないでしょうか。

本記事では、壁紙に付いたシミなどの汚れの落とし方だけでなく、定期的な壁紙掃除の必要性や日頃から手軽にできる壁紙のお手入れ方法についてご紹介します。

なかなか手を付けられずにいた壁紙掃除をぜひ始めてみませんか?くすみが取れて明るくなった部屋で、毎日気持ちよく過ごしましょう。

壁紙の汚れの原因は?<br />
掃除・お手入れの方法や予防策などをまとめて解説

■壁紙の汚れの原因

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日々生活していく中で、知らないうちに汚れが壁紙に付着したり、うっかり汚れを付けてしまったりということがよくあるかもしれません。まずは、壁紙のくすんだ色や見栄えを悪くしてしまう汚れの原因について確認しましょう。

 

<ホコリ>

空気中に漂っている綿ボコリや砂ボコリ、塵、花粉などが静電気によって壁紙に付きます。手が届きにくい高い場所や、手が入りづらい狭い場所の壁紙に付着すると、蓄積して黒ずみとなり落としにくくなってしまいます。ホコリはカビの大好物であるため、ホコリのある場所にカビが増殖しやすくなります。

 

<手あか・皮脂汚れ>

壁紙を触ると手あかや皮脂が付き、じわじわと壁紙が汚れていきます。特に、頻繁に触るドアノブや電気のスイッチなどの周りは汚れやすい場所です。

 

<油汚れ>

調理中に飛び散った油や油を含んだ煙(油煙)が、キッチンの壁紙に多く付着します。油汚れはベタベタしているうえ、壁紙を黄色く変色させます。長く放置していると、嫌な汚れが取れなくなることがあるため注意が必要です。

 

<ペン・クレヨン・化粧品・薬品類>

小さなお子さんがいるご家庭では、ペンやクレヨンなどで壁紙が汚れることもよくあるかもしれません。また、化粧品や薬品(スプレー式など)が壁紙に付いたり、かかったりしてしまうこともあるでしょう。汚れが付着したままだと壁紙が変色する原因となります。

 

<粘着テープ>

壁にポスターや絵など、粘着テープを使って貼り付けていませんか?テープの粘着剤が壁紙の汚れや変色の原因になります。壁から粘着テープを剥がす際に、壁紙を破損させてしまう恐れもあります。

 

<カビ>

湿度の高い部屋の壁紙には、カビが発生しやすくなります。結露ができやすい窓際の壁紙や水回りの壁紙は、特にカビ汚れに注意する必要があります。壁紙に付いているカビを放置すると、壁の内部にまでカビが繁殖してしまう恐れがあります。

 

<タバコのヤニ>

部屋でタバコを吸うと、煙に乗って壁紙にヤニが付着していきます。少しずつヤニ汚れが蓄積していくため、変化に気づきにくいかもしれませんが、頑固な汚れとなり、臭いも染み付きます。壁紙が黄色に変色し、ねばねばになると、汚れ落としが難しくなってしまいます。


■壁紙の汚れを放置しておくことのデメリット

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壁紙にホコリや手あか、カビなど汚れが付いていると、見た目が悪いだけでなく、部屋がくすみ、何となく暗く感じることがあります。さらに、ホコリやカビが増えることで、アレルギー症状やぜん息、アトピー性皮膚炎などの健康被害が引き起こされる恐れがあります。

壁紙の汚れは日常的にたまるものです。長く放置していると汚れがこびりつき、家庭では除去することができなくなる場合もあります。嫌なニオイの発生や壁紙の劣化にもつながるため、汚れはそのままにはせず、早めの掃除が効果的です。


■掃除の前に壁紙の素材をチェックする

壁紙の素材はさまざまで、素材により掃除の仕方も変わります。壁紙掃除をする際に注意する点は、水拭きできるかどうかです。壁紙の素材にあった掃除の仕方でないと、壁紙が変色したり破損したりする場合があります。壁紙に優しい掃除をするために、まずは素材を確認しましょう。

 

<ビニールクロス>

ビニールクロスは、多くの家庭で使用されている壁紙です。耐久性が高く、水を通さないため、洗剤や水を用いてお手入れができる点が特徴です。多彩な色柄や凹凸があるタイプなど、デザインのバリエーションも豊富です。

ビニールクロスの中には、一般の壁紙では落とし切れないクレヨンや油性ペンなどの汚れを拭き取ることができる「汚れ防止壁紙」など、機能性をもった壁紙もあります。

 

<珪藻土壁紙>

珪藻土とは、植物性プランクトンの一種である珪藻(ケイソウ)の殻が堆積した化石の土です。部屋の湿度を一定に保つ調湿性能と消臭性能が優れています。珪藻土は水に弱く、水汚れが付くとシミの原因になります。また、表面を強くこすると珪藻土が剥がれたり傷が付いたりする可能性もあるため、水拭きはおすすめできません

 

<織物壁紙>

織物壁紙は、麻・絹などの植物繊維やポリエステル・レーヨンなどの化学繊維でつくられています。柔らかで温もりを与えてくれる織物壁紙ですが、素材の性質上、ホコリが付きやすく、水汚れも染み込むと落としにくくなりがちです。シミの原因になるため、水や洗剤を使っての掃除は適していません

 

<紙壁紙>

上品で繊細さが魅力の紙壁紙は、通気性に優れています。そのため、こすれなどに弱く、水も吸い込みやすい性質をもっています。水汚れが染み込んでしまうと落とすことが難しくなります。水拭きによる掃除は避けましょう


■【壁紙の種類別】日頃のお手入れの仕方と注意点

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それぞれの壁紙に適した方法で壁紙をお手入れすることが大切です。壁紙を傷めることなく、日頃から手早く簡単に汚れを防いできれいな壁紙を維持しましょう。

 

<ビニールクロス>

普段のお手入れ方法としては、静電気により壁紙に付着したホコリや塵などをハタキを使って落とします。または、乾いた布などで優しく拭き取ります。フローリングワイパーにドライシートを装着させて、壁紙をなでるようにしてホコリを取り除いてもよいでしょう。

 

<珪藻土壁紙>

普段は小まめに、珪藻土が剥がれないように、柔らかいホウキやハタキでホコリを落としてください。付着した汚れが軽いものならば、消しゴムで表面を優しくこすることで落とすことができます。目立つ汚れは、固く絞った布などで汚れの部分をポンポンとたたくように拭き取ると落ちる場合があります。

シミになるため水拭きは避け、表面が剥がれたり傷が付いたりすることのないように、力を入れすぎることなく優しく掃除するのがポイントです。

 

<織物壁紙>

ホコリが付きやすいのに水拭きができないため、普段から小まめにホコリを取り除く必要があります。ハタキをかけたり、ブラシを付けた掃除機で吸い取ったりします。汚れが付着してしまったら、すぐに乾いた柔らかい布などで、表面をポンポンとたたくように汚れを拭き取りましょう

力を入れすぎると繊維が傷んだり、糸がほつれたりする場合があるため、優しく掃除を行いましょう。

 

<紙壁紙>

素材が紙なので水を吸い込みやすく、一度汚れが付くと落としにくくなります。普段から小まめにハタキなどでホコリを取り除き、なるべく壁紙を汚さないように心掛けましょう。

手あかや小さな汚れ程度ならば、消しゴムで優しくこすると取り除ける場合があります。

水汚れが付いてしまったら、すぐに乾いた布などで吸い取りましょう。表面が破れないように注意しながら、優しくたたくようにして汚れを拭き取ります。


■【汚れの種類別】ビニールクロスの掃除方法

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ここでは、家庭で多く採用されていて、水拭きでしっかりと掃除ができるビニールクロスの掃除方法をご紹介します。

 

<軽い汚れ>

1. 水に浸して固く絞ったスポンジやタオルで、汚れを吸い取るようにして拭き取る。

2. 落ちない場合は、固く絞ったスポンジやタオルに中性洗剤(食器用洗剤)を数滴付けてから拭く。

3. 固く絞ったきれいなタオルや布などで、壁紙の表面に残った汚れや洗剤を拭き取る。

4. 水分を残さないために柔らかい布で乾拭きをする。

(注意点)

●ハタキなどで壁紙のホコリを落としてから掃除を始めてください。

●壁紙のつなぎ目に水分が入ると壁紙が剥がれてしまうため、注意しながら水拭きしてください。

●壁紙に洗剤が残ったままだと変色の原因になるため、しっかりと拭き取ってください。

 

<油・調味料>

「軽い汚れ」と同じ手順で掃除をした後、まだ汚れが残っていたら、消しゴムで軽くこすって残っている汚れを落とします

 

<油性ペン・クレヨン>

1. 消毒用エタノールを柔らかいタオルや布に染み込ませ、汚れに軽く押し当てる。

2. 汚れが浮き上がってくるので、優しくたたいて拭き取る。

3. 固く絞ったきれいな布などで水拭きをし、エタノールをしっかりと拭き取る。

4. 柔らかい布などで乾拭きをする。

(注意点)

●壁紙が変色する可能性があるため、あらかじめ目立たない場所で試してから掃除をしてください。

●汚れをこするように拭くと汚れが広がるので、細かく少しずつ拭き取るようにしましょう。

 

一般のビニールクロスに付いた油性ペンやクレヨンなどの頑固な汚れは、完全には落とすことができません。「汚れ防止壁紙」は、汚れが付きにくいうえに、油性ペンやクレヨンなどの頑固な汚れも落とすことができます。

 

<手あか・タバコのヤニ>

1. 「軽い汚れ」の掃除の手順で中性洗剤を使って掃除する。

2. 汚れが落ちない場合は、バケツに40℃ほどのお湯2Lと重曹小さじ5杯を入れた重曹水を準備する。

3. タオルや布などを浸し、固く絞って汚れを拭き取る。

4. 固く絞ったきれいな布などで水拭きをして、重曹水をしっかり拭き取る

5. 柔らかい布などで乾拭きをする。

(注意点)

長年蓄積したヤニ汚れは落とすのが困難です。掃除をしても汚れが取れない場合は、専門業者に依頼することをおすすめします。

 

<カビ>

1. タオルや布などに消毒用エタノールを付け、優しく汚れを拭き取る。

2. 固く絞ったきれいな布などで水拭きして、エタノールをしっかりと拭き取る。

3.  柔らかい布などで乾拭きをする。

(注意点)

●壁紙の表面が損傷する可能性があるため、あらかじめ目立たない場所で試してから掃除してください。

●カビが壁紙内部にまで根を張っている場合は落とせないため、専門業者に相談することをおすすめします。


■壁紙をきれいに保つための5つのポイント

日頃のお手入れと合わせて、次の5つのポイントも意識しながら生活していると、少しでも長くきれいな壁紙を楽しめます。

 

① 換気をよくする

キッチンの油煙やタバコの煙は、壁紙を黄色く変色させ頑固な汚れとなります。十分な換気をすることで汚れのもとの煙は外に排出されるので、汚れの付着の予防になります。同時に、湿気によるカビの予防にもなります。

 

② 家具や家電と壁の間に隙間をつくる

家具や家電が壁にピタリと付いた状態だと、静電気が発生してホコリが壁紙に付きやすくなります。また、空気の流れが悪くなり湿気がたまって、カビの発生や壁紙の変色につながります。壁から5cm以上離して設置しましょう。

 

③ 直射日光を避ける

直射日光が長時間当たっていると壁紙の変色につながります。カーテンなどで直射日光を当て続けないようにしましょう。

 

④ 薬品や化粧品を付着させない

殺虫剤などのスプレー式薬品や化粧品を壁紙に付着させないように注意しましょう。壁紙が変色したり、付着した色が落ちなくなったりする場合があります。誤って付着した際は、すぐに壁紙の種類に応じた方法で拭き取りましょう。

 

⑤ 粘着テープを貼り付けない

壁紙にシールやポスターなどをテープで貼りたくなるかもしれませんが、粘着剤が壁紙の変色や汚れの原因となってしまいます。テープを剥がす時も壁紙を破損させる恐れがあるため、できるだけ貼り付けないようにしましょう。


■まとめ

時間がたってしまった汚れは、壁紙に限らず落としにくくなってしまいます。壁紙はデリケートなため、力を加えたりこすり過ぎたりすると破損し、全体の景観を損ねてしまいかねません。汚れたら、できるだけ早く適切な方法で対処することが大事です。

範囲が広くて大変さはありますが、普段から小まめに壁紙のホコリを落として、汚れが付きにくい清潔な壁紙を保つことを心掛けてください。